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午前は森の中での採取と下見に費やされた。
悠翔たちは枝の角度、葉の密度、風向きを丁寧に確かめている。
悠翔
あらたろ
Kanade
昼になって、悠翔たちは拾った材料を広場に広げた。
古布は袋に、細いワイヤーは束ねられ、乾いた木の実はすり鉢で粉状にされる準備ができている。
Kanadeは指先で粉の目の粗さを確かめながら、慎重に配合を決めていく。
あらたろ
あらたろ
設置作業はチームワークだった。
悠翔は悠翔は見通しの良い位置に立ち、各罠の間合いを地図に落とし込む。
陽葵は包帯や応急セットを持ち、子どもたちの安全を常に気にかけながら動いた。
DinoとKrakenはツリーハウスの上から双眼鏡代わりに小さな穴をのぞき、設置の様子を不安げに見守る。
Dino
Kraken
Kanadeは最後のワイヤーを引き、最終チェックを行った。
彼女の手は汚れているが確かで、目は鋭く光っていた。
Kanade
悠翔
やがて、葉擦れの音が少しずつ近づいてくるのを悠翔が感じた。
悠翔
最初は風かと思うほどの小さな音だったが、やがて人の足音が確かに混じるようになった。
フードをかぶった影が静かに林の縁を進む。カルトの襲撃者たちだ。
悠翔
悠翔は息を吸い込み、唇を動かさずに軽く目で合図する。
陽葵はワイヤーの端を指先で確かめ、呼吸を合わせる。
あらたろは足を踏みしめ、罠の近くに体を潜めた。
あらたろ
一列目の罠が最初の被害を出す。誰かが踏んだ瞬間、袋が落ち、破裂音がした。
粉が空気を揺らし、匂いが一瞬で広がる。
襲撃者の一人が咳き込み、視線を上げる。
悠翔は瞬時に反応し、クロスボウを構えて矢を放つ。
矢は相手の肩口をかすめ、動きを鈍らせる。
あらたろが枝を蹴って飛び出し、斧の柄で相手を押さえる。
Kanade
Kanadeは控えめに声をかける。
悠翔
罠は計画通りに敵の動線をずらし、戦いは徐々に我々側のペースになる。
カルト
だが、相手も退却と再編を狙っており、 数的優位を活かして押し返そうとする。
Kanadeは冷静に次の段階のタイミングを見極め、合図用の笛を唇に当てた。
軽い笛の音が夜空に小さく三回、響く。
あらたろ
その音を聞いたあらたろが合図通りに動き、仕掛けられたワイヤーの最終ラインが締め上がる。二本のワイヤーが相手の脚を絡め、相手は転倒する。
悠翔とあらたろは息を合わせて相手を確保し、陽葵とKanadeが素早く駆け寄って縛りを強化する。
子どもたちはツリーハウスの上からその様子を見守った。Dinoは目を大きく見開き、震える声で言った。
Dino
Kraken
敵を退けたあと、森はまた静かになった。
悠翔
その時、悠翔は地面に残された足跡に気づいた。
悠翔
人間の足跡とは明らかに違う、つま先が細長く、爪のような跡が三つに分かれているような形。
泥が薄く盛り上がったその模様は、不自然であることが、見ただけでわかった。
悠翔
Kanade
その後、悠翔は全員を集め、今夜の戦果と配置の反省を簡潔にまとめた。
Kanade
Kanade
皆の表情は疲れているがどこか引き締まっていた。
Kanade
Kanadeは手帳に今日の罠の挙動を細かく書き込み、 次回の改良点を列挙する。
陽葵
陽葵は包帯を洗い、簡易の消毒を行いながら、 子どもたちに温かい飲み物を渡す。
Kraken
Dinoはまだ震えながらも安心した顔を見せた。
Dino