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つまらない人生だった 。
最低で 、最悪な人生だった 。
俺の人生はいつも 、
一昔前の映画みたいに
モノクロだった 。
何にも色がついてなくて
暗くて 暗くて
誰もこんな人生なんて 、
望まないだろう 。
そんな俺の昔話をしよう 。
俺は物心ついた時から孤児院にいた 。
でも 、その孤児院は規模が小さいのに
割に合わない人数の孤児がどんどん 送られてくるので 、
同じ歳の子供達 、3 、4人で集められて 1つの部屋で過ごしていた 。
俺の部屋には自分の他に2人いて 、
1人は 、泣き虫な男の子 。
俺は昆虫が好きだったから 、 よく昆虫図鑑を眺めていた 。
その昆虫図鑑を覗き込んでは 、 「怖い 、怖い」とか言って泣いてた 。
もう1人は 、いつもどこか不機嫌そうな男の子
頑張って話しかけたのに 、そっぽ向かれたのは 、悲しかったな 。
てなわけで 、この2人と俺の相性は ものすごく悪かった 。
だからかな 、孤児院での暮らしは楽しくなかった 。
正直に言って 。
某アニメのように 、孤児院にいる子供達みんなが仲の良い訳では無い 。
どちらかというと 、皆 、何処か孤独を 感じていて 、
空気は少し 、ピリピリしてたかな 。
ここにいる子は皆 、親に捨てられた 可哀想な子 。
子供は親が大好きだ 。
たとえ 、顔を見たことが無くても 、
どんな人か知らなくても 。
「実は 、何か理由があって自分を孤児院に送ったのではないか 。」
やっぱりそう考えてしまう 。
俺だってその1人だった 。
いつか 、迎えに来てくれるのではないか 、
そんな淡い期待を抱いていた時もあったな 。
結局 、そんな日なんて来なかったけれど 。
小学生になってからは 、孤児院の子達同士で 、交友関係が広がった 。
皆 、楽しそうに笑う日が増えた 。
残念ながら 、俺はその輪の中に入ることが出来ず 、
それどころか 、国からの支援で通っている小学校の同級生から
「本当にお母さんとか 、いないの ?」
「親居ないんだ 、可哀想 」( 笑
「僕は親いない方がいいと思うけど。 参観日とか 、親来ないじゃん 。」
そんなデリカシーの無い言葉を投げられ
からかわれた 。
傷付いた 。すごく 。
でも 、言えなかった 。辛いって 。
中学生になると 、だんだん エスカレートしていって 、
わざとぶつかってきたり 、
自分の物を勝手に盗ったり 、隠したり
何度か本気で殴られたり 、蹴られたりしたこともあった 。
俺って 、虐められやすい体質なんかな
まわりにいるクラスメイトは俺のこと なんか見て見ぬふりをする 。
俺のことを空気のようにみている 。
先生も 、誰もかも 、俺のことを助けてなんてくれない 。
小学生の時もそうだった 。
ず ー っと 1人 。
俺の存在は肯定されず 、否定され続けるだけだった 。
学校に行きたくないと何度も思ったが
俺は 、勉強とか苦手だし 、
授業を1回でも受けなかったら 、
その後の勉強内容が全部頭に入ってこないような人だったから 、
嫌々 、毎日学校に通っていた 。
虐めに耐え 、
勉学に励み 、
気がつくと 、中学3年生に 。
普通の中学生だったら 、進路を決める時期だろう 。
俺だって 、高校入って 、青春して 、
その後大学入って 、資格とって 、
良いところで働いて 、お金稼ぎたかったけれど 、
そもそも 、俺は 、高校の学費が払えない 。
高校からは特になんの支援もないらしい
中3の夏休みに知った 。
少なくとも 、俺がいたところでは 、 の話だとは思うが 。
あ ー あ 、進学出来ないんだったら
あれだけ頑張って学校通った意味 …
そうして俺は 、皆が高校に行ってる間
中卒でもOKだった とある会社で働いた
働くって言っても 、ほぼ 雑用みたいな感じだけど 。
でも 、俺のことを必要としてくれてるんだよな
はじめて 、俺の存在が少し肯定された気がした 。
一応給料は貰えるし 、
中卒でも働ける求人はまわりにほとんど無いから 、
ここで働くしか無かった 。
毎日 、真面目に働いた 。
他の大人に負けないくらいに 。
その頑張りが認められたのか 、
普通に働いている大人と同じような作業を任されるようになり 、
18歳の時には 、普通の大人と変わらないくらいの仕事をこなすようになった
お金もだんだん貯まってきて 、
19歳の年の春 、
職場の近くにあるアパートを借りて 、 一人暮らしを始めた 。
前までは 、沢山の人が居る孤児院に 帰って居たので 、
一人暮らしをはじめて間も無い頃は
帰って来ても 、静かな部屋に何処か 寂しさを覚えたが 、
2週間もすれば慣れたけど
なんなら 、1人の方が誰にも邪魔されずに 、静かで 、凄く落ち着く気がした 。
う ー ん 、ここからは 、特に 何も無かったなぁ 。
良い意味でも 、悪い意味でも 。
朝 、毎日同じ時間に起きて 、
同じような朝食を食べて 、
いつも通りの支度をして 、
いつもと同じ時間に家を出て 、
いつも通りの会社について 、
いつもと同じような作業して 、
それが終わったら 、いつもと同じ時間に家に帰って 、
いつもと同じような夕食を食べて 、
いつも通りに 、だらだらと過ごす 。
気が済むまでだらだらしたら 、
いつも通り 、お風呂に入って 、歯磨きをして 、
そしたら 、いつもと同じ時間に眠りにつく 。
また明日も 、繰り返し 、繰り返し 。
まるで 、同じ日を何度も過ごしいる みたいだ 。
そんな毎日を過ごして約6年 。
段々と 、俺はなんの為に生きているんだろう 、
そう考えるようになった 。
家族も 、友達も居なくて 、
そんな自分を惨めだと思い 、
仕事も 、プライベートも紙一重のようになってしまい 、
こんな人生の何処が楽しいのかと 思い 、
こんなゴミな人生を生きる為に仕事してんのかって思うと 、
もうなんか 、全部どうでもよくなったというか 、
もう 、休んでしまってもいいのではないかと思った 。
だって 、俺が居なくなったって 、
悲しんでくれる人は誰一人として 居ないんだし 、
俺の代わりに仕事をしてくれる人なんて沢山いるんだし 、
家にある家具とかを全部売った 。
借りていた部屋も返した 。
もう俺には必要無いから 。
最後くらい 、カッコつけたくて 、
誰かの役に立ちたくて 、
俺の手元にあるお金を全部寄付した 。
そして 、誰もこなさそうな橋の上に向かった 。
そこで俺の最期を迎えることにしようと思った 。
まぁ 、違う形で最期を迎えることに なりましたが 、笑
俺は橋に向かう途中 、とある少年と 出会ったんだ 。
サッカーボールをリフティングしながら 歩道を歩いていた 。
友達と公園で遊ぶ約束でもしてるのかな
いや 、1人でサッカーの練習でもするのだろうか
どちらにせよ 、俺がこのくらいの年齢の時にはこんなこと 、無かったな 。
そう考えながらその少年の隣を通ろうとする 。
すると少年は人の気配を感じたのか 、 こちらを向く 。
それから 、心配そうな顔で俺の顔を まじまじと見た後 こう言った 。
「 おに ー さん 、げんきないの 、?」
「 いやなことでもあったの ?」
「 じゃあおれとあそぼ ー よ !!」
「 きっと 、げんきになれるよ !!」
「 おれは 、おに ー さんのみかた !」
嬉しかった 。凄く 、嬉しかった 。
こんなこと 、人生で1度もなかった 。
その少年が 、はじめて投げかけてくれたんだ 。
その 、救いの言葉を 。
大人気ないけど 、俺は気がついたら 泣いていた 。
少年はさらに心配そうな 、不安そうな表情で 「 大丈夫 ?」と何度も聞いた
その度に俺は声を上げて泣いた 。
恥ずかしい大人でごめんな 、あの時の少年 。
俺が落ち着いた後 、2人でサッカーを した 。
散々サッカーやって疲れきったわ 笑
でも楽しかったなぁ 。
で 、なんか意気投合した俺らは
また会おうな と約束を交わした 。
辺りがオレンジ色に染まり 、もうすぐ暗くなる 。
暗い夜道は子供にとって危険だろう 。
俺は 、少年を家まで送ってやろうと 考えた 。
少年は相変わらずリフティングを続けている 。
「 そろそろ 家に帰ろか !」
そう言うと少年は
「 やだよ !! まだおに ー さんと遊ぶんだもん!!」
なんて言って駄々を捏ねだした 。
「 はよ帰らなお母さん心配するで ? もう暗くなるし 、俺が家まで送るわ 」
と言うと 、少年は
「 送ってくれるんだったら 帰ろっかな 」
と 、少し納得のいかなそうに答えた 。
2人で肩を並べながら歩く 。
まさか 、子供に救われるなんて思ってもなかったな 、笑
またこの少年に会うためにも 、少しだけ 、生きてみるか
そう思った 。
やっと生きようかなって思ってたのにな
「 あっ ぼーる … ! まってっ !」
少年のボールが道路に飛び出す
それに引っ張られるように少年も道路に飛び出す 。
左側から車がスピードを落とすことなく やって来る 。
小さい少年のことが見えてないようだ
このままだと 、少年が車に轢かれて …
まだ未来ある少年が 、?
そんなの … 嫌だ … !
キキーッ ドンッ
乾いた音がした 。
俺の目の前で少年が立ち尽くしている
あぁ 、少年 、無事そうやな 、笑
そう思っているうちに頭の方がだんだん温かくなってくる 。
目の前にある地面が赤く 、赤く 染まっていく 。
身体のあちこちが 、痛い 。 痛すぎて 、動かせない 。
少年が泣いている 。
「 大丈夫 、死なへんよ 笑 」
これが嘘になるだなんてとっくに分かっていたが 、
取り敢えず 、安心させたかった 。
人々のざわめき 、サイレンの音
五月蝿いなぁ 笑
でも 、かっこいい終わり方なんちゃうか ? 笑
な ー んて呑気に考えてたら
だんだん意識が遠のいていって 、
次に目が覚めた時には
俺の目の前に俺がいて 、
その俺は 、静かに眠っていた 。
まわりには誰もいない 。
やっぱり 、俺がいなくなっても 、悲しむ人なんていなかったんだと
再認識させられて 、胸糞が悪い 。
折角かっけぇ感じで人生終わったと 思ったのに 。
まぁでも 、かっこよく人生終えられたのに変わりはないな 笑
あの少年 、結局怪我とかしてないやろか 、
無事であってほしいわ 。
それにしても 、いつまでも眠っている俺を見るのも飽きてしまうものだ 。
この体なら 、何処か好きなところでも行けるのではないか
そう思い 、眠っている俺に軽く挨拶をして 、
窓から出てった 。 ふわふわと宙に浮かぶことが出来た 。
結構楽しかったで ? だって 、空飛べるんやもん 。
その後 、じゃぱぱ達が来た心霊スポットって言われてる場所に辿り着いて 、
そこにいた幽霊達と仲良くなって 、
なんで俺らって天国とか行かんかったんやろか とか
いろいろ話したな 、
意外とね 、同い年くらいの幽霊もいる訳だから 、話が弾んだわ 笑
なんか 、死んだ後の方が楽しいかもしれんな 、笑
でも 、ず ー っとそこおっても 、 暇やん ?
せやから 、じゃぱぱについてったって訳よ !
やっぱ 、幽霊も元は人間やし 、人と 話したくなってくるんよ 笑
… これが俺の昔話や
あんま重く受け取らんといてや !?
あくまでも 、昔の話 、
今はいろいろと楽しいで ?
聞いてくれて 、ありがとうな 。