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2件
主
主
主
主
主
主
主
主
ないこside
先生
ないこ
先生の話を聞きながら、素早く黒板に板書されたものをノートに書き写す
大半の生徒が真面目に受けているが、眠そうにしているものも少なくない
それは俺の隣の席も例外ではない
初兎
思いっきり爆睡しているのは、有栖初兎
彼は俺の幼なじみであり、片思いの相手でもある
キーンコーンカーンコーン
先生
先生
ザワザワ
授業が終わった瞬間、一気に騒がしくなる教室内
と、同時に俺は隣の席の初兎ちゃんの元に向かう
ないこ
ないこ
ないこ
初兎
ゆすって起こそうと試みるが、中々起きなさそうだ
ないこ
初兎
初兎
初兎
ないこ
ないこ
初兎
ないこ
初兎ちゃんは勉強がすごく苦手
それなのに、授業中寝ているから余計わかんないみたい
こればっかりは俺にはどうしようもできない
ないこ
初兎
ないこ
ないしょー
ないしょー
俺たちは急いで次の授業の教室へと向かった
ないしょー
俺達は廊下を全速力で走っている
次の授業は教室からかなり遠い距離にある部屋で行うため、 走っても間に合うか微妙なところだ
ないこ
初兎
二人ともイライラしているのか声が喧嘩腰だ
傍から見たら異様な光景だが、それほどまでに焦っていた
ないしょー
俺達はスピードを上げ、間に合うことを願った
ガラガラ
ないこ
初兎
なんとか授業が始まる一分前に着くことができた
ギリギリ間に合って良かった
ないこ
初兎
ないしょー
ガラガラ
先生
ガタガタ
先生が入ってくると共に、 さっきまで騒がしかったクラスメイト達が静かになり、席についた
先生
先生
先生がどんどん解説を進めていく
高二の内容だけあって、かなり難しい
単元によっては理解しきれないほどだ
先生
教室内にはチョークと黒板の擦れ合う音だけが響く
ノートに板書された内容を書きながら、横目で初兎ちゃんの姿を見る
初兎
寝てはいないものの、気怠げな様子だ
そんな様子までかっこよく見えてしまうのは、 惚れた弱みというやつだろうか(笑)
そんなことを思いながら、授業を受けた─────────
あれから無事授業も終わり、昼休みとなった
ちなみに案の定初兎ちゃんは授業中寝ていた(苦笑)
そして今は、屋上でお昼ご飯を食べている
ないこ
初兎
ないこ
初兎
ないこ
初兎
ないこ
たわいもない話をしながら、お弁当を食べる
この時間が何気に楽しくて好きだ
初兎
ないこ
初兎
ないこ
初兎
ないこ
初兎
確かに言われてみればここ最近、初兎ちゃんは調子が悪そうだった
気のせいかと思ったけど、当たってたみたい
風邪引かないといいんだけど…
ないこ
そう思いながら俺は唐揚げを口に運んだ
あれから午後の授業も終わり、放課後となった
ないこ
初兎
初兎
ないこ
ないこ
初兎
ないこ
初兎
初兎
今日はひとりなのか、少し寂しい
小学校の頃から行きも帰りも一緒に通学してきた俺たち
中学に入ってからは部活なので一緒に帰れない日も多かったが、 高校ではどちらも部活に入っていないためほとんど一緒に帰ってきた
だから一人で帰るのは久しぶりだった
ないこ
俺はいつもよりテンション低めで帰りに支度を始めた
ないこ
こうして俺はそそくさと家路についた
ないこ
ないこ
夕暮れの中、いつもは二人で歩く道を一人で歩く
帰り道にある公園からは子供が遊ぶ声が聞こえる
昔はよく初兎ちゃんと公園で遊んだものだ
今となってはどこかに出掛けてしまうことが多いが、 近所には近所の暖かさがあると思った
小学校ぐらいの時は何も考えずにバカやって笑って、 そんな毎日を当たり前に過ごしてた
でも今となっては将来のために勉強に勤しむ毎日だ
来年は高校三年生
受験勉強で初兎ちゃんと話す機会も少なくなるだろう
クラスが一緒になるかすら分からない
だからこそ、想いを伝えるのは今年しかない
今年伝えられなければ、お互い別の道に進んでしまい、 会えるかすら分からなくなってしまう
実らなくてもいい
好きだと伝えられればそれだけでいい
なんて思いながら家を目指して歩いた
〜次の日〜
ピピピッピピピッ⏰
ないこ
カチッ
ないこ
目が覚めたのは6時
今日は土曜日というのに、目覚ましの時間を変えるのを忘れていたのか 学校に行く時と同じ時間に起きてしまった
ここは二度寝してもいいが、せっかく早起きしたので 時間を有効活用することにする
ないこ
ないこ
ガチャ
ガチャ🚪
ないこ
ないこの母
母さんはちょうど、朝ごはんを作っているところだった
父さんは休みだからまだ寝てるんだろう
ないこの母
ないこ
ないこの母
ないこの母
何かあったのだろうか?
ないこの母
ないこ
昨日調子が悪いと言っていたが、本当に風邪を引いてしまったらしい
初兎ちゃんは風邪を引くと熱がかなり上がってしまうタイプだから心配だ
ないこの母
ないこ
詩月さんというのは初兎ちゃんのお母さんの名前
仕事が最近忙しくて休みが中々取れないらしい
ないこの母
ないこ
ないこの母
ないこ
ないこの母
ないこ
ないこの母
ないこ
ないこの母
ないこの母
ないこ
母さんが作ってくれた朝ごはんはいつも通り美味しそう
母さん、料理好きだから結構こだわってるんだよね〜
ないこ
ないこ
ないこの母
ないこの母
ないこ
ないこの母
バタン
ないこ
初兎ちゃんの様子をご飯が食べ終わったら見に行こうと思っている
別に今日は特にやることないし、初兎ちゃんの部屋に入り浸っとこうかな
なんて考えながら朝食を食べすすめるのだった─────────
ないこ
5分ほどで朝食を食べ終え、シンクに食器を置いておく
ないこ
ないこ
それから着替えるために自分の部屋に向かった
ガチャ
ないこ
クローゼットを漁りながらいい服がないか物色する
別に適当な服でもいいが、せっかく好きな人に会うのだから かっこよくありたい
いきなり告白するのは無理でも、軽いアピールから始めてみようと思う
ないこ
俺が選んだのは、シャツに黒のシンプルなズボン
俺はそれなりにスタイルがいいので、結構様になっている
そして上にマウンテンパーカーを羽織った
ないこ
ないこ
こうして俺は、初兎ちゃんの家に向かった
ないこ
隣と言うこともあり、すぐに初兎ちゃんの家に着いた
慣れた手つきでインターホンを押す
ピンポーン
シーン
案の定、初兎ちゃんは出てこなかった
何かあった時のために合鍵を交換してるため、問題ない
ないこ
ガチャ
ないこ
一応声をかけて中に入る
ないこ
きっと部屋で寝ている初兎ちゃんの元へ向かう
ガチャ
ないこ
ないこ
布団にくるまっていて、起きているか分からない初兎ちゃんに声をかける
初兎
初兎
初兎
初兎
ないこ
ないこ
初兎
ないこ
ないこ
初兎
ないこ
初兎
ないこ
初兎
ないこ
初兎
熱のせいか顔はほてっていて、目も少しうつろだ
普段から低い声はさらに低いため、少し緊張してしまう
ないこ
初兎
ないこ
ないこ
初兎
初兎
寂しそうにする初兎ちゃんは捨てられた子犬のようだった
そんな姿に後ろ髪を引かれる思いで、リビングに向かった
ないこ
ガチャ
初兎ちゃんの家は相変わらずセンスがいい
生活感とおしゃれさを兼ね備えている
初兎ちゃんのお母さんがおしゃれ好きだからだろう
ないこ
ガサガサ
冷蔵庫の中を漁って、食べやすいものを探す
お粥でも作ろうかと思ったが、今から炊くのは時間がかかるため断念した
ないこ
そして、俺が目をつけたのはゼリー
これなら食べやすくていいだろう
ゼリーとスプーンを持って二階に戻る
ないこ
ガチャ
ないこ
初兎
ないこ
ないこ
ゼリーの蓋を取り、初兎ちゃんに手渡そうとした
ないこ
初兎
ないこ
普段の初兎ちゃんが言わないようなことを言われ、俺は固まった
初兎
駄々をこねるように言う初兎ちゃんのかわいさにどうにかなりそうだったが、 風邪でやられているだけだと自分に言い聞かした
ないこ
ないこ
ないこ
初兎
初兎
初兎
ないこ
ないこ
初兎
初兎
美味しそうにゼリーを頬張る初兎ちゃん
表情が先程より和らいでいて安心した
何度か食べさせると、初兎ちゃんは眠そうにしていた
ないこ
初兎
ないこ
初兎
ないこ
一階に俺は薬と水を取りに行った
ないこ
薬がどこにあるかは前に初兎ちゃんが風邪引いた時に聞いたので、 案外すぐ見つかった
ないこ
あとはコップに水を入れて持っていくだけだ
ないこ
ないこ
適当なコップに水を入れる
ないこ
無事入れ終わり二階へと戻る
ガチャ
ないこ
初兎
初兎
慣れた手つきで薬を飲む初兎ちゃん
薬を飲むたびに泣いていた頃が懐かしい
初兎
ないこ
初兎
ないこ
初兎
初兎
ないこ
初兎
ないこ
「好きだよ」とはどう言う意味なんだろう
意味を聞こうにも寝てしまった聞きようがない
ないこ
先程の初兎ちゃんの言葉が脳裏から離れない
頭がそれだけでいっぱいになる
俺はしばらく、初兎ちゃんの顔を見れなかった
初兎side
初兎
初兎
ゆっくりと意識が浮上していく
起きて目に入ったのは自分の部屋と幼なじみの姿
初兎
ないこ
呼びかけると嬉しそうに答えてくれるないちゃん
その姿がまるで犬みたいで可愛く思った
ないこ
初兎
ないこ
そう言いながら安堵の表情を浮かべるないちゃん
自分のことやないのに、自分ごとのように考えてくれるないちゃん
昔からずっと変わらん
初兎
ないこ
初兎
ないこ
ないちゃんは笑って言ったが、顔が引き攣っているように見えた
それにさっきから目が泳いでいてなかなか目を合わせてくれん
どうしたんやろう、、、?
初兎
ないこ
初兎
初兎
ないこ
僕がそう言った瞬間、顔を赤くさせるないちゃん
その様子にさらに疑問が深まる
初兎
初兎
ないこ
初兎
僕のせいとは一体どう言うことやろ?
僕がなんかしたんやろか…?
ないこ
初兎
予想外すぎるその回答に思わず顔が赤くなる
「好きだよ」なんていつ言ったんやろう?
初兎
ないこ
初兎
ないちゃんに言われ、思い出した
ないちゃんが看病してくれたおかげで体調がマシになって、 安心して寝そうになっとった時につい本音が出てしまったんや
そん時は本人の前で言っとる自覚なんてなかったけど、 隠し通すはずやった僕の想いがないちゃんに伝わってもうた…
そらないちゃんも気まずくて顔見れへんわ、、、
ただの幼なじみと思ってた相手に告白みたいなことされて、 動揺せぇへんはずもない
ホンマやらかしたわ、、、
初兎
ないこ
そして、僕は覚悟を決めた
僕がないちゃんに好意を抱いとることは伝わっとるんやし、 ちゃんと気持ちを伝えよう
初兎
初兎
ないちゃんの方に向き直って、告白する
断られてもいい
気持ちが伝えられたら十分や
ないこ
初兎
予想外の返事に顔に熱が集まっていく
初兎
ないこ
初兎
ないこ
ないちゃんと付き合えた嬉しさから思わずないちゃんに抱きついた
初兎
ないこ
初兎
嬉しそうに顔を綻ばせるないちゃん
その姿は今まで見てきた中で一番キラキラと輝いていて可愛かった
初兎
ないこ
部屋に広がる甘い空間
ずっと望んできた幸せが、今ここにある
その幸せをじっくりと噛み締めた
ないこ
ないこ
初兎
忘れとったが、僕は今風邪をひいとる
言われてみたらクラクラしてきた
初兎
ないこ
初兎
ないこ
ないこ
初兎
初兎
ないこ
ないこ
遠慮がちに布団の中に入ってきてくれるないちゃん
初兎
ないこ
こうして、二人で手を繋ぎながら僕らは眠った────────────
〜終〜