あなた
ふと、口から溢れたこの言葉
先程までの苦しみが嘘の様に身体が軽くなり
何故か少しも火に対しての恐怖心が湧かなくなった
消防隊
数分間、瓦礫などの邪魔のせいで 上手くここから出られずに居ると、 遠くから消防隊の声が聞こえてくる
そのまま消防隊に保護されて、 いく宛の無い私は叔父の家に引き取られた
そこまでは良かったんだ
叔父の家は田舎の山奥にあり 辿り着くまで、中々険しい道のりだった
叔母は数年前、病死したそうだ
おじいちゃん
あなた
おじいちゃん
おじいちゃん
いきなり山に入るなんて中学生にやらせて良い行いじゃない
そんな思いを押し殺して私は黙って叔父について行った
おじいちゃん
あなた
このジジイ、きっと長い事1人で山にこもってボケてしまっているのだろう
あなた
足に何かが引っかかり、私はその場に転んでしまう
あなた
あなた
喉まで出かかった言葉が詰まる 目の前の光景に動揺が隠せない
おじいちゃん
おじいちゃん
あなた
あなた
あなた
家に帰って早々、私は用意された自室に篭り鬱々としていた
あなた
せっかく新しい人生を歩めるのに、 私1人だけ何も変わってない
あなた
私の異能は恐らく"朱を奪うもの"のはずだけど、効果がイマイチわからない
あなた
主
主
主