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地上に出てからずっと、眠りが浅い。
いや、元からと言えば元からだ。
しかし最近は、変な夢ばかり見てしまう。
気付いたら辺り一面雪景色で、フリスクの見た目をした何かが、モンスターを殺し回っている夢を。
自分は何もせずにただ傍観することしかできない夢を。
これまで夢なんて覚えてなかったのにな。
夢は深層心理が現れる、と何処かの本で見たことがある。
でも、フリスクがそんなことするとはありえないんだ。
誰かのために一生懸命になれるニンゲンだから。
だけど、もし、もしもの話だが。
サンズ
日差しが眩しい日の公園。
立っているだけでも体力を削られ、木陰のベンチにふかふかのソファーに座るように腰掛ける。
純木製だから痛かった。残念だ。
左隣には相変わらず糸目のフリスクが居る。
サンズ
とりあえず、さっき適当に買った蛍光色のサイダーのペットボトルを渡す。
フリスク
サンズ
サンズ
フリスク
すごく怪しがられているが、ちゃんと正規の方法で得た金だ。
寝ていないと身体的には辛いらしく、何もしていない時どうしても眠くなる。
だから気を紛らわすために色々適当なバイトをしている。
え?何やってるのかって?普通に飲食店の店員とかだよ。
まだモンスターが地上に出てから日が浅いから、面接の半分以上は断られた。
いや、もしかしたらオイラのキレッキレのギャグが原因なのかもしれないけど。
あと時々、アルフィーの手伝いとかもしてるけど…って、この話はどうでもいいか。
フリスク
渡した蛍光サイダーを一口飲んだフリスクは、不味そうな顔(ちょっとシワがついただけ)をしてこっちに疑問詞を投げてくる。
フリスク
サンズ
そう、今回はフリスクを公園に来いと誘ったのだ。
…さて、どこまで話したものか。
とりあえず、一番心配なことを聞こうか。
横のニンゲンに目を合わせ、問う。
サンズ
さっきまで夏の暑さに怠けていた空気が、突然氷点下のように冷たく固まった。
この反応は。
フリスク
真剣なオイラの目にちゃんと察してくれたらしい。 目の前のニンゲンは一息つき、口を開いた。
ニンゲン
一瞬にして変わった声色に、やはりオイラの勘は間違えていなかったことを悟る。
サンズ
サンズ
サンズ
少し睨みつけてみる。もしかしたらこの平和なタイムラインを壊すかもしれないのだ。警戒しない訳が無い。
ニンゲン
ニンゲンはパズルの答えをはぐらかすように軽く返してきた。
ニンゲン
サンズ
ニンゲン
どうも信じられない。どうやらオイラは人間不信になってしまったようだ。
でも、今は少しでも信じなければ、埒が明かない。
ニンゲン
フリスクの何考えてるのかよく分からないポーカーフェイスに近い顔とは違い、目の前にいるニンゲンは本当に無表情だった。
サンズ
その表情にも既視感を覚えて、キミの悪さが勝ってしまう。
サンズ
サンズ
そう言いオイラは立ち上がろうとしたが、
ニンゲン
止められた。
ニンゲン
サンズ
サンズ
オイラの言葉を聞くと、ニンゲンは予想通りとでも言うように鼻で笑った。
ニンゲン
ニンゲン
ニンゲン
ニンゲン
サンズ
元より文句なんて無い。
お前らの好きなようにしろよ。
サンズ
サンズ
そう吐き捨て今度こそ立ち上がる。
去り際、ニンゲンの声が聞こえた。
ニンゲン
サンズ
そんなちっぽけなものに頼るのも悪くは無いのかもしれない。
あいつの言うことが本当なら。
明日を夢見るのもいいのかもしれない。
まあ、どうでもいいか。
太陽光に反射して光る無数の砂粒を、スリッパで踏み歩いていく。
もやし
もやし
もやし
もやし
もやし
もやし