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B

ねね、ニュース見た?

A

ん?

A

なんの?

B

火事のやつだよ!!

B

あれAの家の近くじゃん!大丈夫なの?

A

あー

A

あれか…放火かもなんだってね…酷いよね…

B

放火されるほど恨みでも買ってたってことかな?怖いね…

B

とりあえずAが無事なら良かった!

男児

お父さん…お母さん…

燃えたぎる真っ赤な炎。 今日の夜は静けさを知らない。

いきなさい!にこ!

父さんたちはお前を愛しているよ

男児

いや!いやだ!お父さん!お母さん!

男児

ぼくも、ぼくも連れて行ってよ!

おばさんA

ちょっと聞いた?

おばさんA

昨日向こうのマンションの火事あったでしょ?

おばさんA

あの時ねぇ、自分家の子供を生かすために、子供を窓から外に投げた夫婦が居るんですって

おばさんB

まぁ怖い!その夫婦はどうなったんだい?

おばさんA

それがねぇ…

おばさんA

死んだんですって

おばさんB

子供は?

おばさんA

近くの人がキャッチしたから生きてんのよ!

おばさんA

けどね、その子

おばさんA

何故か目を怪我してて、両目とも見えなくなっちゃったんですって!

おばさんB

まぁ!可哀想な子ね…

おばさんB

両親も両目も失うなんて

おばさんB

不幸な子よ

黒羽

ただいま〜

桃寧

おかえりなさい!黒羽さん!

おかえり

黒羽

いい子にお留守番してたか〜?糞ガキ共

桃寧

当たり前でしょ!もう18歳なんだから

黒羽

どうかなァ?

紅葉

おい黒羽。後ろの誰だよ。

黒羽

あぁ!この子、今日から黒崎に仲間入りしたから!仲良くしろよ〜

紅葉

は?

随分急だね

黒羽

さっき拾ったんだよ

桃寧

ふーん?

桃寧

で、君!名前は?

珀憐

名前…にk

黒羽

珀憐だ

黒羽

お前は今日から黒崎珀憐。わかったな?

珀憐

…はくれん?

桃寧

いーじゃん!かっこいい!

よろしく、珀憐

珀憐

…うん!

ここが珀憐の部屋

桃寧

目の前の部屋はさっきの赤髪の子の部屋ね!

珀憐

うん、ありがとう

桃寧

ねぇ珀憐、

桃寧

珀憐はさ、なんで黒崎になったの?

黒羽が人を拾うなんて珍しいしね

珀憐

僕もなんで拾われたのか分からない…

珀憐

拾われたと言っても、黒羽さんが施設に来て僕を連れて帰ると言っただけだし

珀憐

養子になるのだと思って来たのだけど…

黒崎は普通の家族じゃない

桃寧

そうそう

珀憐

だから…尚更分からない…

珀憐

来る途中で話は聞いた…

珀憐

僕は…

珀憐

人なんて殺せないよ…

桃寧

あはは!誰だって最初はそう言うよ!

桃寧

けど気づいた頃には普通に殺せるようになる!大丈夫だよ!

桃寧も俺も初めは震えてたし。

珀憐

僕には無理だよ!

紅葉

なんでだよ

珀憐

!?

桃寧

紅葉!居たの?

紅葉

いや、ちょっと気になってな。

紅葉

お前、なんで顔隠してんだよ。ずっと下向いてるし、うじうじしてて到底殺しができるとは思わない。

桃寧

こら!紅葉!聞いていいことと悪いことが!

珀憐

大丈夫だよ、桃寧さん

紅葉

じゃあ聞こうか、お前、その紙切れ取れよ

紅葉

お前こそ失礼だろ目ェ見て話せや

桃寧

ちょっと…

僕はそっと顔を隠していた紙を取った。

!?

桃寧

その目…

珀憐

僕、目が見えないんだ。

珀憐

それにきっと火傷の痕があると思って…

珀憐

見る人を不快に思わせないようにって

桃寧

(火傷の痕はまったく無いけど…?)

(黒羽さんがそう言ったのか?)

紅葉

チッ

紅葉

家にいる間、その紙切れ取ってろよ。それを付けるのは仕事の時だけだいい。

珀憐

…う、うん、!

黒羽

お疲れ、お前ら

紅葉

今日の奴らはいつもより弱かった

桃寧

おかげですぐ終わったね!

…てか、なんで珀憐置いて来たの?黒羽さん

黒羽

んー…どうせまだ何も出来ないだろ

紅葉

なんで連れて帰って来たんだよ、あの雑魚を

黒羽

いやぁ、だって、目が見えないって言う割に、ずっと俺の中を見てくるもんだから気になってさ〜!

紅葉

俺の中ってなんだよ

黒羽

俺を見透かしてるように見てくんだよ

黒羽

本当は見えてんじゃねぇかって感じ

よく分からないけど、面白そうだから連れて帰ってきたってこと?

黒羽

まぁそうだな

桃寧

はぁ…最低…

紅葉

捨てて来いよ、あんなの使えねぇし

黒羽

それは出来ない

紅葉

なんでだよ!

黒羽

あの子は…

紅葉

なんだよ!特別か?あ?

黒羽

あの子は俺の姉ちゃんの子だ

桃寧

え?

紅葉

んな証拠ねぇだろ!

適当言うなよ…

黒羽

本当だよ。俺の姉ちゃんの写真見たことあんだろ?

黒羽

白髪に青い瞳のスラッとした人

黒羽

アイツは瞳もクソもねぇけど、似てると思わないか…?

黒羽

それに俺の姉ちゃんは火事で死んだ。アイツの両親も火事で死んでる。

すぐ信じるとは言えないね

桃寧

うん

紅葉

嘘くせぇ

黒羽

珀憐に聞いてご覧、両親の死因でも

それは失礼なんじゃないかな…

黒羽

もう家族だろ、知っといた方がいいこともあんだろ

桃寧

まぁいいけどさ、あんまり人殺しに乗る気じゃない子を巻き込まない方がいいよ…

紅葉

盲目の奴は使えない

黒羽

わかってる。

黒羽

珀憐には訓練させる。

桃寧

でさ、珀憐の両親の死因は?うちの母親は薬。

俺ん所は包丁で刺されて殺された

珀憐

焼死だよ。火事で。

桃寧

…ふーん

じゃあさ、話変わるけど、珀憐が失明したのっていつ?生まれつき?

珀憐

6歳の時だよ

珀憐

住んでたマンションで火事が起きて、僕はギリギリまで気づいてなかったんだ

珀憐

気がついた頃には火の海で、マンションは崩れ始めてた

桃寧

崩れ始めてたって…珀憐はどうやって逃げたの?今生きてるじゃん?

珀憐

父さんと母さんが僕を窓から投げたんだよ

桃寧

え?投げた?

珀憐

うん、僕には生きて欲しかったんだってさ

凄い両親だね…

珀憐

うん、2人は強い人だったよ

紅葉

なら、どうして失明した。それも火事の時か?火事でどうやって失明すんだよ。

桃寧

ちょっと紅葉

珀憐

人には目に大粒の火の粉が入ったって言っているよ

紅葉

人には…?

紅葉

本当はなんなんだよ

珀憐

自分でやった

え?

珀憐

僕を生かすために死んだ両親を報いる為に…意味なんてないけど…

珀憐

施設に入ってからすぐ、

珀憐

木の枝で目を刺したんだ

桃寧

両親を酬いるために目を刺したって何よ!?

紅葉

亡き両親に両目をプレゼントってか?

珀憐

うん…そうなるね…

珀憐

あの時は気が動転してたって言うのもあるよ

珀憐

突然両親が死んで、施設に入って独りぼっち。そんな生活認めたくないじゃないか…

そうだけど…失明までさせる必要あったの?

珀憐

心配して貰えると思って

珀憐

一時期は心配されたけど、後から自分で刺したのがバレて引かれた

珀憐

良いことなんて何も無かった

紅葉

はっ、馬鹿だな

珀憐

うん…僕は馬鹿だ……

紅葉

けど、その馬鹿使えんぜ

珀憐

紅葉

人殺しで、お前みてぇな狂った馬鹿は有能だ

紅葉

お前、褒められたくねぇか?

紅葉

人殺すだけで黒羽が褒めてくれんだぜ?

紅葉

チョロいだろ?

珀憐

褒められる…

紅葉

あぁ、今度やって見ねぇか?

紅葉

どーせ目は見えてねぇんだろ?死体も見えない

紅葉

グロいもクソもねぇよ

桃寧

確かに!

珀憐

……

珀憐

やる

紅葉

よし来た

一緒に頑張ろ、珀憐

珀憐

うんっ、

黒羽

姉ちゃん、見ててね

黒羽

姉ちゃんたちを苦しめた奴に、姉ちゃんの息子が復讐すっから

黒羽

ちゃんと、見ててね

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