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プロローグ?
夏休みも終わり新学期を迎えた高1の琉斗。
6月の“あの日”以来ずっと クラス中に無視され、
息を殺しながら学校生活を 送っていた。
誰からも存在を認められない 日々に耐えていたある日、
幼馴染の琥露と再会する……
失望されたくないと
最初は辛い思いを隠そうと するが、
彼の優しさに触れるうち、
堰を切ったように葛藤を打ち明ける琉斗。
思い切って前に進もうと 決心するが、
琉斗は衝撃のある真実に気づき……
全ての真実を知ったとき、
彼に優しい光が降り注ぐ__。
君の知らない世界
昔の夢を見た
琥露ちゃん、莉砮、佐都美くん
そして僕、琉斗
まだ、僕達は幼稚園生で
公園でシャボン玉を吹いて遊んでいる夢だった
赤間 莉砮
桃井 佐都美
赤間 莉砮
黄瀬 琉斗
シャボン玉を吹く
沢山のシャボン玉を追いかけて遊ぶ、莉砮と佐都美くん
そして、僕の隣でスケッチブックを開き、
シャボン玉の絵を描く琥露ちゃん
青山 琥露
黄瀬 琉斗
そう呟いてから、シャボン玉を見ると
上に上がったシャボン玉が ゆっくりと落ちてきて
地面に当たるか当たらないかぐらいの所で
パチンッ
と弾けて消えてなくなった
黄瀬 琉斗
その瞬間目が覚めた
何故あんなに昔の夢を、見たのだろう
あんなに穏やかだったあの頃とは違う
今から逃げることは出来ない
黄瀬 琉斗
掠れた声で、呟き立ち上がる
レースカーテンを開けるとそこは
明るく眩しい世界が広がっていて
僕は目を細めた
ガラガラ
僕は、1年B組の幽霊だ
俯いたまま教室に入る
同じ制服を着た人達の間をくぐり抜けて
自分の席へ向かう
椅子をゆっくり持ち上げて ゆっくり引く
なるべく音を出さずに……
少しでも気配を消すために
誰にも気づかれないように
目立つ動きは極力避ける
今日は9月14日
新学期が始まって 2週間も経っている
死んだように過ごしているので実感がなかった
そして______
“あの日”
僕の生活が一変した日から
3ヶ月が経った
教室を埋め尽くすクラスメイト達が騒ぐ
もちろん僕に話しかける人は誰一人としていない
視線も向けられない
いつもの事だ
今日も朝から放課後まで
誰からも話しかけられず 目も合わせず
ずっとひとり
いるのにいない
そんな表現がピッタリだ
だから、なんだ
別に1人でもいいし
この三ヶ月間 今の状態で学校生活を送ってきた
別に構わない。 なんの問題もない