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君と犬と恋の神様

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君と犬と恋の神様

9 - 第8話 過保護なお母さん

♥

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2025年03月30日

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大空ここな

ただいまっ!!

玄関の扉を開けると すぐに元気な鳴き声が響いた。

ぷくまる

ワンワンッ!!

愛犬・ぷくまるが、しっぽを 大きく振りながら駆け寄ってくる

大空ここな

おぉ〜、よしよぉ〜し
ぷくまる ただいまぁ〜

しゃがみ込んでぷくまるを撫でると 勢いよく顔を舐められる。

大空ここな

ちょ、そんな
舐めないでってば

母親

あっ、ここな
おかえりなさい。

母の声が聞こえた途端 ぷくまるはピタリと舐めるのをやめ 玄関にちょこんと座る。

ぷくまる

ワンッ!!

まるで「いい子にしてますよ」と アピールするかのように 上目遣いで母を見つめていた

大空ここな

ただいま

大空ここな

お母さん
今日帰ってくるの早いね

母親

あら、今日は休みだって
昨日言ったでしょ?

大空ここな

あっ、そっか、、

母の言葉を適当に流しながら ここなは靴箱の上に置いてあった リードを手に取る。

母親

、、って

母親

もう、お散歩するの?

大空ここな

うん。

母親

何も、制服のまま行かなくても
いつも、着替えてから
お散歩にいくじゃない

大空ここな

別にいいでしょ
どうせ、金曜だから洗うし

ここながそっけなく答えると 母は何かを思い出したように ハッと息を飲んだ

母親

、、ハッ!

母親

ここな?

大空ここな

──なに?

母親

なにも、先月に比べて2kg
太っちゃったからって
急にそんな無理な運動、、

母親

返って
体に良くないわよ?

大空ここな

な、なんで知ってるの?!
気持ち悪っ!!

母親

あら〜、実の親に向かって
気持ち悪いだなんて失礼ね

大空ここな

いや、娘の体重を
知ってるからでしょ!

大空ここな

怖っ!!

母はさも当然のように 話し始めた。

母親

だって、今日ここなのお部屋を
掃除にしに部屋に入ったら

母親

机にノートが置いてあって
学校に持ってくノートを机に
置いたまま行っちゃったのかなって
思って覗いて見たら

母親

まさか、体重を記録してる
ノートだなんて
普通思わないじゃない?

大空ここな

いや、まず回想の最初!!
なに、平然と娘の部屋に入って
私物漁ってんの!?

母親

だって、ここなの部屋
放っておいたらすぐゴミ屋敷に
なっちゃうじゃない

大空ここな

ぐ、ぐぬぬ、、

痛いところを突かれ ここなは言葉に詰まる。

ここなはぷくまるのリードを きつく握りしめ、母に向かって ビシッと指を突きつけた。

大空ここな

もう、分かったから
お母さんは私の部屋に
入るの永遠に禁止!!

母親

えぇぇ〜!!

大空ここな

──行ってきます!

怒りに任せて扉を勢いよく開け そのまま家を飛び出した。

母親

ちゃんと、言うこと聞くから
親離れしな──

ガチャ

玄関を勢いよく飛び出すと ひんやりとした夕方の風が頬を撫でた

空は茜色に染まり、地平線に 溶けるようにゆっくりと沈んでいく

大空ここな

(──まったく)

ここなはため息まじりに呟きながら リードを軽く引いた。

大空ここな

(いつまでたっても、あの人
子供扱いしてくるんだから)

そう言いながらも、心の奥では どこかくすぐったい気持ちが 残っていた。

ぷくまる

ワンワンッ!!

突然、ぷくまるが 元気よく吠える。

ここなはその小さな体を見下ろし 少し口元を緩めた。

大空ここな

──行こっか。

リードを持つ手に少しだけ 力を込め、一歩を踏み出す

ぷくまるはしっぽを振りながら 弾むような足取りで並んだ。

大空ここな

(ほんと、うちのお母さんは
過保護なんだから──)

風に乗って、お母さんの 「ご飯できるまでには ちゃんと帰ってきてね〜」という 声がかすかに聞こえる。

大空ここな

(でもまぁ──)

大空ここな

今日の
晩御飯なんだろうね?

大空ここな

──ぷくまる

ぷくまる

ワンっ!!

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