雅と五夏で広報した新しい組合に注目した関係者や、マスコミ報道各社芸能人達が詰め掛ける。
五夏
ふう。

雅
五夏ちゃん、さすが。

雅
あのTM Vの社長とも負けず劣らず話してるわ。

五夏
そう言う、雅だって。

雅
うふ。そんな事ないわよ。

ある程度の関係者と挨拶を交わし終えたあと、雅と五夏の二人は控え室に戻る。
宗尹
お疲れさま。

五夏
あ!宗尹さん

五夏
来てくれたんですね!嬉しい。

宗尹
ふふ。五夏ちゃんが開催してるパーティーだもん。来ないわけに行かないよ。

五夏
でも…最近、体調の方はどうなんですか?

宗尹
ん。まあ

宗尹
ぼちぼちかな。

宗尹
雅ちゃん、この子の面倒見てくれてる?大変でしょ

雅
ふふ。ご心配には及びませんわ

五夏
雅ったら…。

宗尹
今度皆で食事でも、行こか。

宗尹
あれ。あの、健太郎くん、だったっけ。呼んでないの?

五夏
…。

健太郎
バタン!

健太郎
はあはあ、ごめん、遅れて

雅
健ちゃあ〜ん。

雅
もう、五夏が健太郎がやる筈だった司会も受付もやって、だいたい済んじゃったよ。

健太郎
はあ、はあ…

健太郎
まじか

健太郎
ごめん、五夏。

五夏
ううん。大丈夫

五夏は健太郎に近寄り、よれよれのネクタイを直してやる。
宗尹
…。

雅
…。

健太郎
…

五夏
なに?

健太郎
あのさ

健太郎
申し訳ないついでであれなんだけど、

健太郎
俺これから、撮影あるんだった。

雅
も〜!健太郎ってば!

宗尹
ふふ。なんだかドタバタねえ。楽しそう。

健太郎
あっ…宗尹さん

宗尹
お疲れさま、健太郎くん

五夏
宗尹さん

宗尹
ん?

五夏
その…考えておいて下さい。近いうちみんなで食事、行きましょう。

五夏
健太郎も行くよね?

健太郎
え、うん。

五夏
なによ

健太郎
行ってもいいの?俺

宗尹
どしたの笑
勿論、良いに決まってるでしょ!

宗尹
むしろ色々聞かせて欲しいから、覚悟しておいてね⭐︎

健太郎
あ、はい

パーティー会場から、専用のリムジンに乗って退場する雅と五夏。
健太郎は、撮影のためあれからものの10数分で会場から出て行ったのだった。
雅
ふう。

雅
結局、あれですか。収穫は◯社の社長と、◯テレビの役員と話をとりつけたって言う

五夏
んーまあ、そうね

五夏
もう。健太郎が遅刻してくるんだもん。

雅
健太郎くんの顔見せパーティーでもあったのにね…

雅
あの子こう言うことに疎いんだから。意味のないように見える繋がりを、こやってセレモニーで確認するのだって、大事な事なのにね?

五夏
…

雅
五夏、元気な〜い。

雅
(悪戯しちゃお。)

五夏
もう、やめてよ雅。

雅
ちょっと、カーテン閉めてくれる?

五夏
ねえ。

雅
だーれも見てないよん。五夏ちゃん

五夏
やだ…

雅
私の事きらい?

五夏
そんな事、

五夏
あるわけないでしょ…。

雅
さわさわ。

五夏
やだ、くすぐったい…

雅
ふふ。

雅
五夏のおっぱい、柔らかくてすてき。

雅
こんな所、健太郎に見られたら嫉妬されちゃうかな。

五夏
…

雅
それとも、誘っちゃう?

雅
あっ

雅
五夏ちゃん…

健太郎
ふう。

健太郎
やっと取れた役だからな〜。がんばらないと

健太郎
これまでは、ろくなのが回ってこなかったから…

スタッフ
健太郎く〜ん!こっちこっち

健太郎
あ、はーい

かつて一ノ瀬健太郎は、鳴り物入りで芸能界に入った俳優だった。
だが、ある大御所とのスキャンダルで、数年間活動停止になっていたのだ。
雅
カーテン開けて。

五夏
ふう。もう、雅ったら。

雅
ふふ。元気出た?

五夏
うん

五夏
ありがとう、雅

雅
(五夏ちゃんったら。相変わらず本命くんにだけ女王様なのね)

雅
(そんなとこもカワイイ。)
