一覧ページ

LINE1361

第1話 - あ

2023年11月27日

#恋愛

結城　真矢

ホナミ

お姉ちゃん、ちょっとお願いがあるんだけど...

マホ

ホナミ、どうしたの？

ホナミ

あのね、今月保育園に払うお金が少し足りなくて...

ホナミ

4万貸してほしいんだ

マホ

分かった、いいよ

ホナミ

ありがとう、助かるよ

ホナミ

お母さんとお父さんにはあんまり迷惑かけたくないからさ

ホナミ

お姉ちゃんくらいしか頼める人いなくて

マホ

困った時はお互いさまだから、いつでも頼って

ホナミ

うん

ホナミ

お姉ちゃんは、最近育休に入ったんだっけ？

マホ

うん、そうだよ

マホ

もう、子育てって本当に大変～

マホ

うちの子、夜泣きがひどいほうでさ

ホナミ

私の子も、結構ひどかったよ

ホナミ

寝かしつけるのが本当に大変だった

ホナミ

最初は、慣れないし、何して欲しいのか分からないし...

ホナミ

子供が考えてることって全然分からないよね

マホ

うん、本当にね

ホナミ

マジで大変

マホ

やっと寝付いたと思ったら、また数分後には泣き出してるし...

マホ

どうしていいのか...全然分かんないよ

ホナミ

少しずつ、慣れていくもんだよ

マホ

さすが、3歳の女の子持つ母は違うね

ホナミ

もうベテランって言われるほどになったのかな（笑）

ホナミ

私も、旦那に結構助けられてここまで来れたから、まだまだ全然だけどね～

マホ

旦那さんも、協力的でいいね

ホナミ

うん、料理もやってくれるし、洗濯ものも積極的にやってくれて...

ホナミ

めちゃくちゃ助かってるよ

ホナミ

お姉ちゃんの方は？旦那さん手伝ってくれないの？

マホ

旦那は、仕事の方が結構忙しくてさ...

ホナミ

あ～そっか...不動産の営業マンだっけ？

マホ

うん

マホ

最近はほぼ毎日、外回りで1日中外歩き回る日が続いてるみたい

マホ

毎日、へとへとで帰ってくるよ

ホナミ

そうなんだ

ホナミ

でもさ、大手だから結構稼ぎはいいんでしょ？

マホ

うん、稼ぎはね

マホ

ただ、旦那ばっかりにも頼ってばかりいられないから、私も自立しないと、って思ってるよ

ホナミ

お姉ちゃんは、自立なんてする必要ないんじゃないの？

ホナミ

十分、頑張ってるよ

マホ

実は、最近家でもできる仕事ないかな、と思って、ホームメイドのアクセサリー作りを始めたの

ホナミ

へ～いいね！それ

マホ

でしょ？

マホ

作ったものをオンラインで販売して、売れたらお金になるし...

マホ

娘が大きくなったら、娘にも作ってあげられるし...

マホ

座ってやる仕事だからさ、体力的にもしんどくないし...

マホ

私でもできそうだな～って思ったの

ホナミ

お姉ちゃん器用だもんね！

ホナミ

こういう作業、向いてそう

マホ

少しやり始めてみたんだけど、結構はまっちゃってさ

マホ

楽しみながらやってる

ホナミ

いいな～うちの子にも、今度作ってよ

ホナミ

私のアクセサリーばっか見て、最近羨ましがって来ててさ

マホ

かわいいね

マホ

私も、早くそうやって子供とおしゃれ楽しめるようになりたいな

マホ

最初は鬱陶しくて、外しちゃったりするかもだし...

ホナミ

う～ん...まだ分かんないね

ホナミ

まあ、まだどんな子に育つか分かんないし、これからだよ！

ホナミ

内職も頑張ってね！

マホ

うん、これからホナミに頼れることも、頼っていくね

ホナミ

いつでも頼ってよ

ホナミ

またね

～1週間後～

ホナミ

お姉ちゃん、またお願いがあるんだけど...

マホ

うん？どうしたの？

ホナミ

あのね、実はまた少しお金が足りなくなっちゃって...

ホナミ

家の電気代が払えないんだよね

マホ

え？そうなの？

ホナミ

うん、１万円なんだけど、貸してもらってもいいかな？

マホ

うん...

マホ

電気代も上がってるもんね

マホ

1万円くらいなら、全然出せるよ

ホナミ

ありがとう、お姉ちゃん

ホナミ

じゃあ、前みたいに口座に振り込んでもらってもいいかな？

マホ

それなんだけど、私直接渡しに行けるよ

マホ

今日の夕方ぐらいになるんだけど、行っていいかな？

ホナミ

え？今日！？

マホ

え、うん...

マホ

都合悪かった？

ホナミ

うん、今日は私夕方は出かけてて、旦那もいないと思うから...

ホナミ

誰も出れないと思うよ

マホ

そしたら、夜の21時とかは？

マホ

それぐらいの時間に、スーパーで安売りしてる食材買いに行くから、そのついでに寄れるよ

マホ

子供寝かしつけないといけない時間だし、その時間ならいるでしょ？

ホナミ

その時間は、子供にご飯食べさせるので大変だから、

ホナミ

来られてもあんまり話せないと思う

ホナミ

だから、振り込みでいいよ

マホ

別に、私はそんなに長いするつもりはないし、話せなくてもいいんだけど...

マホ

ダメかな？

ホナミ

いいじゃん！直接渡さなくても！

マホ

え？なんでそんなに怒るの...？

ホナミ

イヤ...別に怒ってるわけじゃなくて、ただ...

ホナミ

子供の相手する時は、ちょっと余裕なくしちゃうの

ホナミ

だから、八つ当たりもしちゃうかもしれないし...

ホナミ

もしそうなって迷惑かける、なんてことになったら申し訳ないからさ

マホ

別に、そんなこと考えなくてもいいのに

マホ

いつも、ホナミは私の相談にも乗ってくれるんだもん

マホ

だから、何か悩んでることがあったら話だけでも聞きたいな、って思ったんだよ

ホナミ

私は、大丈夫だから

ホナミ

だから、何も心配することなんてないよ

マホ

そう？

ホナミ

本当に、大丈夫だから...

マホ

分かった

マホ

でも、本当に何か抱え込んでるんだったら、すぐに言ってよ

マホ

いいね？

ホナミ

うん、約束する

～1週間後～

マホ

ホナミ！今日の夕方、あんたどこにいた！？

ホナミ

え？家にいたけど...

マホ

とぼけても無駄だよ

マホ

私がこんな様子でいるんだから、何を聞きたいか分かるよね？

マホ

私、駅前のクラブでホナミが旦那さんじゃない男性と歩いてるの、見ちゃったの

マホ

あれは誰だったの？

ホナミ

ただの、高校の時の男友達だよ

マホ

男友達と、手なんかつなぐの？

マホ

しかも、同級生には見えなかったんだけど？

マホ

本当のこと言ってよ

ホナミ

実は...旦那の収入だけじゃ生活費を賄えなくなってきた時に...

ホナミ

パパ活を始めてみたの

マホ

は！？結婚してるのにパパ活！？

ホナミ

最初は...！ちょっとお試しのつもりで始めただけだったの

ホナミ

それが、いつの間にかもらえるお金を見たら、はまって今でも続けてて...

ホナミ

気づいたら、週2でやるようになってたの

マホ

何それ...

マホ

スーパーのパートの仕事もやってたから、貯金はあったんでしょ？

ホナミ

体力的にきついし、育休に入る結構前からシフトは少しずつ減らしてたの

ホナミ

パパ活の方が、楽だし相手はご飯奢ってくれるんだもん

マホ

そんな理由で...

ホナミ

だって、お姉ちゃんみたいにお金に余裕がある身からしたら、何もわかんないでしょ！？

ホナミ

私は、ものすごく頑張っても全然報われないんだよ

マホ

それも、全部嘘なんでしょ

ホナミ

へ？

マホ

この前、ホナミの家に電話したら旦那さんが出たの

ホナミ

何勝手なことしてるの！？

マホ

いいじゃん！別に

マホ

それで、旦那さんにそれとなく「お金かつかつで大変だねって言ったら...」

マホ

「え？ちゃんと貯金しながら生活してますよって言われたの」

マホ

この前、ホナミのこと駅で見た時、ブランドもののバッグ持ってたじゃん

マホ

あれは何？

ホナミ

自分のご褒美に、買ったんだよね

マホ

最低！私からお金借りといて！

ホナミ

だって...一気にお金が入ったことが嬉しかったんだもん

ホナミ

それで、衝動的に...

マホ

ほんと、信じられない

マホ

もう、お金なんて一生貸さない！

マホ

今まで返したお金も、すぐに返してよ

マホ

分かった！？

ホナミ

私のこと、信じたお姉ちゃんも悪いんでしょ！？

マホ

は！？本当に...いい加減にしてよ

マホ

信じられない

~3日後～

ホナミ

お姉ちゃん！助けて！

マホ

今度は何？

マホ

お金なら、もう貸さないからね

ホナミ

違うの！旦那に、パパ活してることがばれちゃったの

マホ

へーそれで？

ホナミ

それで...家をちょっと、追い出されちゃったんだよね...

マホ

嘘でしょ？

マホ

いい歳して、家を追い出されなきゃいけないほどのことするなんて...

マホ

ホナミ、本当にどうかしてるよ

ホナミ

あの...私がどれだけまずいことしたかは、十分わかってるつもりだし、

ホナミ

これから反省する

ホナミ

だから、お願いだから...少しの間だけ、お姉ちゃんのところに泊めてくれない？

マホ

あのさ、それ本気で言ってんの？

マホ

私は今、夫と一緒に住んでるんだし、子供だっているの

マホ

ホナミのこと泊めるなんて。そんな余裕ないんだよ

ホナミ

そこをなんとか！

ホナミ

私は床で寝るし、雑用でも何でもやるから

マホ

そういうことじゃないの！

マホ

人に嘘ついて、お金だまし取るホナミのことが許せないから、泊めたくないんだよ！

マホ

それくらい、分かるでしょ！？

ホナミ

私が、悪かったよ...

ホナミ

だから、本当に一生のお願い

ホナミ

私、ホテル借りるお金もないもん...

マホ

そんなこと言って...パパ活で貯めたお金を使えばいいじゃん

ホナミ

貯金してたお金は、もうほぼ全部使い切っちゃって...ないの

マホ

は！？もう使い切ったの！？

ホナミ

うん...そうなの

マホ

信じらんない...

ホナミ

それで、旦那にも呆れられて、お父さん、お母さんにも相談できないし...

マホ

あのさ、お父さんとお母さんにも頼ってる余裕なんて、ないんじゃないの？

ホナミ

そうだから、こうして頼んでるんだよ

マホ

そうじゃなくて、お母さんがこの前、ホナミが旦那さんとは違う男の人といるところ、

マホ

見ちゃったんだって

ホナミ

え！？

ホナミ

それ、いつのこと！？

マホ

えっと...いつだろう

マホ

いつ見たのかは分からないけど、昨日、電話で聞いたんだよね

マホ

ホナミが私が知らない人といたんだけど、浮気でもしてるのかしら？

マホ

って

ホナミ

え...お母さんに知られてたなんて...思ってなかった

ホナミ

お姉ちゃん、なんて答えたの？

マホ

私からは、特に何も言わなかったよ

マホ

でも、だいぶ怪しんでたし、ばれるのも時間の問題なんじゃないの？

ホナミ

そうかな...やっぱり...

ホナミ

お母さん、このこと知ったらなんて言うかな？

マホ

知らないよ、そんなこと

マホ

それよりも、今は旦那さんのこと一番に考えるべきなんじゃないの？

マホ

まずは、しっかり謝りなよ

マホ

今、ホナミがするべきことはそこでしょ？

ホナミ

そうかも、しれない...

マホ

そしたら、今持ってるブランドもののバッグは全部売って、パパ活もやめな

ホナミ

え！？ブランド物のバッグも売るの！？

マホ

当たり前でしょ！？

マホ

旦那さんに、誠意見せないでどうすんの？

マホ

そんなんで、またもとの関係に戻ろうなんて...思ってないよね？

ホナミ

それは、思ってないけど...ブランド物のバッグはずっとほしくてやっと手に入れたものだから

マホ

あっそ

マホ

そんなにブランドバッグが大事なら、家族捨てても平気なんだね

マホ

ホナミって、その程度だったんだ

ホナミ

家族がいなくなるのは、イヤだ！

ホナミ

分かった！鞄も、もう買わないし、今すぐ捨てる！

ホナミ

パパ活もやめるよ！

ホナミ

だから、泊めてくれる？

マホ

それとこれとは、話が別でしょ？

マホ

売れるもの全部売って、旦那さんが許してくれるまでの間はホテルにでも泊まれば？

ホナミ

そんな...

マホ

私ができることはもうないよ

マホ

自分がしたこと、後悔しな

～後日談～

マホ

ホナミは、その後1週間旦那さんに許してもらえず、仕方なくホテルを取って泊ったそうです

マホ

そして、やっと家に帰れた後も、信用を失ったらしく全く口をきいてもらえなかったみたいです

マホ

一方で、私はホナミから借金の少しずつ返しても羅う約束をしました

マホ

今は自分の内職も落ち着いてきていて、好きなことを仕事にできるのがすごく嬉しいです

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

結城　真矢

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

LINE1361

第1話 - あ

作者の他の作品すべて見る

#恋愛の新着小説
一覧

関連するタグ

LINE1361

第1話 - あ

作者の他の作品すべて見る

#恋愛の新着小説一覧

関連するタグ

#恋愛の新着小説
一覧