こちらはすまないスクールの二次創作になります。
みくみく様よりリクエストいただきました、すまないスクールの皆でお祭りに行き最後に花火を見る、というお話になります。楽しんでいただけましたら幸いです。では…
すまない先生
夏休みのある日のこと。すまないスクールの仲間たちはお祭りを楽しむために近くの神社に集まっていた。普段の服装とは違い、皆お祭りに合わせて浴衣や甚兵衛に身を包んでいた。 すまない先生も浴衣を着ており、黒地に綺麗な水色の蝶が描かれているものだった。通りすがりの女の子がチラチラと先生の方を見ている…。
すまない先生
ミスター赤ちゃん
ミスター銀さん
早速屋台へ走り出したのはミスター赤ちゃん。彼もお祭りのために緑色の甚兵衛を纏っている。裾に可愛らしい熊のワッペンがついているものだ。 そんな赤ちゃんを追いかけるミスター銀さんはグレーの甚兵衛だ。彼の名前である銀の字が大きく書かれている。そんな2人が歳の離れた兄弟に見えたのか、周りの人々は微笑ましげに通り過ぎていく。
ミスターレッド
ミスターブルー
こちらの兄弟も甚兵衛姿だがそれぞれのイメージカラーを合わせており、兄のミスターレッドは炎の模様が描かれたもの、弟のミスターブルーは水の模様が描かれたものだ。 あくびをしながら神社へ向かおうとしたレッドを、ブルーが慌てて屋台通りへ引っ張ってゆく。本当に寝るつもりだったようだが、神社の人に迷惑なので勘弁してほしいところだ。
すまない先生
ミスターバナナ
ミスターブラック
敬礼をするミスターバナナと、いつも通りパソコンを弄るミスターブラック。どちらも浴衣姿だ。バナナの浴衣は黄色と緑系統の迷彩柄だが、彼の性格を表しているかのような落ち着いた色合いをしている。 ブラックは黒地の浴衣にに赤い帯を締めているが、その上からいつものフード付きの上着を羽織っている。仮面は相変わらずだが、その上からお祭りのお面をつけている。……楽しむ気満々なのが見て取れる。
さて先生の話もそこそこに、意気揚々と屋台へ駆けていく生徒やだるそうに歩いていく生徒など反応は様々だ。 先生の話では7時半頃から花火が始まるから、それまでに河川敷まで来るようにとのこと。
ミスターマネー
すまない先生
すまなーい‼︎とものすごい勢いで屋台へ突っ込むすまない先生。先程の忠告はなんだったんだと突っ込みたいところだが、突っ込んだところであのハリケーンのような人には届かないだろう。
ミスターバナナも賑やかな屋台通りへ向かい……チラッとりんご飴の屋台が見えたが、いくらバナナでも祭りの中で流石にりんご飴の屋台を破壊することはないだろう。
そして一人残されたミスターマネーも、意気揚々と屋台通りに足を向ける。 身に纏う浴衣は地味だと本人は思っているが、実際は黒地に上品な刺繍が施された上質なもので彼によく似合っている。浴衣は歩きづらいが護衛がいない分自由気ままに歩き回れる。
ミスターマネー
悪くない、と言いつつも内心ではものすごく楽しんでいるミスターマネーなのだ、早速目をつけたりんご飴をいただいている。ダイヤを差し出された店主はフゥーーン!??と素っ頓狂な声をあげているが。
買ったりんご飴を舐めながら屋台を見て回るミスターマネー。だが元より派手好きの小僧、お眼鏡に適うものはなかなか見当たらないようだ。 徐々にむくれ顔になっていくミスターマネーだが、ふとある屋台が目につく。その屋台では浅い水槽に水が張られ、その中には…
ミスターマネー
ミスターマネーが目をつけた屋台…金魚すくいと書かれたその屋台では、水槽の中で無数の金魚が泳いでいるものだった。 その水槽の前では数人の子供が手に持った紙が貼られた輪っかを水槽に入れている。そして破れた輪っかにため息をつく子供の隣では、他の子供が器用に輪っかで掬った金魚をお椀に入れている。
次はこれにしようと早速店主に札を渡してお椀と輪っか─ポイを貰う。これを使って金魚を掬うのだなとポイを構える。 狙うのは中でも特に目惹かれるもの…無数の金魚達の中でも一際優雅で美しい紅色の金魚だ。
ミスターマネー
勢いよく水槽にポイを突っ込む…が、そんなに勢いをつけては当然ポイも破れるもの。こういうのはそっと差し込むんだよ、と苦笑いしながら新しいポイを差し出す店主。 今度こそはとそっとポイを構える、が…
ビリっ!
ミスターマネー
なんとミスターマネーが差し込んだポイは、突如突っ込んできた金魚によって大穴を開けられてしまったのだ。それはもうミサイル並みの勢いで。これは店主や他の客も予想外だったのか声をあげて笑っている。
ミスターマネー
ミスターバナナ
残る一本を構えたところで後ろから声をかけられる。振り向くとそこにはミスターバナナがいた。チョコバナナを片手に、もう一方の手で景品を抱えており…
ミスターマネー
ミスターバナナ
ミスターマネー
もちろん本来のお祭りにはロケットランチャーなんて危なっかしいものなど置いているはずがない。 だがこの世界は格闘技大会の景品で不思議な薬がもらえるような世界だからか、誰もさほど気にしていない。
ミスターバナナ
ミスターマネー
はぁー!と意気込むミスターマネーの足元を見るバナナ。そこにはすでに10を越えるポイの残骸が。 大体のことを察したミスターバナナはマネーの隣にしゃがみ込む。
ミスターバナナ
そう言ってお椀と残りのポイをマネーの手から取ったバナナは、近くを泳いでいたデメキンに狙いを定める。そして……
バシャッ!
ミスターマネー
金魚掬いの店主
ミスターバナナ
ミスターマネー
悔しさと感心が混じったような表情で、最初に狙っていた金魚を指さすマネー。最も美しいその金魚は今もゆったりと泳いでいる。
ミスターバナナは頷いでもう一度狙いを定める。と、先程のミサイルもとい金魚が突っ込んでくる。が、ミスターバナナは持ち前の反射神経でさっと交わす。 ついでにそのまま飛び出してきた一尾をお椀で掬い上げ、そのままの勢いと腕使いで優雅な金魚を仕留める。
ミスターマネー
ミスターバナナ
ミスターマネー
などと上から目線な物言いをしつつも、頬を赤く染めながら金魚の入った袋を大事そうに抱えているあたりから彼の本音が伺える。 こいつのことだから帰ったら豪華な水槽でも用意するのだろう、とミスターバナナは密かに思った。
ミスターバナナ
手元をじっと見つめるミスターバナナに?と首を傾げるミスターマネー。りんご飴が食べたいのか?と尋ねる前に、ミスターバナナはマネーが持っているりんご飴に手を伸ばし……
スッ
ブォンッ!
ミスターマネー
突然取り上げられたりんご飴は弧を描くようにして屋台通りの上を飛んで行ってしまった。放り投げたバナナを思わず睨みつけるマネー。
ミスターバナナ
ミスターマネー
こうして強制的にりんご飴とおさらばさせられたミスターマネーだが、ミスターバナナの紹介で美味しいチョコバナナを食べられたことで機嫌を取り戻した。
ニコニコとチョコバナナを頬張りながらミスターバナナについていくマネー。まだ少し早いが、豪華な花火も早く見たい。 途中りんご飴の屋台を見つけたが、バナナに睨まれたので大人しくついていくことにしたのだった…。
ちなみに先程マネーの手からおさらばさせられたりんご飴はというと……
ナンパ
女の子
ヒュルルルル……
ガツンッ!
ナンパ
女の子
すまない先生
ミスター赤ちゃん
約束の河川敷にたどり着くと、すでに全員揃っているようだった。皆お祭りの景品や屋台の料理などを手にしながら河川敷に腰を下ろしている。
ミスターバナナ
すまない先生
そう言って笑うすまない先生は牛肉の串焼きを頬張っている。ステーキが好きなのはわかるが野菜も食べないと栄養が偏る、とバナナが伝えると先生はすっ…と目線を逸らした。
ミスター銀さん
ミスターブルー
ミスターレッド
常に元気ハツラツなすまない先生はもちろんのこと、食べ盛りな生徒達も屋台の料理を堪能したらしい。バナナとマネーも他の生徒達に並んで河川敷に座り込む。
ミスターバナナ
ミスターブラック
ミスターバナナ
ミスターブラック
仮面の口元についた汚れを拭うミスターブラック。落ち着いた風を装っているが、隠れ甘党なブラックのことだ。他の仲間の目を盗んでチョコクレープでも食べていたのだろう。それとなく伝えて正解だったようだ。
ヒュルルルル……
ドォン!
そうこうしているうちに大きな音と共に花火が空に弾ける。花火大会が始まったようだ。花火の音に負けじと響く群衆の拍手喝采。
先生も生徒たちも一斉に空を見上げる。夜空に咲き乱れる極彩色の花、ドン!ドン!と花火の音が響くたびに高鳴る鼓動。普段は騒がしいミスターマネーもこの時は叫ぶことも忘れ、その絶景に目を奪われていた。
ミスター赤ちゃん
ミスター銀さん
ミスターブラック
飛び跳ねてはしゃぐミスター赤ちゃんに驚きつつも、銀さんもまた花火に夢中になっている。 隣のブラックの顔は相変わらず仮面で見えないが、きっと仮面の下では穏やかな笑みを浮かべているのだろう。そんな雰囲気だ。
すまない先生
ぽつりと溢れた言葉。水色の花火に照らされたすまない先生の表情はとても優しく、だけどどこか切なげで…。
そんな先生に、また来年も見に来ようと生徒たちははしゃぎ立てる。赤ちゃんに抱きつかれ、レッドとブルーに綿菓子を押し付けられた先生は押しつぶされそうにながらも幸せそうに笑っている。
金魚の入った袋を花火に照らす。美しい紅色の金魚は相変わらず優雅に揺らめいており、水の中で極彩色に照らされた金魚はまるで宝石のように輝いて見えた。
ミスターバナナ
ミスターマネー
ミスターバナナ
ミスターマネー
そう言ってマネーは残りのチョコバナナを頬張る。気づけばチョコが溶けかけて手にかかる寸前になっていた。
家に帰ったらすぐに水槽に入れてやらねば…と考えたマネーは特上の水槽を用意しておくようにと、待機している部下にメールを送る。これで大丈夫。
ミスターマネー
来年は新しい仲間を入れてやろう。次はそうだな…五匹くらいどうだ?と袋に向かって話しかけるマネーに対して、仲間達は何言ってんだと楽しそうに笑っていた。
ドォン!
その瞬間一際大きな一輪が、夜空いっぱいに照らし出された。
コメント
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面白い話をありがとうございます! 最高でした!
お祭りってアイスなんて売ってたけ'-'かき氷じゃなくて
アイス五本て、 いいな~、私も食べたい!