主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
学食にて
うつらうつらと船を漕いでいると
突然、何者かに肩を叩かれた
ジョナサン
友達
友達
ジョナサン
友達
ジョナサン
はは、と渇いた笑いを浮かべると、サラリと揺れる金髪が視界に入った
ディオ
ああ、絶賛睡魔と戦っている僕には、その金色に輝く髪1本1本に目が痛む
ジョナサン
ディオ
ジョナサン
友達
ディオ
ディオ
ディオ
友達
友達
友達
ジョナサン
友達
ディオ
ディオ
ディオ
友達
友達
友達
友達
ジョナサン
ディオ
友達
友達
ディオ
ディオ
友達は感銘を受けたように涙を一つこぼし
友達
そう叫びながらディオの肩をバシバシ叩く
騒がしいのは嫌いじゃあないが、 今は寝不足による頭痛に響くので静かにしていただきたい‥
ディオ
ディオ
ヒラヒラと手を振ってくるディオと友達に
僕はニコ、と笑顔で返す
ジョナサン
僕はトレイに乗ったグリンピースを突きながら、二人で談笑しているディオを見つめる
ジョナサン
僕はヤケになって手元に置いていたパックの飲み物を、ぐい、とあおった
ジョースター邸にて
ディオ
ジョナサン
ジョースター郷
ディオはぺこりと頭を下げて、階段を上る
僕はそれについていき、いつものように話しかけた
ジョナサン
ディオ
ディオの隣に並び、顔をあわせる
ディオはベタァッと貼り付けたようなわざとらしい笑みを浮かべていた
ジョナサン
ディオ
ジョナサン
ディオ
ディオの声色がだんだんと暗くなっていることを察した僕は
ジョナサン
話すのをやめた
ふと、ディオに気づかれないように、彼の顔を横目で見る
ディオ
ディオのいつもの穏やかな雰囲気は、そこには無く
ディオはただ、思い詰めたように床を見つめながら歩いていた
ジョナサン
静寂をかき消すのは僕と、ディオの足音のみ
僕はため息が出そうになるのを堪える
ジョナサン
自室の前につき、僕はディオの方を向いて「おやすみ」と言った
ディオ
やかましいくらいに輝くシャンデリアの光でさえも
ディオの瞳を照らさなかった
まさに、「死んだ魚の目」をしていた
バタンと重いドアを閉め、早速ベッドに倒れ込んだ
ジョナサン
体中の疲れを、ため息とともに吐き出す
ジョナサン
僕は襲いかかる睡魔に打ち勝とうと、ガバッ、と上半身を起こす
起きとかないと、今度こそ殺されちゃうかもしれないからね
‥‥
それでも僕は人間だ
睡眠欲には勝てず、腕を組み、あぐらをかきながらつい目を瞑ってしまった
‥‥
‥‥
ディオ
謎の息苦しさと、ディオの声により、ハッと脳を覚醒させる
瞼をぱち、と開けると、そこにはディオがいた
ジョナサン
ジョナサン
ディオ
ディオは僕の首を両手で締め付けていた
状況を理解するのに少し時間がかかたが、パニックにはならない
”いつものこと”なんでね
ディオ
ディオ
ディオ
ディオは真っ赤な瞳をグラグラと揺らしながら、ブツブツと何かを呟いている
その瞳は、僕が昔に読んだ絵本に出てくる、吸血鬼の瞳と同じ色だった気がした
ディオ
ジョナサン
ジョナサン
僕がそう答えた瞬間、首を締め付ける力が弱まった
ソッとディオの手首を優しく握り、いつもの調子で微笑みかける
ジョナサン
ジョナサン
ディオは目が据わっており、まるで人形のように表情が無かった
しかし、僕が「二人でね」と言ったとき、ふ、と顔が緩くなったように感じた
ジョナサン
ディオ
布の擦れる音と共に、ディオがズイ、と僕との距離を詰める
僕はそんなディオの、白い首筋を指先で触れた
ディオ
生気の感じられないディオの視線が、僕の手元に移動する
覚悟を決めたように、ディオは目を閉じた
それを確認した僕は、ディオの首に這わせる指の動きを止める
ジョナサン
ディオ
僕は手を下ろし、ディオの目を見つめる
ジョナサン
ディオ
ジョナサン
ジョナサン
ディオ
ディオ
ディオ
ディオ
最近、ディオはよく僕と心中したがる
それは決まって深夜で、
ディオが笑顔を忘れる日だ
今日の「おやすみ」と、挨拶を交わす際の、気怠げな表情
いつものとってつけたような笑みすら浮かべないとき
事は起きるのだ
きっと、ディオは精神的におかしくなっているのだろう
どうしてなのかは分からない。だが‥
ディオは常に一番を目指している男
「一番で居続けなければならない」
そんなプレッシャーによるストレスかもしれない
他の理由だったとしても、僕には一生分からないだろう
ジョナサン
ジョナサン
ディオ
きっと、「どうせ死ぬんだから、怪我くらいどうってことない」そう思っているのだろう
ジョナサン
ジョナサン
ディオ
ディオ
かすれた声で、僕に応える
僕達は、僕達の家の近くの森に来ていた
二人で門を抜け出して、だ
ディオがこうして、頭をやられているときは、毎回ここに来る
ジョナサン
ジョナサン
ジョナサン
ディオ
ジョナサン
僕はこういう時、本心をありのまま話す
そうすれば、ディオも本心を話してくれるからだ
ディオ
あいつ、というのは、あの友達のことだろう
ジョナサン
ディオ
ジョナサン
ジョナサン
ディオ
喋りながら蹌踉めくディオの手を捕まえ、ぎゅっと握る
ジョナサン
ディオ
ジョナサン
どういう意味なのだろう
友達、ましてや兄弟を思って、嫉妬するなんてことはあるのだろうか
ディオ
ジョナサン
ディオ
ジョナサン
ディオ
ディオはよく、ここで”計画”という単語を口にする
その”計画”とは、なんのことなのかは、教えてくれない
ジョナサン
ディオ
ジョナサン
ジョナサン
クシャリ
落ち葉を踏みしめ、顔を上げる
ビュウと冷風が僕達の髪をなびかせた
ジョナサン
ディオ
僕達の目の前には、風に吹かれて円を描く、水面が広がっていた
夜空の星々が、湖を煌めかせ、僕は思わず「わあ」と感嘆の声を漏らした
ジョナサン
ディオ
ディオは、ぼーっとしたまま森の木々を見つめていた
ジョナサン
いつもなら、ディオは綺麗な景色に見とれ、
‥自殺はまた今度にしよう
そう言ってきびすを返し、次の朝にはいつもの穏やかなディオに戻る
はずだったのだが‥今日は特に精神的にきているらしい
ディオ
ディオ
ディオ
ディオ
僕はディオの腰を抱いて、水面の上に飛び込んだ
ディオ
ディオは短い悲鳴をもらし、目を瞑る
飛び散る雫。 月とその周りに浮かぶ星に 照らされる、ディオの金髪。 ネイビーブルーの空。
スローモーションに見えたその光景は、とても綺麗だった
バシャァアアアアンッ
ボコボコと空気が僕達に纏わり付き、くすぐったい感覚に襲われる
なんでこんなことしたんだろう
僕自身の行動の意味が、自分でも分からなかったが
ディオの辛そうな顔を見ると、なぜか飛び込まずにはいられなかった
ディオ
口から幾千もの泡を吹き、沈んでいくディオが見えた
僕は手を伸ばし、ディオの腕を掴む
刹那、ディオの目が強く開かれた
急いで水面めがけて泳いで行き、抵抗するディオを引っ張り続けた
その抵抗する力の強さから、 マジに死ぬ気だ。 そう感じ取った
ジョナサン
やっと顔が湖から出たところで、ディオを引っ張り上げた
ジョナサン
ディオ
ディオ
ディオ
ジョナサン
突然押し黙ったディオに視線を向け、肩で息をする
もう一度、一人で潜ってしまうんじゃあないかと不安になり、咄嗟にディオの肩を抱きしめたが
ディオは頭上を見上げたまま、固まっていた
ディオ
その顔は、いつもの湖に見とれるディオの顔と、全く一緒だった
何を見ているんだと、僕も空を見上げる
ジョナサン
陸地からは、雑木林が屋根となり、あまり夜空が見えなかったが
湖の真ん中にいると、それがよく見えた
沢山の輝きが空を泳いでいるような、そんな非現実的な光景に飲まれ
僕達はしばらく二人で空を見ていた
ディオ
ジョナサン
ディオ
ジョナサン
ジョースター郷
参考書に目を通しながらパンを頬張る僕を、父はピシャッと指摘した
ジョナサン
ジョースター郷
ジョースター郷
ジョナサン
ジョナサン
昨夜、僕達はびちゃびちゃに濡れた寝間着を一人の使用人にこっそり渡し
何事も無かったように眠りについた
ディオの精神についてその使用人に相談しようとしたが
ディオのプライドからして、そうしたら彼に怒られる気がしたのでやめた
ディオ
ディオ
ジョナサン
ディオは優雅にカチャ、とカップを置く
そういえば、ディオが眠そうにしているところを見たことが無い
ジョースター郷
ジョースター郷
ジョースター郷
‥みんな。ディオのことを「完璧」「完璧人間」だと呼ぶが、しかし‥
ディオ
あのように「死のう」だなんて連呼しながら、人の首を絞めようとしてくる男のどこが、 「完璧」と呼べるのだろう
まあ、そんな一面を知るのは、僕しかいない
きっと、僕しか知ることを許されないのだ
ジョナサン
ジョナサン
だから、僕が「そんなに辛いなら計画なんてやめちゃいなよ」なんて言えるわけもなく
僕は彼の”計画”とやらが存在することを知ってしまった上、応援するしかないのだろう
ディオ
ディオ
そう微笑む彼は、やっぱりどこかおかしかった
コメント
1件
初コメ失礼します!めっちゃ最高でした…そして素敵すぎますよッ