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間違えて中太チャットノベルの短編集に入れたけどこれ福乱だから ((何か、中太の短編が増幅してて余ってたから改造した))

てっぺんまで上った日が傾き始めた午後2時。

最寄りの公園で腰を休め、寄ってきた猫達と戯れていると国木田が乱歩を連れてやって来た。

福沢

何事だ。

国木田

乱歩さんが異能にやられまして…

国木田は青ざめた顔で吃りながら話す。

福沢

どんな異能だ。

国木田

ご都合異能と云いますか…『涙脆くなる異能』だそうです

乱歩に目を遣ると目尻に涙を溜めて、達者な口をへの字に曲げて鼻を啜っていた

福沢

はぁっ…了解した。

福沢

此の儘乱歩を社に戻らせては皆の迷惑だ

福沢

私が此処で乱歩を預かる。太宰を呼んでこい

国木田は締まった声で返事をし、小走りで向こうに走っていった。

乱歩は私の隣でじっと桜の木に留まる鶯を見ている。

少し落ち着いているようなので野良猫に再び煮干しをやり始めた。

すると乱歩は私の袖をくいっと引き、震えた声で

乱歩

ぼっ…僕が今社に帰ったら迷惑なの?

乱歩

僕が泣くっ…と面倒臭いから猫の相手をするの?

っと。次第に目に涙を貯め始め、唇を震わせて息遣いが荒くなる。

違うと弁解しても泣き止むどころか更に

乱歩

僕は迷惑だよねっ

乱歩

知ってる…でもっ

この有様だ。

私の着物に顔を当てて、時々社長の莫迦、僕のこと本当に大事なの?のような事を

乱歩は私の着物を涙で濡らしながら自分の不幸と自己嫌悪をを訴えた。

こんな風に泣きじゃくる乱歩は十年ぶりだろうか。

あの時、私は手のやり場に困り宙に置いてしまったが今は違うと、

私の胸でぽろぽろと大粒の涙を零す乱歩の頭に掌を恐る恐る置いてみた。

するとふと勢いよく顔を上げて、潤んだ目で私の顔を見つめてから再びううっと唸りながら泣き始めた

乱歩

ぼっ僕がこんな頭脳なければ…

乱歩

両親は死なずにすんだはず

乱歩

社長にも迷惑はかからなかったッ、

乱歩

全部全部っ僕のっ

泣き喚く乱歩の顎に手を添えて、上に少し引き上げほんのり色づいた唇を塞いだ。

福沢

そのようなことだけは最後まで云わせんぞ…

乱歩は顔に紅葉を散らしてまた泣き始めた。

乱歩

しゃちょーの莫迦ぁッ

乱歩

自虐ぐらい最後までっ云わせてよッうぅーっ

乱歩

ひっうぁっ息ッ…しゃちょっの莫迦ッ

泣き過ぎなのか過呼吸気味の乱歩を落ち着かせるために背中を擦っていると乱歩は私の着物を掴んだまま眠っていた

福沢

目の下が赤くなっているな…

泣いている時彼は普段言わないような不満(と云っても大体自虐)を吐き散らして本人は多少辛いだろうが少しは楽になっただろうか…

私の膝に乘った儘、胸の中ですぅすぅ寝息を立てる此の二十六歳児には手がかかったものだ…

否、此れからもきっとかかり続けるだろう。だが不思議と厭な気はしない。

福沢

大きくなったな。乱歩

公園の向こうから太宰達の声が聴こえてきた。

福沢

此れからも探偵社を宜しく頼んだぞ。

そう語り掛けると彼は微かに微笑し、寝言で『福沢さん」っと呼んだ。

えんど

福沢

使い回すね。

福沢

いやぁ昨日の文スト見て死にかけた。

福沢

あとチャットノベルが絶望的に下手になってたのは否めない

福沢

杠葉様とlemon様を見習いたい…
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