創造愛

少し時間が経ったあとも、変わらず手を繋いでいた

それどころか、最初は向かい合っていたのに隣同士に座っていた

隣に座って、地面に手をつけて恋人繋ぎをしていた

那結ちゃんは、嫌な顔はせずに恋人繋ぎをして話を聞いてくれた

手を首に当てて髪の長さを表現する

ズボッ

那結ちゃんは少し大きい声を出そうとする私にストローが入った飲み物を突っ込んできた

ポンッ

那結ちゃんが私の頭に手を置いてくる

そう言ったあと、ふいっと横を向いてしまった

今、すごいことを言われた気がした

照れているのは私だけかと思い、少し悲しい気持ちになった

沈黙が続くのが嫌で那結ちゃんの顔を見ると、少し、というか大分照れたような表情をしていた。

あまりの可愛さに思わず大きな声で答えた

那結ちゃんは少し照れ混じりの顔で大きめの声を出す

那結ちゃんはそう言ったあと、初めて少し微笑んでくれた

微笑んでる と言っていいのかも分からないほどの口角だったけど

ずっと笑ってくれなかったから

作り笑顔しか向けてくれなかったから

凄く凄く嬉しい気分になった

那結ちゃんは立って、ズボンを少し叩いて砂利や葉っぱを落としたあとビニール袋を持って帰る準備を始めていた

言われて気付いた、いつの間にか涙が消えていた

そう言いさっき飲んでいたエナジードリンクを指差した

ヒュゥッ…

強い風が吹いて、木から落ちた葉っぱが宙を舞う

桜でも無く、ただ夏に生える木の葉っぱなのに

さっきまで雨が降っていたかのような薄暗い天気なのに

風で短い髪がなびくと同時にスローモーションがかかったかのようなふわっとした笑顔を向けてくれた那結ちゃんが

世界の何よりも綺麗だと思った

ジッ…

咄嗟に出た言葉がこれだった

那結ちゃんは怒りながらも少し照れた声で言った

ギリッ…