【君の隣。】

二人の吐息が重なり合う

甘い空間

僕は

求めるように君の

首を引き寄せる

そして

君の瞳に問い掛ける

「僕を隣に居させるの？」

新連載

【君の隣。】

✼桃青✼

　✼桃赤要素あり✼

✼死ネタ要素あり✼

第1話

「キンモクセイ。」

10月

叶わぬ恋をした

「めっちゃ好き」

そんな笑顔で言うから

調子が狂って

やたらと

君の笑顔が輝いて見えた

金木犀の香りも合わさって

もう何がなんだか

ただ分かったのは

甘酸っぱい感情で

まさにこの季節、

金木犀にぴったりな

淡い初恋だった

でもこの想いが実らないのは

分かってた

君にはずっと

想ってる人がいたから

……辛くても

君が幸せになれるなら

何でも良かった

君の顔が見れなかった

とっさに出た嘘だったから

……でも

君が幸せそうに笑うから

僕は応援するしか出来なかった

5月

淡い初恋が終わる

5月24日

赤くんの誕生日

きっと二人は

結ばれる

僕は知ってるから

赤くんの気持ちも

全部

考えるだけで

胸が締め付けられる

ｻﾞﾜｻﾞﾜ…

外がやけに騒がしい

好奇心には勝てず、

外へ出る

土砂降りの雨の中

人が集まっている

丁度

赤くんの家の近くだった

荒くなる呼吸

その時僕はきっと

もしものことを考えていたのだろう

ﾀﾞｯ

居ても立っても居られず

人だかりに向かった

そこに居たのは

顔は青白く染まり

頭からは血を流す

紛れもない

君の愛した人だった

赤くん！！

未だに頭に残っている

サイレンの音

騒ぎを耳にした君の

泣き叫ぶ声

そして

ほんのり香った

金木犀の香り＿

これは

5年前の話

そして今

僕は君の

恋人になった

be continued