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ディオのツンデレがめっちゃ好き。 カエルの両足に紐付けて振り回して遊んでた割には蜘蛛苦手なんや。ジョナサン。
すげえ…
貴方のおかげでジョナディオにハマりましたありがとうございます新しい扉が開きました
主
主
主
主
執事
ジョナサン
白ひげを蓄えた執事が、 僕の左頬を凝視する
そのように人の顔を まじまじと見るのは紳士的じゃあないと思うが
まあ無理もない
ジョナサン
ジョナサン
僕の頬は今、痛々しく腫れ上がっているのだ
先程、ディオとボクシングの勝敗で賭け事をしていたのだが
その際にディオから思いっきりパンチを喰らったのが原因である
まさか親指を目に入れて、そのまま殴り抜けてくるなんて
どこであんな、残酷な技を習ったのだろう
執事
ジョナサン
執事はう~んと唸り、顎に指を添える
執事
ジョナサン
執事
ジョナサン
そう言って僕は、この傷を隠すように
執事をその場に置いて階段を駆け上がった
ジョナサン
ガツッ
ジョナサン
最後の一段を登り切る前に
段差につま先を引っかけ、僕は床に倒れた
ジョナサン
ゴンッ、と顎から衝突し、僕はあまりの痛さに涙を浮かべた
ディオ
ジョナサン
僕は顎をさすりながら、床に伏せたまま
サラリ、と淡く光る金髪の少年を見上げた
ディオ‥
この家に来た養子であり
僕を、さっきボコボコにした当人である
ディオ
ディオは僕を見てクックッ、と嫌な笑みを浮かべる
悔しくてたまらないが、ディオよりもずっと弱い僕にはどうしようもないんだ‥
ジョナサン
ジョナサン
僕はゆらりと立ち上がり、パンパンと服に付いたゴミを払う
ディオ
ディオ
ジョナサン
ディオ
ジョナサン
ディオは自室の扉の前にもたれかかり、腕を組んでいる
ジョナサン
なぜかディオはそこから動こうとせず、何やら挙動不審だった
ジョナサン
ディオ
ぐぬ、と下唇を噛み、苛立っている様子だった
ディオがこうやって暴言を吐くときは、あまり話しかけないで一人にさせた方が僕の身のためである
‥しかし‥
ジョナサン
ディオ
怖いなぁ‥怒っているのを露わにしているときの君は‥
怖いが‥何か部屋に入れない”理由”が、ディオにはあるのだろう
困っている人を、例えそれがディオであろうと、颯爽と助けるのが紳士だろう
そう思い、僕は冷や汗を指で軽く拭い、ディオの前に佇んだ
ディオ
僕よりも頭一つ分ほど小さいディオ。しかし僕をにらみ上げるその威圧感は尋常じゃあない
ジョナサン
ディオ
ジョナサン
ビクッとディオは肩を揺らし、目を大きく見開いた
自分でも驚くくらい大きな声を出してしまったのを恥じて、僕は、コホンと咳払いをする
ジョナサン
ジョナサン
大きな声をうっかり出したのが良かったのか、ディオは黙って僕の話を聞いていた
ジョナサン
ディオ
ディオはふい、と顔を逸らして、口をへの字に結んだ
ジョナサン
ディオ
ジョナサン
ディオ
ジョナサン
ディオ
ディオは盛大に舌打ちを鳴らして、その橙の色を帯びた瞳をこちらにギロッ、と向けてくる
ディオ
ディオ
ディオは口を尖らせて、また顔を僕から背けた
つまり‥
ジョナサン
ディオ
ディオ
あ、怖いんだな。そう直感的に思ったが
ディオが顔を真っ赤にして騒いでいるのを見て、何も言わないでおくことにした
ディオ
ジョナサン
ジョナサン
ディオ
どうして君は、助けて貰う側だというのにそう偉そうにできるんだ‥
まあ、無理矢理聞き出したのは僕か
ジョナサン
気合い入れのために腕まくりをし、銅のドアノブを握る
ディオ
ドアノブへ伸ばした腕が、ディオに掴まれた
ジョナサン
ディオ
ジョナサン
ジョナサン
ディオ
ジョナサン
ジョナサン
ディオがパッ、と僕の腕から手を離したところで、再びドアノブを握り、回した
ギィ、と蝶番が唸る
既に外は夕日が顔を覗かせており、部屋中が琥珀色に染まっていた
ジョナサン
ディオ
ディオ
ジョナサン
そう言いたくなったが、ここは紳士的に口をつぐんだ。
ジョナサン
ディオ
ディオ
ディオは僕の背後に立って、カーテンを指さしていた
その指先は小刻みに震えており、僕は吹き出しそうになるのをなんとか堪える
ジョナサン
僕はカーテンの端をめくったり、バサバサと揺らしたりした
ディオ
ディオ
ジョナサン
ジョナサン
ディオ
ディオが僕に怒りの視線を刺してきている気がしたが
無視してカーテンを詮索した
しばらく窓の周りを見たが、見つからない
ジョナサン
ディオ
ジョナサン
ジョナサン
ジョナサン
ディオ
ふとディオの真横に、天井から糸を垂らし、先端でブラブラと揺れている蜘蛛がいるのが見えた
ディオ
僕の視線の先を、ディオは横目で確認し、サァッと一気に顔を青くした
ディオ
ディオは混乱したのか、腕をブンブンと振り、蜘蛛を追い払おうとしていた
ジョナサン
ディオ
ギャーッと騒ぎながら腕を回していると、ディオの手の甲に蜘蛛が触れた
そのまま蜘蛛はディオの手首に移動し、服の裾へサササと向かっていった
ディオ
ディオ
腕を極力伸ばし、自身の顔から距離を離すようにしていた
ディオ
ディオはその場でへたれ込み、ぐすぐすと泣き始めた
ジョナサン
正直、僕も蜘蛛は得意じゃあない
むしろ、今の今まで「助けてあげる」と言ったことを後悔していたくらいだ
ディオに引っ付いている蜘蛛は、手足がバラバラに蠢き、僕は何か本能的に体が触ることを拒絶していた
ディオ
しかし、いつも強気なディオに泣かれると、なぜか‥
ジョナサン
ディオ
蜘蛛は既にディオの髪の毛先にまで歩いてきており
ディオは半ば諦めたようにただただ震えて、涙を流しながら唇を噛みしめていた
ジョナサン
僕はディオの前に膝をつき、ディオの瞳を見つめた
ディオ
ディオの繊細な毛並みに指を通し、蜘蛛を指先で摘まむ
ディオ
ジョナサン
僕はディオの前でちっぽけな蜘蛛を掲げた
ディオ
逆の手で「もう大丈夫」とディオの頭をふわりと撫でてやると、ディオはぽかんと口を開けた
ディオに見せつけるように、窓の前に立ち
窓を開け、ポイッ、と蜘蛛を外に放った
ジョナサン
ニッコリとディオに笑いかけると、やっと安堵したようにため息をついた
ディオ
ディオ
ディオ
「ん?」とまた微笑むと、ディオは床を見つめ、そっと目を閉じる
ディオ
ディオ
ジョナサン
ジョナサン
ディオ
ディオは腰を上げ、机に置いてあった丸い時計を手に取った
あ~‥僕のだ‥
ディオ
ジョナサン
ディオ
ディオは僕を一瞥して、髪を整えながらドアを開けた
ディオ
ジョナサン
窓を閉めているときに、ディオが唐突に僕の名前を呼ぶので、少し驚いた
ディオ
ディオ
ディオはビシッと僕の顔に指を指す
ディオ
ジョナサン
ディオ
ディオはなぜか顔を真っ赤にして、憤慨しているようだった。
バタンッと大きくドアを閉め、廊下から走る音が聞こえてきた
あれだけ暴言を吐いてくるようなディオにも、こけないようにと心配になってしまう
ジョナサン
ジョナサン
クスクスと僕は肩を揺らして笑った
ディオは傲慢で、意地悪で、隠し事が多い、嫌な奴だけど
だけど‥
僕は、ディオがポロ、と先程溢した涙を思い出す
あのときは焦って、あまり深く考えていなかったけど‥
ジョナサン
ディオの弱い部分を見たとき、初めて感じる感覚があった
この感情に名前はあるのか、もしかしたらこれは
ジョナサン
僕は頭を振って、無駄な疑問を取っ払った
はずなのに、頬が真っ赤に染まっているのは、これは夕日のせいだろうか
僕は目の前にある鏡から顔を背けた