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ただのモブ、魔法も使えないけど生きてます

第3話 - 学校であんなことしてたらこんな人に会った

2024年09月14日

#初心者

#ファンタジー

#恋愛?

(●´∀｀●)なー

如月鈴

…

如月鈴

(いつものように私は学校に行き、いつものように同じ席に座る)

如月鈴

(本来なら窓から外を見たり教科書を読んだり…色々としているのだが)

如月鈴

(生憎昨日からめんどくさいお嬢様に目を付けられてしまったので、今日はいつものようにはいかなかった)

天野なぎさ

あ！下僕ちゃん！おはよ〜♪

如月鈴

…おはようございます。

天野なぎさ

下僕ちゃん、遅刻ギリギリだったよ？頼みたいことあったんだから、もっと早く来なさいよ。

如月鈴

…すみません、

担任

ほら〜、みんな席に着いてください。

天野なぎさ

…はぁ、まぁいいわ、また後でね♪

キーンコーンカーンゴーン

担任

…

如月鈴

…

クラスメイト

…

如月鈴

(なんか、最後の音変だったような)

担任

…ｺﾞﾎﾝｯ、では、授業を始めます。

担任

今日は、変身魔法について学習します。

担任

変身魔法は、属性関係なく魔力がある者は皆できる共通魔法、姿を別の生物に変えることが出来ます。

担任

しかし、どんな生物にもなれるわけではなくて、個人にあった生物にのみ変身することが出来ます。

担任

呪文は''チェンジング''こう唱えることで、自分にあった生物に変身できます。

担任

まず、私がやってみます。チェンジング！

担任

私はカラスになることが出来ます。

クラスメイト

おぉ〜

如月鈴

(すごい…)

担任

では、皆さんもやってみてください。解除するには1度発動させた後、人間に戻りたいと思えば戻ることが出来ます

担任

…こんな感じです

クラスメイト

チェンジング！チェンジング！

クラスメイト

俺犬になったわ！

クラスメイト

ちょ、俺魚…ｶﾞﾊｯ、い、息が…

天野なぎさ

私もやる〜！チェンジング！

クラスメイト

天野さんなんか凄いのになりそう…!

如月鈴

(…ちょっと気になる)

如月鈴

…

クラスメイト

…

天野なぎさ

…

如月鈴

(ぇっ)

クラスメイト

…ﾌﾞﾌｫｯ

天野なぎさ

ちょっとぉ！何よこれぇ！絶対私に合ってないでしょ！

如月鈴

(…ふはっ、お似合いだよ)

如月鈴

(…なんて、口が裂けても言えない)

クラスメイト

〜〜！

天野なぎさ

〜、〜〜！

如月鈴

(…いいなぁ)

如月鈴

…ちぇんじんぐ

如月鈴

(無駄だと分かっていながら、どこかで期待してしまう)

如月鈴

(属性の関係ない共通魔法なら出来るのではないか、先生がそう判断しただけで、実は私にも魔力の器があるのではないか)

如月鈴

(そう思って口にしたかすれたような呪文は、誰にも気付かれることもなく、消えていった)

如月鈴

(そして、まるで空っぽになったかのように少し空いた私の口は、授業が終わるまで動くことはなかった)

担任

〜〜。

担任

では、授業を終わります。

如月鈴

(そんなこんなで、いつの間にか昼休み。私は弁当を探していたけど…)

如月鈴

(…忘れちゃった)

如月鈴

(お父さんがいつも作ってくれる弁当、いつも学校で半分だけ食べて、あとは家で食べる)

如月鈴

(でもまぁ、今日は忘れてよかったのかもしれない。なんだか食欲がない)

如月鈴

…屋上行こ

如月鈴

(人の目を掻い潜り、独りで屋上に来た)

如月鈴

(フェンスに手をかけて、少しだけ雲のある空を眺める)

如月鈴

…しにたい

如月鈴

(自然と出てきたその言葉に私は気付かず、いつの間にかフェンスを越えようとしていた)

如月鈴

(鳥の群れが空を飛んでいる)

如月鈴

(あと1歩進めば、私もこの空に届くだろうか)

如月鈴

(ふと、群れより少し離れたところを1匹で飛んでいる鳥が目に入る)

如月鈴

…頑張れ

如月鈴

(自然とそう口にし、鳥に向かって手を伸ばす)

如月鈴

…私も、そっちにいきたいよ

如月鈴

(1歩、前へ…)

如月鈴

っ！

如月鈴

(我に返った頃には遅かった)

如月鈴

ー落ちるっ

如月鈴

(反射的に目をつぶった、そのとき)

???

おっと、危ないよ?

如月鈴

っ！

如月鈴

(全身を強打することを覚悟していたが、それがくることはなくて、)

如月鈴

(いつの間にか私のお腹には、両腕が回されていて、)

如月鈴

(私は後ろから抱きしめられるように、誰かから支えられていた)

???

ごめん、死のうとしてたの、止めちゃった

如月鈴

別に、死のうとしてたわけじゃ…っ

如月鈴

(後ろを振り返ると思ったより顔が近くにあって、)

如月鈴

(私を助けてくれた彼は、黒い髪に切れ目が特徴的な、美しい顔をしていた)

如月鈴

(あまりに美しい顔が至近距離にあったので、思わず息を呑む)

如月鈴

(そして、後からやってきた恥ずかしさに追い込まれ、反射的に彼から離れる)

如月鈴

(たぶん、今の私は真っ赤だろう)

???

わぁっ、離れるなら言ってよ

???

てか、死のうとしてたわけじゃないって…君、さっき死にたいって呟いてたのに?

如月鈴

えっ

如月鈴

(無意識に言っていたものなので、私は気付かずにいた)

如月鈴

(というか、この人はどこまで聞いていたのだろうか)

如月鈴

あの…いつからここに

???

んー?ずっといたよ?気付かなかった?

如月鈴

え…

如月鈴

(なんということだ、全く気付かなかった)

???

それよりさ、君、死にたかったの？

如月鈴

…別に、そういうわけじゃ…ただ、無意識に…

???

へー、無意識に屋上来て飛び降りようとしてたんだ?怖いね〜

如月鈴

(彼の小馬鹿にするような言い方に、少し腹が立つ)

???

まぁ死のうが生きようが君の勝手だけどさ、目の前の苦しみから逃げようとしてるだけだと思うよ、僕は

???

君の心が未熟なだけさ

如月鈴

(無神経すぎる彼に私は我慢の限界を迎えた)

如月鈴

…貴方には関係ないじゃない。

如月鈴

(そう言い残して、私はその場から逃げるように去っていった)

如月鈴

最後まで見てくれてありがとうございました

如月鈴

また見てくれると嬉しい…

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