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第1話 - 過去

2022年08月01日

#妄想

M.M

時は戻り2007年病院内

父さん

結葉、頑張れ！後もう少しだ！

結葉

う、うん。フゥゥゥ

看護師

頑張って！お母さん！もう少しだよ！
頭見えてきたよ！

○○

オギャーオギャー

看護師

はい！産まれましたよ！女の子です！

父さん

結葉！ありがとう！産まれ、、え？結葉？先生！妻の様子が！

看護師

え？え？どうして？

看護師

先生！母体の体調が！

先生

え？どうして？とりあえずICUに！

成瀬結葉死亡

看護師

失礼します。旦那様

父さん

なんですか。妻が亡くったのに何まだ何か

看護師

あの、赤ちゃんのご様子を

父さん

今はそんな気分ではないです

父さん

あの子は養子に出します

看護師

旦那様…それは、

さとみ

ダメだよ。叔父さん。

父さん

さとみ君…

なー君

そうだよ！叔母さんが命を懸けて産んでくれたんだ！だから、叔母さんの意思を想いを繋いであげて！

るぅと

そうですよ。

ころん

きっと、叔母さんは叔父さんに想いを託したかったんだ

ころん

あの子を通して託したんだ

父さん

え？

莉犬

きっと“生きて欲しい”って
叔母さんは自分は死ぬって分かってた。叔父さんが自分が死んだら後を追って自殺してしまうと考えたんだよ。

ジェル

だから、あの子さえ産まれてくれればさえ、貴方はきっと生きるって考えたんだよ！だから、叔父さんの寿命が尽きるまで、あの子を守ってあげて欲しい！

看護師

奥さんの分まで生きてあげて欲しいです！奥様ずっと私にお腹のこと旦那には幸せになって欲しいって言ってましたよ！
自分が死んだら、旦那にこの事を伝えて欲しいと言われました。

ころん

看護師さん

父さん

あ、ありがとうありがとう

それから1時間泣き続けた

看護師

落ち着きましたか？

父さん

はい。ありがとうございます。

父さん

それより娘は今どこに

看護師

今、NICUに居ますよ。

なー君

どうして

ころん

普通だったらお母さんと一緒の部屋にいるはずじゃあ。

看護師

それが…

看護師が何か言いかけると病室のドアが開いた。そこには…

ドアが開きそこに居たのは医者だった

看護師

先生、丁度良かった。今からお父様をそちらに行きたいとおっしゃっていたんです！

先生

お父様、まず娘さんに会いに行く前にお話がございまして。

父さん

なんですか？

先生

実は娘さんは…

先生

“アルビノ”かと

るぅと

アルビノ？

先生

ええ。

先生

アルビノ、正式名称は“白子症”と言います。

莉犬

それって身体の色素が生まれつき不足してるって言う事？

先生

そうです。17000人に1人と言われています。

さとみ

そんな確率で。

看護師

えぇ。

父さん

…

先生

アルビノの人は目の色、髪の色、肌の人の色が普通の人よりも、薄いんです。
そのアルビノの人は必ず失明してしまっています。これはあくまでも、個人差ですが、

先生

髪、肌、まつ毛の色は白いのですが、まだ、眼の色がわかりませんのでしばらく入院になります。

父さん

あの、あの子に会わせてください。

父さん

あの子に名前をつけてあげたいので

看護師

わかりました。こちらです

父さん

あの子の体調は大丈夫ですか？

看護師

えぇ、大丈夫ですよ。

父さん

あの子まで、失って溜まるものか

看護師

大丈夫ですよ。私達が守りますから

？？？

瑞樹！

???

結葉さんは？

父さん

間に合わなかった。

父さん

けど、子は助かったよ。だけどね

瑞樹は説明した

？？？

そうなの。残念…

???

あの人はまだ、23歳なのにね。

看護師

あの、この人達は？

父さん

僕の両親です

茂雄

すみません。名前を言うのが遅くなって

看護師

大丈夫ですよ

和子

っていうか、貴方達は帰りなさい！もう遅いし。

莉犬

ちょっと無理

ころん

オレ達もその子の名前決めたいし

なー君

結果俺たちの妹になる訳でしょ？

茂雄

何を言ってるんだ馬鹿共

和子

貴方達とは親が違うのよ

父さん

母さん父さん良いよ。一緒に決めて欲しい。

茂雄

まぁ、お前が良いっていうなら

さとみ

よし！

看護師

こちらへどうぞ

看護師

どうぞ。

看護師

静かにお願いします

なー君

はい

父さん

あ、この子かな

父さん

あ、うぅ。なんて尊いんだろ。

父さん

結葉、ありがとうありがとう

るぅと

叔父さん…

ころん

名前どうする？

父さん

祐音（ボソッ

ジェル

え？

父さん

祐音

父さん

虹村祐音

ジェル

あぁ良いね！
ってなんで？

父さん

虹村っていうのは、妻の旧姓

父さん

祐音って言うのは妻と決めたんだ

父さん

心の綺麗な優しい子に育って欲しい

父さん

誰かに愛されて欲しい

父さん

って言う想いから来たんだ

るぅと

良いじゃないですか？

莉犬

でも、叔父さんの苗字成瀬って言うでしょでも、変えられるの？

ジェル

うん。変えられるよ！

なー君

市役所に行けば

莉犬

へぇ〜

祐音

おぎゃ。うきゃぁ、へへぇ（笑）

なー君

あ、笑った

3年後

祐音

父〜

父さん

あ、祐音。抱っこか？

祐音

う！

父さん

よっしゃぁ！

父さん

（この子の目は虹色だった。医者もビックリ。今日で3歳か。3年間親父達に助けてもらいながらなんとか、3歳を迎えたよ。結葉。
でも、この子あまりワガママを言わないから心配だ。他の子よりも大人しい。
僕は会社の専務をやってるからこの子との時間を過ごすのはあまりないけど、大切に過ごすようにしてるよ、結葉）

結葉

（ありがと、貴方）

父さん

（結葉！？）

後ろを振り向くと、蝶々がヒラヒラと舞い空に言ってしまった

父さん

（ありがと、結葉）

莉犬

あ、叔父さん！お待たせ

るぅと

祐音ちゃんも！

父さん

全然大丈夫

祐音

う！う！にいちゃ！

ジェル

ん/ん/

さらに2年後の12月15日の夜中

祐音

う、う、ふぇふぇ。（夜泣き）

父さん

んー。よしよーし
（おかしいなぁ、いつもは夜泣きなんて
　しないんだけどなぁ。
　とりあえず外に行って散歩して気持ち
　を落ち着かせるか。）

父さん

祐ちゃんちょっと外に行こうか

祐音

う？うん

外に出て、人のいない街に行く

父さん

よしよーし

父さん

“不幸にならないでくれ知らない所で傷つかないでくれ、僕達の大切な子へ”

祐音

ウフフ

その時、ガサガサと草が揺れる音、瑞樹がそこの方向を向くと“鬼”が居た

父さん

（あ、あれって鬼？父さんが昔言ってた　祐音だけは守らなければ）

鬼

良いよなぁ。人間は

父さん

え？

鬼

だってよ。暖かかい布団に入れてうまい飯を食えて。

父さん

は？

鬼

っていうか、今お前が抱いているガキ

鬼

アルビノだよなぁ、白い髪に白い肌

鬼

欲しいぜ。そいつを差し出せ

父さん

断る、俺の大切な娘をお前に差し出さない。

鬼

へぇ。じゃあ意地でも奪ってやるよ

祐音

う？父？

父さん

あ、祐音起きちゃったかぁ

父さん

（くっそ、起きちゃったかぁ）

父さん

（この前逃げるかぁ）

鬼

お、おっと、

鬼

そのガキ綺麗な虹色の目をしてるなぁ

鬼

良いゼェ良いなぁ。

祐音

父さん、あれは何？ワンワン？

父さん

違うよ、鬼だよ

祐音

鬼？

鬼

ふぅ、じゃあ、いただきます！

父さん

祐音、お父さんのお腹に隠れて！

祐音

お父さん、怖いよ

父さん

ごめんなぁごめんなぁ

鬼

そろそろだなぁ、お嬢ちゃん、チャンスだ、自分の命を捧げるとそのお父さんは助かるよ。おいで

祐音

あ、あ、う、

父さん

行かせるか、娘だけは、娘だけは…

鬼

チッ！

鬼

じゃあ、襲うわ。自分の運命を恨むんだな！ハハハ

祐音

あ、あ、（誰か助けて）

？？

この世から鬼を抹殺するまで

祐音

あ、（神様）

父さん

祐音、良かった。助かった

父さん

あぁ、もう身体が痛くない

父さん

もう、僕は死ぬ

父さん

祐音、最後にお話をしよう、

父さん

聞いてかれるかい？

祐音

うん。うん。

父さん

一つは、優しくなって欲しい。
誰かに優しくすればいつかは帰ってくる。

父さん

二つ目は勇気だ
勇気さえあればなんでもできる

父さん

三つ目はいつも父さんの歌ってる歌を誰かに繋いでくれ。

父さん

四つ目は幸せになる事
家族を作っておばあちゃんになるまで幸せになって

父さん

父さんと母さんはずっとお前のそばにいる

そう言うと蝶がやってきて父さんの頭に止まり数秒後に父さんは死んだ

祐音

いや。いやぁ！

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