テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
やからずっと忘れんといてな
佐野 Side
何も変わらなかった日だった
けどある人からのLINEで歯車は回り出した
それは俺がずっと大好きな人
百花 瑞希
百花 瑞希
好きな人からの誘いに 嬉しくなる一方
本人の顔は少し浮かない顔だった
俺が『大丈夫ですか?』と聞いても
『大丈夫やで』だけで
顔はそう言ってないのに
佐野晶哉
って言っても
百花 瑞希
と いつも言う先輩
『晶哉そんな食べへんから』
言うけど先輩も一緒
少食組って言われてるやん
俺が押し負け 食べたい物を頼んで
続々と届く
あれが美味しい、これは好きじゃない
ただ たわい無い会話で
でも俺はそれが幸せだった
お酒も飲まない先輩は
『仕事は大丈夫?』とか
『休めてる?』とかばっかで
自分の話はしようとしない
いつもそんな感じなのに この日は何か
喉に骨が刺さったみたいな
凄くもぞもぞとした違和感があって
でも聞き出せなかった
怖かった
このまま1日が終わればいい
ただ『晶哉に会いたかっただけ』って
言って欲しかった
けど
それは叶わなかった
百花 瑞希
百花 瑞希
俺は固唾を呑んだ
百花 瑞希
百花 瑞希
うん、知ってた
知ってたよ
事務所とかで噂になってた
誠也くんに聞いても
誤魔化されるだけで
察しざるを得なかった
行っても会えるから
言われたけど
俺はそこが問題じゃなくて
東京に行ったら
色んなJr.がいる
HiHi Jetsやったり 美 少年
7 MEN 侍、少年忍者
色んな人と親交が深まって
俺の事を忘れてしまうかもしれへん
それが寂しくて堪らんかった
やけど『忘れんとって』
みたいなクサいセリフは言えんくて
ただ
佐野晶哉
佐野晶哉
百花 瑞希
後輩が言うセリフ第1位みたいな事を言って
もっともっと言いたい事があったのに
『行かんとって』とか
『何で行くん?』とか
引き留める事も出来たかもしれん
けどそれは
俺のエゴでしかなくて
先輩の夢を壊す事
それは分かってた
佐野晶哉
百花 瑞希
百花 瑞希
先輩はいつまでも優しい
やから好きやねん
先輩が東京に旅立つ当日
俺は仕事だった
いや
数日前にマネージャーから
『テレビ出演のオファーが来てますけど…』
って
『けど百花さんの…』
何かマネージャー言いかけたけど
俺は聞かなかった
聞いてないふりをした
けど
もう会えない訳ちゃうのに
心にぽっかり穴が開いたみたいで
ほんまに苦しかった
自分で決めたんやけどな
突然メッセージ
誠也くんは会ってるんや
俺はすかさず
『仕事が入っちゃいました』
と送信した
分かってるのになんで送ってきたんやろ
しかもお昼の新幹線言うてたから
間に合えへんのに
佐野晶哉
なんで
何でそんな事するん
そんなんされたら
会いたくなってまうやん
マネージャーに新大阪駅近くで降ろしてもらい
誠也くんから送られてきた場所に向かって 走り出す
ただ
間に合って欲しい
その一心で
乗る新幹線は20:39 発
今は20:15
もう改札の中に居てもおかしくない
汗と共に
涙も混ざる
ここで会わないと
一生後悔する
そう思った
伝えないと
駆け出したその先に
服装がチャラめの男性
と、大きいキャリーを持った女性
百花 瑞希
百花 瑞希
佐野晶哉
佐野晶哉
何回も呼んだ名前
けどこの時は何か特別に思えて
佐野晶哉
名前をずっと言いながら
強く抱き締めた
もう人目とかどうでも良かった
凄く小さい手
心配になる程細い腕
力を入れるとすぐ持ち上がる体
ずっと変わらない香水
その全てが大好きで
心の底から出た想いを伝えた
佐野晶哉
佐野晶哉
百花 瑞希
百花 瑞希
百花 瑞希
百花 瑞希
間に合わんかったら後悔するって言ったけど
俺は色々間違ってたんやな
それで悲しく、寂しくさせてた
先輩は息を整えて俺に伝えてくれた
百花 瑞希
百花 瑞希
百花 瑞希
百花 瑞希
そう言って
改札の中に消えていった
末澤誠也
末澤誠也
佐野晶哉
末澤誠也
末澤誠也
言ってしまった感じで誠也くんは顔を逸らした
末澤誠也
佐野晶哉
末澤誠也
手紙みたいだった
末澤誠也
末澤誠也
俺のもんちゃうしと
無理やり手紙を渡された
佐野晶哉
末澤誠也
佐野晶哉
末澤誠也
末澤誠也
望み通りの6人デビューは出来んかったけど
約3年後に俺らはデビュー出来た
その時は沢山泣いてくれて
致死量ぐらいの『おめでとう』をくれた
今現在、貰った手紙は見てない
なんとなく内容が予想出来るから
先輩は俺の思った事をすぐ当てる
ほんま怖いぐらいに
それと同時に
勘違いしてしまう
自惚れてしまう
いつか
もし先輩が
俺に振り向いてくれる事があるのなら
手紙を開けようと思う
貴方の隣で
End