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翌日の朝 生徒会本部
side海人
海人
自分のした事…それは紛れもない間違い
それはわかっていた…のに
あいつの…日葵の事になると暴走してしまう自分がいる
「違う」…
ずっと俺を守ってきたその言葉が今は刃物のように胸を突き刺す…
ふと目をやると、萎れた向日葵
心が沈んだ時に向日葵に目をやると、いつも萎れているような気がする…
海人
コンコン…ガチャ…
陽菜
海人
日葵が来たと少し期待した自分が惨めに思える
陽菜
陽菜
海人
陽菜
陽菜
大丈夫なわけ無いだろう…
海人
海人
陽菜
陽菜
バタン…
海人
回想 幼少期 髙橋邸
side海人
「お父様!僕、市の絵画コンクールで佳作になったんだ!ほら見て!」
海人父
海人父
そう言って父は僕の絵を目の前でビリビリに破いた。
僕はただ呆然と立ち尽くすだけだった。
僕は泣きじゃくった
いつになれば父に認めて貰えるのか
僕はずっと寂しかった
でも、そんなときにあの人に救われたんだ。
海人母
そう言って破かれた絵を見るなり母は…
海人母
そう言って破かれた絵を一つ一つ丁寧にテープで修復してくれた。
海人母
海人母
そう微笑みながら手作りの金メダルを掛けてくれたっけ…
僕はそれが嬉しくて…
母がいれば僕はずっと幸せだった…
でも、神は僕の事が嫌いだったみたいだ。
メイド
今泉
母は突然倒れた
ステージ4の膵臓がんだった。
父はそれを知るなり僕に当たった
海人父
僕も僕のせいだと思っていた
自分が母に無理をさせたのではないかと思っていた
ある日母はこう言った
海人母
海人
海人母
海人母
海人
海人母
海人母
海人
海人母
海人母
海人
海人
海人母
海人
海人母
ピーッ…
母は4月3日、永眠した。
僕の誕生日だった。
海人父
海人
海人父
海人父
父から出た言葉は意外なものだった
海人父
海人父
海人
海人
海人父
父に抱きしめられたのは初めてだった
冷たかった父からは想像出来ない…ほのかな暖かみを感じた。
家に帰り冷蔵庫を開けると、作った覚えのない手作りケーキが置いてあった。
プレートには「海人お誕生日おめでとう」の字
母が作ったんだと一瞬で分かった
海人父
海人父
海人
海人父
こうして当時6歳だった俺は、少しだけ、強くなった
回想 高校1年生 生徒会本部
あの日から10年の月日が経過し、俺は高校1年生ながらにして髙橋学園の生徒会長に抜擢された。
慣れない仕事に追われながらも、同級生の紫耀、廉、先輩の岸くんとジンに支えられた。
特に紫耀には感謝していた。
紫耀の思考力は時に全ての人間をポジティブにし、さすがインフルエンサーだなと賞賛することもあった。
紫耀には大切な人がいた。
名前は速水優花という、一般生徒だった。
人懐っこい性格の彼女はどこか紫耀と似ている部分もあった。
だが、ある日…
優花
海人
その日は紫耀が本部の役員会議に出席し、速水はそれを待っていた。
俺はまだ既存の仕事を終わらせていた
優花
海人
優花
海人
優花
優花
海人
海人
許せない…
大事な紫耀を傷付けて…
優花
海人
一瞬何が起きたのかわからなかった
速水は俺にキスしてきた
ガチャ…
紫耀
紫耀
紫耀
紫耀の顔に絶句した
俺は急いで速水を突き放した
優花
こんな状況になる事を望んでいたのか、嬉しがっている速水
俺は必死に弁明しようとした
母から贈られた…俺を守る言葉…
海人
海人
紫耀
紫耀の怒鳴った顔を見るのは初めてだった
紫耀
紫耀
そう言って紫耀は本部から出ていった
当時16歳だった俺は…また弱くなった…
回想 髙橋邸
side海人
日葵に出会って、日葵に恋をしてから俺は少しだけ勇気を持つことができた。
だが、日葵との距離が縮んだ次の日、日葵は紫耀に抱きしめられていた
また…紫耀に心を奪われてしまうんじゃないかと俺は気が気でなかった
コンコン…ガチャ…
扉が開き、日葵が立っていた
海人
日葵
海人
日葵
否定をしない…つまりはそういうことだ
海人
日葵
しどろもどろに話す日葵に苛立ちを覚える
海人
日葵
弱音を吐いてしまった
でももう止まらない…
海人
そう俺が言うと…
日葵
日葵
海人
何故日葵がそれを知っているのか…
日葵
海人
誤解だ…
日葵
日葵
日葵
言い訳…
日葵
日葵
泣きながらそう言う日葵
海人
日葵
海人
日葵
そう言って出ていってしまった
10年間俺を守ってきた母からの言葉が
一瞬で刃となった時だった…
平野邸
side日葵
私は…一体何をしているんだろう…
自分勝手で…人を振り回して…
日葵
紫耀
日葵
紫耀くんが居るのに気づかなかった…
日葵
日葵
紫耀くんが身にまとっていたのは…
純白のタキシードだった…
紫耀
日葵
ふっ…と笑ってもう一度紫耀くんを見ると…
紫耀くんは真剣な眼差しでこちらを見ていた…
日葵
紫耀
日葵
紫耀
紫耀
STEP8〜カコトミライ〜