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体育館裏
水澄咲幸
ガチャッ
水澄咲幸
体育館裏に着いた咲幸は掃除用具入れのドアを開け、何かを取り出した。
花柄の風呂敷を包まれている お弁当箱だった。
水澄咲幸
咲幸はホッと安心すると同時に 嫌なものを思い出した。
回想
数年前
桜小路(さくらこうじ) 中等学校
1年4組 教室
昼休み
ワイワイ
ガヤガヤ
水澄咲幸(中学時代)
ガラッ!
当時のクラスのみんな
冬城たち(中学時代)
水澄咲幸(中学時代)
冬城椿姫(中学時代)
水澄咲幸(中学時代)
冬城椿姫(中学時代)
初対面の人が私のお弁当を持った 次の瞬間、
ボトボト…
お弁当の中身を 目の前で捨てられた。
水澄咲幸(中学時代)
当時のクラスのみんな
冬城椿姫(中学時代)
冬城椿姫(中学時代)
椎葉&水琴(中学時代)
水澄咲幸(中学時代)
回想終了
水澄咲幸
水澄咲幸
水澄咲幸
水澄咲幸
水澄咲幸
水澄咲幸
バタンッ
水澄咲幸
水澄咲幸
水澄咲幸
パカッ…
体育館裏の階段に座った咲幸はお弁当を開けた。中にはタコさんウインナーときんぴらごぼう、分厚い玉子焼きとご飯が入っていた。
水澄咲幸
数分後
水澄咲幸
子猫
水澄咲幸
何処からか弱々しい猫の鳴き声がした。見渡すと近くにある花壇の端から三毛猫が自分の方へ少し覗いていた。
水澄咲幸
子猫
水澄咲幸
子猫
水澄咲幸
出てきた三毛猫を見て、 咲幸は言葉を失った。 ボロボロでやせ細っていたからだ。
水澄咲幸
水澄咲幸
咲幸はお弁当箱の蓋にまだ残っていたウインナーとたまご焼きにご飯を少し乗せ、子猫に差し出した。
水澄咲幸
子猫
水澄咲幸
咲幸はビニール袋に入っていた潰れた菓子パンを食べ始めた。子猫はあまりの空腹感に我慢出来なかったのか、 もの凄い勢いで食べた。
子猫
子猫
水澄咲幸
水澄咲幸
咲幸はいつの間にか平らげた子猫を 撫でようと手を伸ばした。
水澄咲幸
子猫
フワッ……
水澄咲幸
子猫
咲幸の手が近くに来ている事に 気づいた子猫は最初は怯えながら頭を 屈めていたが、咲幸の手が触れた瞬間に緊張感と恐怖心が少しずつ無くなっていき、ゴロゴロと喉を鳴らした。
水澄咲幸
水澄咲幸
子猫
咲幸は子猫を抱き上げ、なるべく苦しまないように子猫を抱きしめた。
子猫は嫌がらず、暴れず、 ただ咲幸の顔を頬ずった。
水澄咲幸
······一人ぼっちは───寂しい。
水澄咲幸
“あの日”から───。
数十年前
11月
何処かの公園
女性
咲幸(5歳)
女性
咲幸(5歳)
女性
脳裏に浮かんでいたのは……
“あの日”に感じた金木犀の甘い香りに 混じった冷たい風と
最後に見た“ある女性” の背中だった。
数分後
🎼.•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪
水澄咲幸
水澄咲幸
子猫
水澄咲幸
水澄咲幸
水澄咲幸
子猫
水澄咲幸