元殺し屋の俺、アイドルマネージャーになりました。

今日は昨日応募したバイトの招集日。

場所も思っていたより近く、 徒歩で行ける距離だった。

今は8月。夏休みだから まだ暑いのは当たり前だ。

でも、俺を照らす太陽光が無駄に輝いていて 正直鬱陶しかった。

どこにでもあるような高層ビルの前で、 ピンク色の髪をした女性が案内をしていた。

どうやらこのバイトに応募していた物好きは 俺以外にも数人居たようだ。

俺は最後列へと足を運び、案内されるまで 待つことにした。

そんな本心は奥底に沈め、 案内されるがままに面接会場へと向かった。

そして、俺の面接時間になった。

面接ってこんなもんだっけ、？

やけに友好的というか、タメで話してくるな、

難しい質問してくるな…、

この子…、

今まで応募してきた誰よりも 魅力を感じる。

言葉に言い表せないけど、…

不思議と惹かれるような…、

そんな感じがする。

あれ…、

全部の質問スムーズに答えてたのに…

一瞬言い淀んだ、？

…気のせいかな？

でもここまで魅力を感じた子ははじめてだ。

"即採用"という言葉に戸惑いを感じながら、 俺はもう一度椅子に座った。

どうやら俺は、この人に気に入られたらしい。

親のこと聞いてきたときは焦ったけど…、

これだけは、誰にも言えない。

俺が"元殺し屋"ということだけは。