璃恋
黄田くん…!
るぅと
天宮さん!お着替え終わったんですね!あの、さっきは本当にごめんなさ…
璃恋
…それなら、もういいから、聞きたいことがあるの
るぅと
…?
莉犬
るぅとくん、ごめん
莉犬
璃恋ちゃん、そこの部屋で、るぅとくんの資料を見ちゃったんだ
るぅと
…?それがなにかあったんですか?
璃恋
黄田くん、中学の頃…いじめられてたの…?
璃恋
黄田くん、中学の頃…いじめられてたの…?
るぅと
…っ!
…バレた。バレてしまった。
好きな人に、大好きな人に、バレてしまったんだ。
ころん
り、りっちゃん…るぅとくん…
るぅと
……
ころん
…っ、りっちゃん!!その資料は嘘なんだ!…るぅとくんは、いじめられてなんかないよ
るぅと
こ、ころん先輩…?!
璃恋
なんで、ころん先輩がそのことを分かるんですか…?
璃恋
…まさか、あの資料にあった、『1学年上の生徒』って…
ころん
っ、なんでそんなの書いてあんだよ…
さとみ
璃恋ちゃん。ころんの言ってることは本当なんだ
さとみ
るぅとはいじめられてなんかない
るぅと
さとみ先輩…もういいよ
ころん
るぅとくん…!
るぅと
天宮さん。
璃恋
な、に…?
るぅと
…僕は、中学の頃、いじめられていました。
女子生徒
ずっと前から好きでした…!付き合ってください!!
るぅと
え…
目の前で下げられた頭と出された手。
僕は、人生初の告白というものをされている。
るぅと
なんで、僕…?
純粋な疑問だった。
告白してくれた女の子は同じ委員会の子で、昨日も普通に委員会の仕事を一緒にやった。
僕のことを好きな様子なんて、いっさいなかった。
なのに、なんで?
女子生徒
ほら、黄田くんって、私が困ってたりすると、すぐ気づいて助けてくれたりとか、する、じゃない?
女子生徒
そういう優しいとことか、ノリよくて、話してて楽しいとことか……気づいたら、好きだったの
女子生徒
…だから、付き合って欲しい…な?
るぅと
……ごめんなさい
るぅと
僕、まだ恋愛とか、そういうの…わかん…なくて…
女子生徒
っ!…そ、っか…
女子生徒
ごめん、ありがとう。それだけ。それだけだから、じゃあね!
女の子の背中が遠ざかっていく。
るぅと
…泣いてたな。あの子
男子生徒
おい
るぅと
?!
男子生徒
…何振ってんだよ
るぅと
へ?ど、どういう…
男子生徒
…あいつは、俺の彼女だったんだよ。でも、お前のことが好きになった
男子生徒
だから、俺を振ってまでお前と付き合ったんだよ
男子生徒
…しかも、それ言われたの昨日だぞ?昨日急に「別れて欲しい」なんて…
男子生徒
そのくせしてお前は…!ふざけんな!
るぅと
…っ、ごめん、なさい
僕は膝から崩れ落ちた。
るぅと
僕は…なんてことを…
男子生徒
ほんとだよ!!あぁ、イライラする。1発殴らせろ
るぅと
…いいですよ
僕はゆっくりと立ち上がり、力の抜けた両腕を上げた。
…その瞬間
るぅと
い゛っ…!!
顔面を強く殴られ、思わず地面に伏せる。
男子生徒
ははっ、お前もそういう顔すんだな
るぅと
い…たい……
痛い。でもこんなの、彼の心の痛みに比べれば…
るぅと
…っ
るぅと
ごめん…なさい
璃恋
なに…それ……
璃恋
そんなの、黄田くん、いっっちミリも悪くないじゃん!!
璃恋
ただ黄田くんがかっこいいから告白されて、振ったら殴られておまけにいじめの始まり?!
璃恋
ふざけないでよ!!
ころん
ちょ、りっちゃん…落ち着いて
璃恋
っごめんなさい……
るぅと
大丈夫ですよ。嬉しかったですから
璃恋
え?
るぅと
初めてなんです。ここまで怒ってくれたの
るぅと
あ、今ここにいる先輩たちも僕のこと守ってくれたりしたし、怒ってもくれましたよ?
るぅと
でも、こんなに怒鳴って、怒りで体震わせて、もう泣きそうにまでなってくれて…その気持ちが嬉しかったんです
璃恋
っ…//そ、そう…
るぅと
それに、今はもう大丈夫ですから
るぅと
あいつらのいないような高い偏差値の高校選んで、頑張って…そうして、今天宮さんみたいな人に出会えて、本当に幸せです
璃恋
よ、よくそんなに恥ずかしいことをペラペラと…///
るぅと
ふふ。あーほんとにかわいい。抱きしめていいですか?
璃恋
えっ?いや、ダメです…
るぅと
ありがとうございます!
璃恋
いやダメだって!!
黄田くんは思い切り私に抱きついてきて、その衝動で思わず後ろに倒れそうになった。
莉犬
お!るぅとくんやるぅ〜
さとみ
ふぅー!!!
ころん
イチャイチャすんなー!!
璃恋
ダメっていったのに…
るぅと
…僕、やっぱり天宮さんが好きです
璃恋
え…
るぅと
ね、だから…キス、しまs…
璃恋
それだけはぜっったいにない!!
るぅと
…ちーん