私と先輩

光成side

いつもと変わらない日常

廊下に出ると

女達がキャーキャー喚く

そんな生活には嫌気がさす

正直に言おう

俺は女が嫌いだ

恋愛対象は男

俺には好きな人がいる

それが"青木滉平"だ

同じダンス部で

同じ中学校出身

可愛い顔してて

特に笑顔あんなに可愛い笑顔は 見たことがない

俺にとっては天使のような存在だ

だから青木のことは なんでも知ってる

女の人が苦手で

パニックを起こしてしまうことも

俺のことが好きなことも

そんなタイミングで

青木がパニックになって 過呼吸を起こした

俺は咄嗟に

ｷﾞｭｯ

ハグをして

頭を撫でて

と青木が安心できるような

言葉をかけて

落ち着かせた

落ち着いたのか青木は寝てしまった

俺はお姫様抱っこをして

通路を開けてもらい

保健室へと青木を運んだ

と言いながら

青木をベッドに寝かせた

青木が起きてしまった

どうしようとなってると

と笑ってみせる

だけど俺は知ってる

その笑顔が偽りの笑顔であることを

だから

そうやって謝りながら泣く青木を

何も言わずにただ抱きしめた