授業中
担任
担任の尾崎先生が言うと
皆は嫌そうな声を漏らす。
どうにも
昨日のテストは難しかったらしい。
授業からやや発展した問題ばかりだったが
勉強しておけば問題ないはず。
点数が高い人は皆
授業を真面目に聞いているか
真剣に自習しているか。
なにもしていない人など
ほとんどいない。
担任
担任
うざい。
優等生気取り。
そんな声があちこちから聞こえる。
ほとんど悪口だ。
そんななかで
晴斗
晴斗が大きな声で言う。
嬉しい。
悪口なんて聞こえなくなるくらい
ただ、嬉しい。
でも、晴斗はクラスの人気者。
晴斗が私を褒めるたび
私が皆に嫌われていく。
晴斗と私は住む世界が違う。
私が晴斗のような人気者に褒められることなど
普通ではない。
当然、なにかしら裏があるとしか
皆には思われない。
晴斗はただ
とてもいいやつなだけなのに。
皆にテストが返されたあと
晴斗が私の席に来た。
私と晴斗は
通路を挟んで隣。
その通路が
私と晴斗の深い溝。
晴斗
晴斗に頼られるのは
勿論嬉しい。
でも
皆の視線が
とても痛い。
由佳
放課後
友達がいないというだけで
特になにもされてない。
だから別に
不登校なんて考えたこともない。
そもそも友達が居ないことだって
私が無愛想なだけで
晴斗のせいじゃない。
悪いのは私。
友達がいないのも
皆に嫌われるのも
晴斗と住む世界が違うのも
全部
私が悪いから。
ああ。
恋というのは
少し大変だ。
続きます。 一人1♡お願いします!