訳有り少女は自由を求める

昔々、まだ世界に魔法が存在した時代

生き物は大きく三つの種族に分けられていました

一つ目は光の魔力を持つ神族

二つ目は闇の魔力を持つ魔族

三つ目はそれ以外の魔力と無力の人間族

種族はそれぞれのテリトリーを持ち

自らのテリトリーを広げる為に戦争が起きる時もある

特に神族と魔族は仲が悪く

その間に生まれた子は厄災の子とされた

そんな中、魔界を支配している吸血鬼一族に

生まれて数年で魔界最強と称えられる子が生まれた

そう、それが私

アリアス・ノーブルだ

私の名前はアリアス・ノーブル

現在の国王と妃の間に生まれた第一王女

ﾊﾞﾀﾝｯ

私は家族愛がどういうものなのか知らない

端から見れば私の父は尊敬すべき国王様で

私の母は国民思いの王女様

けれどここでは違う

父は私の力を独占するために当主の座に着かせようと

毎日のように私に暴言を吐き

母は私を人ではなく駒として扱う

私に優しくしてくれるのはメイドのベリーと弟だけ

ｺﾝｺﾝｯ

ｶﾞﾁｬｯ

ﾀﾞﾝｯ!!

エレスカ・ヴァリオスだったか?

エレスカ・ヴァリオスはこの国で二番目に地位が高い

ヴァリオス公爵家の長男

エレスカはこの国で悪名高い人の１人で

ついたあだ名は

冷酷公爵

この言葉が意味しているのは監禁

父は私をこの国に縛り付けようとしている

端から見れば褒めているような言葉も

父が私に発すれば真逆の意味になる

ｽﾄﾝｯ

ｺﾝｺﾝｯ

ｶﾞﾁｬｯ