逃 げ た 俺 と 、 大 好 き な 君 。
卒業してから、もう2年が経とうとしていた。
大学生活は思った以上に忙しくて、毎日が慌ただしく過ぎていく。
それでも、ふとした瞬間に思い出してしまう。
あの彼の無邪気な笑顔を。
——彼の、あの言葉を…。
水_Hto
真っ直ぐな声が、脳に張り付いて離れない。
けれどあの日、俺は彼の言葉を受け止めきれなかった。
俺が先に気持ちを伝えてしまったというのに。
卒業した後、彼とは一度も連絡を取っていない。
スマホには彼からの連絡も来ていなかった。
あれだけ親しかったのに、まるで何も無かったみたいに彼とは話さなかった。
__俺が逃げたから。
赤_Liu
あれから彼がど ~ しているのか、俺は何も知らない。
いや、本当は聞くのが怖かっただけだろう。
少しは自分自身で考えはついていた。
彼が…、もう俺を忘れているんじゃないかって。
俺の気持ちなんて、彼にはもう必要ないんじゃないかって。
赤_Liu
桜舞う春の門をくぐって、久しぶりに母校へと足を踏み入れた。
今日は偶然卒業式らしい。
思い出に浸っている学生が多く見えた。
…なのに、そこに彼の姿はない。
それでも足が勝手に向かってしまったのは
心の奥底に残っていた微かな希望の所為だろう。
赤_Liu
校舎の奥、見覚えのある一本杉。
あの日、彼と待ち合わせに設定したあの場所。
その一本杉の手前にある桜の木下に、人影が見える。
赤_Liu
水_Hto
水_Hto
__夢かと思った。
目を丸くして、俺をじっと見つめている彼。
そんな彼に今すぐにでも触れたかった。
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
ぎこちなく笑うと、彼は目を伏せた。
水_Hto
懐かしい声。
あの頃と何も変わらない、澄んだ眼差し。
でも……、
赤_Liu
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
何を話せばいいのか分からない。
手を伸ばせば届く距離に居るのに、心は遠い気がした。
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
彼がゆっくりと微笑んだ。
寂しそうに__でも、少しだけ期待するような笑顔で。
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
この時水を慰めれなかった俺を、世界一憎く思う。
ごめんねって言いながら、頭を撫でるだけでもしてあげたかったのに。
その手でさえも伸ばす事が出来なかった。
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
水_Hto
水_Hto
彼が一歩近づく。
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
謝罪の言葉と一緒に、俺は水を抱きしめた。
まるで、今までの気持ちが溢れたかのように。
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
大粒の涙を流しながら、真っ直ぐな瞳で俺を見つめた。
赤_Liu
より一層強く抱きしめる。
水が、離れてしまわないように。
__あの日の俺の様な、手を伸ばせなかった気持ちを捨てる為に。
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
水_Hto
何故だろう。
今まで沢山の可愛いと出会ってきた筈だった。
なのに、水を見る度に新しい可愛いが蓄積されていく。
愛おしくて仕方がなかった。
俺だけのことを…、見ていて欲しかった_。
…今なら伝えれる。
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
…"俺だけ好きになって"なんて。
そんな事は今伝えれそうにないけど、
水にだけ独占欲強いみたい。ごめんね。
水_Hto
__漸く。
漸く、辿り着いた。
赤_Liu
水_Hto
運命の再会なんて、そんなロマンチックなものじゃない。
でもそれで良かった。
俺自身が逃げ出した恋に、また出会う事が出来たのだから。
——あの春、すれ違った恋が、今ここで結ばれた。
一個前の作品を完結させていただきました…‼︎ 今リクエストの仕上げ中なので、もう暫くお待ちくださいませ……🥹 追加リクエストもどんどんください!!
コメント
10件
めぅ🥹💞 ハピエンLove💕 感動とか切なさがあって好きです😭
え、最高すぎん?? バリ嬉しいんですけど。てか終わり方めちゃすこ( ᐛღ ) ハッピーエンドなのにちょっと切なさがあるのが最高でやんす(*`ω´)b