TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

肯定もせず、否定もせず。

俺は……ただ、"お前の傍にいる"という道を選んだ。

それで、少しでもお前を……絶望から、救い出す事が出来れば。

救い出す事が、出来るのなら。

……そう、信じて。

いるま

じゃ、支度するぞ

LAN

えっ、あ…で、でも、いるま……

いるま

……どうした?

LAN

…俺と一緒に来るってことは……つまりさ…?

おずおずと。

申し訳なさそうに、此方を見るらん。

いるま

……良いんだよ、別に

いるま

俺は、お前の助けに……なりてぇから……

LAN

…!!

いるま

さ、んな事よりさっさと支度するぞ

いるま

財布は…どこだったか

いるま

…お、あったあった。……中身は微妙だな

財布の中身……良くも悪くもって感じだ。

小っ恥ずかしい事を言ってしまって、慌てて話を変えようとする。

LAN

……ははっ、ありがとう。いるま

いるま

……おう

久しぶりにらんの笑顔を見た気がした。

その表情を見て、ホッと安堵の息が溢れる。

いるま

あ、あと……らん

LAN

んー?

すっかりいつもの調子に戻ったらんに、俺は。

いるま

今までの写真も、日記も……要らねぇもんは全部壊しとけよ

LAN

えっ…

いるま

…後戻りは出来ねぇ……それくらいわかってるよな?

LAN

………わかった。壊してくる!

そう叫ぶや否や、家を飛び出して行こうとするらん。

いるま

ちょっ、おい待てッッ!

いるま

外は雨降ってるだろ!?

LAN

あ、たしかに…

いるま

ほら、傘持ってけ

LAN

おー、サンキュっ!!

そして今度こそ俺の家を飛び出すらん。

俺も自分の部屋に入り、写真や日記を探っていると。

小さい頃の俺とらんが写ってる写真が、目に入る。

……らんとは、幼稚園の頃から仲が良かった。

家も隣で。……一般的に幼馴染とゆう奴だ。

中3まで、クラスも離れた事が無かった。

でも、あいつの親

ガミガミガミガミうるせぇ奴らで…

一言で表せば、毒親。

その毒親が彼奴に言ったんだ。

「いるまくんと仲良くするのはやめなさい」

「お前は勉強に集中していれば良いんだ」

「あんたは完璧じゃないとダメ」

「お前は俺たちの子なんだから」

それで俺とらんは高校が別になった。

それ以来ずっと彼奴には会っていない。

……だから。

あいつが…虐められている事など、知りもしなかったんだ。

いるま

クソッッ

拳を固め、床に叩きつけた。

ただ、ひたすらに……今までの自分の行動を。

悔いて、悔いて……後悔する。

もっと俺が早く気付いていたら。

もっと、気に掛けていたら。

……今更そんな事を考えたって意味が無いことぐらい…無駄なことぐらい

分かっているのに…

俺はただただ後悔した。

あの夏が飽和する[シクフォニ]

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

137

コメント

2

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚