〜葬式場〜
風が戦ぐ ある昼下がり
14歳のメガネをかけたこの少年
テンダ カザネ 名前を「天田 風音」
風音
彼の両親はどちらも行方不明で、 母方の祖母の家に居候していたが…
つい3日前に急死した。
今の今で祖母の葬式を おこなっていたが、 坊さんが少し遅れるらしく 今は休憩時間と言うわけである
少年は葬式場の裏の草原に行た。
風音は鬱蒼とした草原に寝転び 仰向けになった
風音
風音の瞳は濁っていた 泣いている
仰向けになって涙が溢れ出さない様に しているが、瞬きをすれば全て溢れてしまう。
風音
溢れたらもう止めどない
これまで我慢していた思いが一気に込み上げて来る。
どのくらい経っただろう。
さっきとは打って変わって空は曇っている。今にでも降り出しそうだ。
すると、葬式場が騒がしいのに気づいた。坊さんが着いたのだろう。
風音はよろけながらも立ち上がり 葬式場まで向かった。
葬式場のホールには祖母の親戚や知人20人程が集まっていた。 そして、その中にはやはり坊さんの姿もあった。
だが、風音がホールにやって来ると 当たりが嫌に静まり返った。
お坊さん
おばさん1
おばさん2
おばさん3
おばさん4
おじさん1
おじさん2
もう声はしなかった
風音は走っていた。
今すぐあんな場所から離れたい 抜け出したい
そんな思いでただただ走っていた。
走って
走って
走った
テコタコトコ
テコタコトコ
テコタコトコ
風音
静海
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