綺麗に輝く星達と 美しく輝く月が静かに見守る
人気のない深夜で
小さく髪を揺らしながら ぼーっと遠くを見ている彼女。
僕
自殺なんて...辞めてくれよ...っ
淡い視界には 彼女はキラリと光る
彼女
ごめんね...っ
濁った笑みで 僕を宥める
彼女
でも私、楽しくないの
彼女
この世界も、生活も全部。
綺麗な眉を少し顰め 淡々と言葉を綴る
僕
だからって...っ
正直その言葉はショックだった 僕は必要とされていなかった という事だから
だからか 自然と涙が零れ落ちる
僕
僕は...っ
彼女のふんわりとした甘い香りが 僕の鼻をくすぐる
彼女
貴方は、大切な人よ。
僕
じゃあなんで...っ!
彼女
貴方にどれだけ縋っても
彼女
息苦しくて、辛くて
彼女
限界が来たのよ。
僕
まだ、僕は何もしてないよ...
彼女は薄く笑って そっと僕に歩み寄る
彼女
ちゃんとしてくれたわ。
彼女
私はもう十分満足よ笑
くしゃりと笑う彼女は 1番綺麗で見惚れる程美しかった
彼女
本当にありがとう。
僕
じゃあ、僕は何のために...っ
僕
生きれば...っ
いいんですか...っ
いいんですか...っ
涙が零れ落ちたらもう止まらない 次から次へと涙が溢れ出る
彼女
あら、私が生きる意味だったのかしら
彼女
嬉しいわね笑
彼女
とっても嬉しいんだけど
私事、忘れてくれる?
私事、忘れてくれる?
僕
...無理ですよ
彼女の言葉が 胸の奥底で響く。
僕
忘れられるわけないじゃないですか
彼女
そっか...
また眉を顰め、 振り返り柵の方へと進む
彼女
じゃあ、私が死ねば
彼女
忘れるよね...?笑
にこりと満面の笑みで 柵にそっと触れる
僕
辞めてくださいって...っ!
彼女
ごめんね...
彼女は柵に手をかけ 跨いだ
彼女
...やっぱり怖いなぁ...
彼女の足は少しだが 小刻みに震えている
僕は柵に向かって 全速力で走る
僕
待ってください...っ
彼女
ねえ...
彼女
私ね...っ
彼女
貴方の事が好きだったみたい。
その言葉を聞いて 僕は唖然とする。
僕
僕も...です。
僕
ずっとずっと好きでした。
彼女
ありがとう。
彼女
でも、無理みたいね...っ
振り返った彼女は 目に涙を浮かべている
彼女
ごめんね...っ
彼女
泣いちゃった...
細い腕で涙を拭う
けれど止まらないようで コンクリートの床に 小さくシミを作っていく
僕
思う存分、泣いていいんですよ。
僕
ずっと、泣いてきてなかった先輩は
僕
強いです。
僕
よく頑張りましたね
彼女
うん...っ
彼女
ありがとうね...
彼女
そうだね、泣くの
久しぶりかも...っ
久しぶりかも...っ
僕は歩み寄り、 彼女を抱きしめる
僕
先輩の選んだ道を
僕は応援します...っ
僕は応援します...っ
僕
受け入れるのにはきっと時間がかかるけど
僕
応援...します...っ
彼女
うん...っ、
うん...っ
うん...っ
彼女
ほんとにほんとに...っ
彼女
ありがとう
彼女は空へと飛び立った。
彼女の最初で最期の涙は
どんな宝石よりも綺麗だと思う。






