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5月12日。今日の夕飯は鯖だった。
今の時刻は午前8時12分……朝だ。 家庭科の宿題のメモだけ書いて、早く学校に行かないと。 昨日の……11日の夕飯はカレーだった。2日目の美味しいやつ。 今日の夕飯は、夕飯の鯖は、 一体何だったんだろうか。
もしかして、昨日の夕飯が鯖だったのか?そこにいた兄に声をかける。
兄
兄
やっぱり、勘違いか何かなのだろう。 いつの間にかギリギリの時間になっていたので、慌てて学校に向かった。
今日の夕飯は……鯖だ。
俺のだけ普通の鯖じゃなくて、梅の味付けをされた美味えやつ。梅だけに。
……クソしょうもないな。
俺があまりにも普通の鯖を食べないから、親が梅鯖を買ってくれるようになった。そのせいで俺の鯖嫌いは治ってない。
食事を終えて、部屋に戻って考える。俺はどうして夕飯が鯖なのを知っていたのだろうか。
……いや、違う。 あれは夢なんかじゃない。現実だ。
リアルな夢は何度も見たことがあるが全部ありえない事象が起きていた。 死んだはずの爺ちゃんが商店街で大道芸人やってたり、そのへんの猫が平然と喋ってたりした。
昨日の、いや今日か、とにかく夕飯に鯖を食べたのは。というか、今日と昨日の生活は。いつも通りの、普通の、生活。おかしな点など何も無かった。
鯖の呪い? 無限ループ?
ありえない。そんな夢みたいなこと。
そういえば今は何時だろう。夕飯を食べ終わったのが7時半ぐらい。今日は8時半から見たい番組があるのだ。スマホで時間を確認する。
スマホの画面には、5月12日08:12と表示されている。 朝の8時12分。 残っていた宿題をさっさと片付けて、早く学校に行かないと。一日の食事のメニューを書いてくるだけの、家庭科の宿題。