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ねぇ、貴方はこんな噂ご存知 ?
遊び上手な皇女様
彼女が一つ笑みを浮かべれば 燐国の冷酷な皇子の御顔が綻び
彼女が一つ願えば 此の世のありとあらゆるもの物が手に入る
何千年に一度の天に溺愛された者
───────
誰もいなくなった 会場の受付場に腰掛け そっと痛む患部を晒す
至る処に痛ましい朱が広がっている
おおよそ、先程の社交ダンスで女性に ぶつかってしまった衝撃に出来たものだろう
なんとも運悪くその人は大手財閥の暴君令嬢らしく
時期に父の会社も潰されてしまうであろうと囁かれた
そこの方、ちょっとよろしいかしら ?
なんてへこたれてる場合ではないようだ
… 顔をお上げなさい
気を決して見上げた其処には 見知らぬ烏羽色の美しい女性がいた
柔らかな佇まい
華奢な身体
吸い込まれそうな眩い瞳
百人中百人が認める絶世の美女だった
あまりの美しさに言葉を失う
月光に包まれた彼女は まるで妖艶な天女様のようだった
───────
あの日から30もの夜が満ちた
メランコリックな心が上書きされた 魅惑的なあの夜を今も鮮明に憶えている
叶うことならば再び彼女と一つになりたい なんて、
ふわっと柔らかな甘さに身を包まれる
ああ、駄目だ
薫りで脳が蕩け 本能的に躯が彼女を求める
と彼女の瞳に浮かぶ無数の星屑がこちらを囚える
何重にもなる鎖の数々のように
ましてや喉から手が出るほど 蠱惑的な提案に誰が首を横に振れよう
貴方は知ってる ?
男女問わず一会にして心を盗む皇女様
どんな相手でも受け入れ、快楽へと導く
けれど、それは一夜限り。
そのことから彼女はこう呼ばれるようになった
ワンナイトシンデレラ