バンッ!!!
自分が思いっきり壁にぶつかった音が響き渡った
蜩 聖葵
っ……
ジンジンと背中が痛む が、その痛みに構う暇を与えないように、すかさず木刀が振りかざされた
俺は自分が持っていた木刀でそれを受け止める
が
蜩 聖葵
あっ…
俺が持っていた木刀はあっさりと投げ捨てられてしまった
そして、相手の木刀が俺の胸に突きつけられた
蜩 聖葵
……はぁ
式神 榎戸
はい、また僕の勝ち~
蜩 聖葵
ダメだなやっぱ……
全然勝てない
全然勝てない
式神 榎戸
圧勝だー!やったー!
蜩 聖葵
あー…くそ……
いくら体が万全じゃないとはいえ
一戦も勝てねぇのは悔しいな……
いくら体が万全じゃないとはいえ
一戦も勝てねぇのは悔しいな……
式神 榎戸
はははっ、まぁがんばろ
逆にここまで動けてるのもすごいって
逆にここまで動けてるのもすごいって
蜩 聖葵
そりゃどーも…
式神 榎戸
さ、そろそろ終わりにしようか
もう時期夕飯時じゃない?
もう時期夕飯時じゃない?
床に仰向けになっていた俺に、榎戸は手を差し伸べた
俺がその腕を掴むとグイッと引っ張られた
その勢いに乗って力を入れて立ち上がった
式神 榎戸
随分スムーズに動けるようになったね~!
この間まではおじいちゃんみたいだったのに……
この間まではおじいちゃんみたいだったのに……
蜩 聖葵
一言余計……
式神 榎戸
だって事実なんだもーん
さ、食堂にレッツゴー!
さ、食堂にレッツゴー!
蜩 聖葵
たく……
式神 榎戸
今日の夕飯はなーにかな…ん?
プルルルルルル
荷物を置いていた場所から着信音が聞こえる
どうやら榎戸のカバンから聞こえるようだ
式神 榎戸
あれ、僕のスマホ?
蜩 聖葵
多分
早くでたら?
早くでたら?
式神 榎戸
うぃー
式神 榎戸
『もしもーし
式神でーす』
式神でーす』
電話に出る榎戸を横目に 自分の荷物をまとめる
にん…きゅう……
50……す…け
榎戸のスマホから、微かに電話相手の声が聞こえてくる
声的に上のやつらだろう 仕事の連絡なのだろうか
式神 榎戸
『あー…はい
りょーかいっす……』
りょーかいっす……』
蜩 聖葵
仕事?
式神 榎戸
うん、緊急で任務に行けってさ
式神 榎戸
50体とかくそだるー……
蜩 聖葵
は?それ1人で大丈夫なのか?
式神 榎戸
大丈夫ー、よくある雑魚たちの集団だよ~
蜩 聖葵
ならいいけど…
式神 榎戸
それじゃ、僕もう行くね
みんなには任務でいないって伝えといて?
みんなには任務でいないって伝えといて?
蜩 聖葵
了解
式神 榎戸
よろしくね~
食堂
修羅魏 アスカ
あ、聖兄だー!
蜩 聖葵
お、アスカ…もう食べてんのか……
修羅魏 アスカ
お腹すいてたからね!
吹嵐 咲希
アスカの食欲には毎度驚く……
修羅魏 アスカ
いやいや、こっちのセリフだよ~
その量で足りるの??
その量で足りるの??
吹嵐 咲希
いや多分私のが平均だって……!
蜩 聖葵
うん、多分咲希が普通かな
修羅魏 アスカ
えー!
蜩 聖葵
じゃ、飯取ってくるね
修羅魏 アスカ
はーい!
じゃねー!
じゃねー!
柊 莉桜
あれ、聖葵さん1人なんですか?
巫 十誇
ほんとだー
榎戸は?
榎戸は?
蜩 聖葵
あぁ…あいつなら任務が入ったから……
修羅魏 優雅
え、あの人また任務なの?
蜩 聖葵
またって?
綾上 燭
聖葵さんが動けない間、あいつめちゃくちゃ任務行ってたんすよ
授業もほとんど歩香先生とかリユ先生、ゼロとかだった
授業もほとんど歩香先生とかリユ先生、ゼロとかだった
蜩 聖葵
そう…だったのか……
蜩 聖葵
まさか俺の分全部やってたんじゃ……
柊 莉桜
うーん…
それもありそうなんですけど、明らかに多すぎるというか……
それもありそうなんですけど、明らかに多すぎるというか……
修羅魏 優雅
うん、2人分って感じはしなかった
蜩 聖葵
そうか……
蜩 聖葵
(あいつ…大丈夫か……?)
廃墟
式神 榎戸
うわ、すっげー多いじゃん…やばー……絶対50以上いるでしょコレ…
僕はとある廃墟に来ていた
上からの命令で
式神 榎戸
数が多いとは聞いてたけど、想像以上だよ
殺しても殺しても、わんさか湧いてくる
さすがの僕も少し疲れてきた
式神 榎戸
絶対これ1人で請け負うやつじゃないじゃん……とっ、危な……
式神 榎戸
まぁでも、こんくらい、今までやってきてたし
式神 榎戸
明日までには帰れそうだね
式神 榎戸
よーしっ!
式神 榎戸
頑張ろーっと