テラーノベル
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カメラの赤いランプが消えた瞬間、空気が変わる。
苑楽アソビ
明るい声は、さっきまでの“動画用”。 三脚を畳みながら、彼は少し距離を取る。 動画では肩を組むのに、裏では触れない。その距離が、ずっともどかしい。
キルハ
苑楽アソビ
本当は互いの視線を気にしてる。 撮影後は決まって彼の部屋。 編集は「一人でもできる」のに、なぜか一緒にやるのが当たり前になっていた。 ソファに並んで、無言で画面を見る。 笑うタイミング、声のトーン、サムネの表情。 でも一番気になるのは、画面じゃなくて隣の温度。
キルハ
同じ不安を、彼も抱えているなんて知らずに。 時計を見る。終電は、もうない。
苑楽アソビ
キルハ
苑楽アソビ
いつも通りのやり取り。 でも、胸だけがやけにうるさい。 電気を消して、同じ布団。 動画では何度も「好き」と言ってるのに、 本音は一度も言ったことがない。 沈黙に耐えきれなくなったみたいに、彼が呟く。
苑楽アソビ
息が止まる。
キルハ
それだけで、全部伝わった。 キスは、撮影よりずっと静かで、ずっと近い。 編集も、企画も、再生数も関係ない距離。 離れたあと、彼が小さく笑う。
苑楽アソビ
キルハ
翌日、動画ではいつも通りの二人。 でも裏側では、もう“相方”じゃ足りなかった。
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