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海
うん！
陽平
海さん、準備できた…？
海
もう町は復興してると思うし！
陽平
そうだといいね…
海
(なんでそんなに不安なの？)
海
(もう月日はたったし…)
陽平
海さん、行こう…
海
あ、はい…
ｶﾞﾁｬ
海
え？
そこには
原爆が落ちた時と同じ風景が待っていた
火は消えているけど、建物はボロボロだ
その時気づいた
私はタイムスリップしてきたんだ
私はなぜ気づかなかったんだろう。
なぜ外に出たんだろう
こんな姿、陽平さんに見せたくなかったよ…。
陽平
海さん…。
海
もう…戻りません。
海
行きましょう。
陽平
そこまで言うなら…
海
ｳｯ
海
死体の匂いが…
陽平
やっぱりやめておいた方が…
海
いいえ、諦めません。
海
ｹﾞﾎｯ…
床にはたくさんの死体、死体、死体。 その上を私たちはあるっているのだ。
海
やっと病院に着いた…
陽平
海さん、ここからが本番だよ…
陽平
誰が生きているのか…
海
そんなのわかってます…
海
ただ私は願うだけ…。
医者
お前さんたち、何をしに来たんだ。
海
亡くなった人の名前が書いてある紙は…
医者
またか…。
医者
あっちの棚に置いてあるから
医者
あ、おい
看護師
は、はい…！なんでしょうか…。
医者
案内してやってくれ
看護師
な、何をですか…？
医者
聞いてきなかったのか！？
医者
お前には耳がないのか！！！
看護師
い、いえ…違います！さっきまで違う仕事を…
医者
そんなの聞いていない！
看護師
す、すみません！
医者
明日から来なくていい
看護師
え！？
医者
お前の仕事はもうない
看護師
そ、そんな…
看護師
……
看護師
いい機会です！こんな仕事なんてやりたくないです！！
看護師
こんな仕事…！
海
陽平さん…
陽平
次を回ろう…ここじゃダメだ…
医者
君らも帰るのかい！
医者
全く今の若者は…話にならん…
海
……。
海
話にならないのはそっちじゃないですか？
医者
何を言っている！？
医者
この私に口答えか！
医者
溢れかえるほどの死者を見てきた！
医者
俺だってうんざりだよ！！
海
一人ひとりの体を治すのって、すごく大変なんです
海
そんなの知ってます。
海
でも、それでたくさんの人の命が戻ったら、嬉しいんじゃないんですか？
海
命が戻って喜んで…泣いて…
海
喜んでもらえるって、とても素敵な仕事じゃないんですか？
海
たとえ、体に火傷があっても、何らかの跡が残っても…
海
生きてるだけで嬉しいんです、治してくれるだけで嬉しいんです。
海
もう一度考え直してください。
海
きっとまた何かが見えてきます
海
それでは…。
陽平
……。
そこから私達は次々病院に回った
陽平
次が最後の病院だ。
海
はい…。
陽平
海さん。
海
はい？
陽平
あの言葉、すごくかっこよかったよ。
海
え？…
陽平
僕だったら、あんな勇気は出ない
陽平
海さんは心強くて、勇気があって…。
陽平
僕はそんな海さんが大好きだよ…
陽平
でも、あんまり無理しちゃダメだ
陽平
ほどほどにね。
海
…はい…
看護師
こちらです
看護師
沢山資料があるので、分かりずらいと思いますが、あいうえお順になっているので探しやすいと思いますよ。
看護師
最新版のやつはこちらにあります
海
ありがとうございます
看護師
探し終わったら声をかけてください
陽平
分かりました。
海
まず、誰から探しましょう…
陽平
とりあえず、頭に浮かぶ人からだ…。
続く
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