惑溺

赤嫌われ

殴り書き

誰よりも頑張ってきた

歌だって アニメだって 声優のお仕事だって

誰かのためにって

でももう疲れちゃった

だって誰も本当の俺を見てくれない

ほんとはね、

がんばるのできないし、

ひとりじゃ何もできないし、

睡眠なんてまともにとってない

みんなに気づいて欲しくて、 沢山配信をした

Twitterだって3日浮上しなかったりした

でも誰も気づいてくれなかった

俺は活動が向いてないんだ

本当はうっすら気づいてた

でもみんなと離れるなんてできなかったから

気付かないふりを続けてた

もうやめよう

27歳からも"莉犬"を続ける

そう言ったばっかりなのに

ごめんなさい

<99+　🍓( 6 )　　　　 🔍　📞　三

既読5

LINEの返信がたくさん来ていたが 全て無視した

別れを惜しみたくない

そしてここで言ってしまえば、 きっと逃げられない。 会って言いたいという気持ちもある

今までずっとお世話になった人達と LINEでさよならなんて嫌だ

静かな会議室

みんなが俺の言葉を待ってる

本当の理由なんて俺にもわかんない

だから、

嘘を吐いた。

その言葉に、態度に 雰囲気に 自分のついた嘘に 全部に涙が出そうだった

やっぱり幻滅されちゃったかな

嫌われちゃったかな

彼の言う言葉に、突き放すような態度に ぼろぼろと涙が溢れてきて頬が濡れる

そんな桃黄を見て3人は焦ってる

本当に嫌いなの、？

耐えきれなくて

事務所を飛び出した

みんな俺の事好きじゃなかったんだ

ぁはは、

ばかみたい、

笑い飛ばしたいのに

涙は一向に止まらず 今にも崩れ落ちてしまいそう

最後は泣いて終わりたくなかったのになぁ、

深く儚く美しい海。 光をキラキラと反射して眩く輝く。

海みたいに

キラキラ輝く存在になれたかな

りすなーさんにとって、 メンバーにとって

大切な存在になれたかな

1歩 歩く度 少し沈む砂浜

靴を脱いで

上着を脱いで

いらない感情も全て

全てを捨てる

最後くらい、"俺"でいさせてほしい

りすなーさんも捨てて、メンバーも捨てて

"莉犬"を捨てた。

何も残さずしぬんだ

重くゆっくりと沈む身体。

身体中に纏わりつく海水。

全身から酸素が消えていくのを感じる

息がしずらい

意識が朦朧としてきた。

最後は走馬灯を見ると言うけれど、

そんなもの、実際はなかった

俺には大切な思い出はなかったのかな、なんて

全てが大切な思い出なのに

全てを捨てたのは俺なのに

ばかばかしい、

あれ、

さっき俺の事嫌いって言ってたじゃん

なんで助けちゃうの、？

嫌いだから、嫌がらせのつもりでやってるの？

本当は

本当は、

死にたいわけじゃなかった

惑溺(わくでき) ある物事にすっかり夢中になってしまい、本心 判断能力を失うこと