__聴こえなくても__

のあさんは焦りながらも丁寧に手話で話してくれた

…そう、この子が私の言っていたのあさんだ

のあさんは難聴の私でも関係なく優しく接してくれた

初めての友達だった

嬉しくて堪らなかった

のあさんは沢山種類のある難しい手話も私の為に覚えてくれた

なんて優しい人なの…

のあさんとゆあんさんが会話をし始めた

私は何を言っているのか分からないから2人を見つめることしかできなかった

のあさん…焦ってる…？

何話してるんだろう…

気になるなぁ…

こういう時に聞けないのが難聴の嫌なところ、

…のあさん落ち着いてる…

何話してたんだろう…

後で聞いてみようかな

難聴の私でも少し聞こえる程声が鳴り響いた

避難所にいる人達は一斉に彼を見た

…3人共仲良さそう…

私だけじゃん…馴染めてないの…

なんか、また…置いてかれるような…

気がして…

私の全身には無数の鳥肌がたった

すると彼は急に話しかけに来た

ほんとに急だったから少しびっくりした

なんか…私の事で話してる…？

すると彼は私を見つめてきた

…え、な、なに…？

こわぃ…

……え…？

手話…できるの！？

この人…！！

私は初めて男の人と手話で会話ができて嬉しかった

男の人で手話を使っている人は余り見た事が無かったから

先生もほぼ女性だった為男性と話す経験が何も無かった

だから嬉しくて堪らなかった

か、彼氏！？

のあさん彼氏できたの！？

う、うそ…！

のあさんはずっと私と一緒にいてくれたから彼氏が出来たとか知らなかった

のあさん…私の為を思って秘密にしてくれてたのかな…？

2人…お似合いだなぁ…

私は意外と人を見る目が厳しいからイケメンでも中々好きになれなかった

だけど、この2人は初めてお似合いだと思えた

…のあさんを取られて悔しい気持ちはあるけど…

この2人なら応援できるなぁ…

するとゆあんさんは驚いて私を見た

わ、私…なんかしたかな…？

私が焦っているとゆあんさんはまた携帯を取りだして

俺、頑張って手話覚える

頑張ってください！！

誰かが私の為を思って何かをしてくれる事は凄く嬉しかった

褒められるのはあまり慣れていないから

耳まで朱色に染めてしまった

…私…ゆあんさんの事…

好き……

なのかなぁ…？///

NEXT…550♡