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あなた

異能力 朱を奪うもの

ふと、口から溢れたこの言葉

先程までの苦しみが嘘の様に身体が軽くなり

何故か少しも火に対しての恐怖心が湧かなくなった

消防隊

そこの君っ、大丈夫ですか!

数分間、瓦礫などの邪魔のせいで 上手くここから出られずに居ると、 遠くから消防隊の声が聞こえてくる

そのまま消防隊に保護されて、 いく宛の無い私は叔父の家に引き取られた

そこまでは良かったんだ

叔父の家は田舎の山奥にあり 辿り着くまで、中々険しい道のりだった

叔母は数年前、病死したそうだ

おじいちゃん

おい文子、長旅で疲れてるところわりぃが山さ登るぞ

あなた

……え?

おじいちゃん

ここにゃあ俺分の飯しか有らん。

おじいちゃん

狩り行くぞ、着いて来い

いきなり山に入るなんて中学生にやらせて良い行いじゃない

そんな思いを押し殺して私は黙って叔父について行った

おじいちゃん

おい文子、さっさとしやんと日が暮れるぞ

あなた

……

このジジイ、きっと長い事1人で山にこもってボケてしまっているのだろう

あなた

うわっ!

足に何かが引っかかり、私はその場に転んでしまう

あなた

(痛た…なんだよ)

あなた

………っ

喉まで出かかった言葉が詰まる 目の前の光景に動揺が隠せない

おじいちゃん

……珍しいもんが落ちとるな

おじいちゃん

俺は山降って警察呼んできよるから、お前は家に帰ってろ

あなた

……ハイ

あなた

………

あなた

本当、私の悪運はどうなってんだよ

家に帰って早々、私は用意された自室に篭り鬱々としていた

あなた

(最近、ネガティブな事ばっかり考えてるな)

せっかく新しい人生を歩めるのに、 私1人だけ何も変わってない

あなた

…異能力か

私の異能は恐らく"朱を奪うもの"のはずだけど、効果がイマイチわからない

あなた

…外の空気でも吸ってくるかな

今日はここまで

次回から本格的に文ストのキャラが出てくるのでお楽しみに

あと、良いね50ありがとうございますm(_ _)m
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