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「 謝罪の言葉は聞き飽きた 」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 夏宮 茅夏 natumiya tinatu 18歳 ・ 高校三年生 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
放課後の廊下は、静かだった。
誰もいない場所を狙って、私は教室を出る。
人の多い時間は苦手だ。
視線、足音、笑い声。
全部が、怖い。
胸の奥がザワつく。
茅夏
息が浅くなる。
茅夏
パニック発作の前触れ。
私は壁に手をつき、俯いた。
中学の頃から続いている症状。
原因なんて、考えるまでもない。
茅夏
毎日、毎日、飽きるほど聞いた言葉。
「 ごめんってば〜 」
「 冗談だって! 」
「 怒った? 」
心なんてこもってない、馬鹿にするための言葉。
私は唇を噛む。
茅夏
茅夏
茅夏
亜夢
突然、声がした。
私はビクッと肩を震わせる。
振り向くと、そこには小柄な女の子が立っていた。
可愛らしい見た目なのに、目だけが妙に冷たい。
亜夢
彼女はゆっくり近づいてきた。
距離が縮まる。
私は一歩、後ろに下がる。
茅夏
茅夏
茅夏
でも彼女は気にした様子もなく、私の顔を覗き込んだ。
亜夢
茅夏
声が上手く出ない。
彼女はじっと私を見て、ふっと笑った。
亜夢
そして
耳元で、小さく囁く。
亜夢
心臓が止まりそうになった。
茅夏
亜夢
彼女は楽しそうに笑う。
亜夢
私は固まる。
あの人たち。
…中学の頃のいじめっ子。
同じ高校にいる。
笑っている。
普通に生きている。
何事も無かったみたいに。
それが、ずっと許せなかった。
亜夢
茅夏
亜夢
彼女は私の手を取った。
冷たい指。
亜夢
その声は甘かった。
まるで
毒みたい。
亜夢
少女は微笑む。
亜夢
そして私の手をぎゅっと握った。
亜夢
その瞬間。
胸の奥に、奇妙な安心感が広がった。
誰かが味方だと言ってくれた。
それだけで、涙が出そうになる。
でも
私はまだ気づいていなかった。
この後輩が
私の復讐よりも
私を壊す存在だと言うことに。
屋上には、誰もいなかった。
金網越しに、夕焼けが広がっている。
オレンジ色の光が校舎を染めて、 世界が少しだけ静かになる時間。
私は、ベンチに座っていた。
隣には、亜夢が座っている。
初めて話したはずなのに、 不思議と彼女は自然に隣にいた。
亜夢
亜夢が、私の顔を覗き込む。
亜夢
私は少しだけ頷く。
茅夏
亜夢
彼女はあっさり受け入れた。
否定もしない、驚きもしない。
それが、少し安心する。
亜夢
亜夢はフェンスに寄りかかりながら言う。
亜夢
茅夏
胸がきゅっと痛む。
亜夢
亜夢の声が少し低くなる。
亜夢
私は顔を上げた。
茅夏
亜夢
サラッと言う。
亜夢
亜夢はポケットからスマホを取り出す。
画面には写真。
笑っている女子三人。
教室で、楽しそうに。
茅夏
喉が詰まる。
視界が少し揺れる。
亜夢は私の反応をじっと見ていた。
亜夢
小さく聞く。
私は震える声で答える。
茅夏
それだけじゃ足りない。
憎い、許せない。
でも、言葉にならない。
すると
亜夢が私の手を握った。
亜夢
ぎゅっと。
亜夢
茅夏
亜夢
彼女はニコッと笑う。
ふわふわしてて、可愛い笑顔。
でも
どこか狂っている。
亜夢
亜夢が顔を近づける。
亜夢
茅夏
亜夢
その言葉に、背筋がぞくりとする。
怖い。
はずなのに。
胸が少しだけ軽くなる。
私が苦しんだ分。
あの人たちも苦しめばいい。
そう思ってしまった。
沈黙の後。
亜夢がぽつりと呟く。
亜夢
茅夏
亜夢
心臓がドクリと鳴る。
でも彼女は優しく言った。
亜夢
亜夢が後ろから私を抱きしめる。
亜夢
距離が近い。
心臓の音が聞こえそう。
亜夢
彼女の声は甘い。
亜夢
否定出来なかった。
沈黙が答えになってしまう。
すると亜夢は満足そうに笑った。
亜夢
スマホを見せる。
写真の一人を指さす。
亜夢
名前は
茅夏
私を一番笑ってた人。
亜夢
亜夢
夕焼けの光の中で。
亜夢の瞳だけが暗かった。
亜夢
指が私の手に絡む。
亜夢
逃げ道はもうなかった。
でも
その時の私は、気づいていなかった。
この復讐が、
私を救うものじゃなくて
私を縛り付ける鎖だということを。
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