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暖かい手が
僕の体に触れた。
まるで
僕を包み込むように。
「孤独」な僕を無視して降る冷たい雨とは違って
「孤独」な僕を受け入れてくれるその手は
とても暖かった。
その手の骨格で僕はもう
「人間」
と分かっていた。
でももし暖かな「人間」じゃなくても
抵抗する力は
もう残っていなかった。
猫
基本的水は苦手ではないが…。
ザブン
猫
猫
猫
すると人間は
僕の毛を洗い始めた。
僕は
「暖かい」感じたまま
人間に洗うがまま洗われていた。
不思議な感覚だった。
飼い主
そう白い布で僕を覆いながら言った。
この…解放感。
猫
飼い主
猫
飼い主
飼い主
そう言って差し出したのは
「鶏のささみ」だった。
パクっ
久しぶりの餌…
……ポロっ
あれ…?
目から水…?
何でだろう…?
何で泣いてるんだろう…?
飼い主
飼い主
飼い主
暖かい手が
僕の頭を撫でる。