さようなら、王弟殿下~私を本当に愛していたのは、ずっとそばにいた愛猫でした~
十歳の時から、王弟パトリオット殿下の婚約者だった伯爵令嬢ソフィア。
国で唯一、魔法使いの血を継ぐカリントン伯爵家の令嬢でありながら、彼女は魔法が使えない。
周囲から「できそこない」と蔑まれてきたソフィアにとって、唯一の救いは、優しく愛を囁いてくれる婚約者だった。
結婚式を二か月後に控え、幸せな未来を信じていたある日。
王宮のバラ園で、ソフィアは婚約者の裏切りを知る。
「あのできそこないに、俺が心移りするとでも?」
その言葉を聞いた瞬間、ソフィアの初恋は死んだ。
婚約破棄を望むソフィア。
けれど、パトリオット殿下は彼女を手放そうとはしない。
悲しみに暮れるソフィアのそばにいたのは、幼い頃から寄り添ってきた愛猫ヴィニーだった。
ソフィアの涙に触れたヴィニーは、美しい青年へ姿を変える。
裏切った王弟殿下。
人になった愛猫。
そして、ソフィアの中で目覚める赤い魔力。
ソフィアとヴィニーの魔力に秘められた、魔法王国ルミドア滅亡の真実。
それを知る時、二人の運命は大きく動き出す。
これは、尊厳を踏みにじられた令嬢が、愛猫だった青年に一途に愛され、本当の愛と自分の力を取り戻していく恋愛ファンタジー。