オーター
ここはどこだ?

鬼
ククク。

オーター
⁉︎

鬼
こんな所に特上のメシが居るじゃねえか。

オーター
(何だこいつは。魔物?今まで見た事がない。)

オーター
・・・・・・。

鬼
んー?どうした。
恐ろしくて声も出ねえか。

オーター
・・・・・。

鬼
まあ無理もねぇ。
なんたって俺様は人喰い鬼だからなぁ!

オーター
(人喰い鬼?鬼は東洋の物語に出てくる空想の生物ではなかったか?
しかし、自ら正体を明かすとは・・・この鬼とやら、馬鹿なのか?)

鬼
俺様は今腹が減って腹が減って仕方がないんだ。
つーわけで、

鬼
いただきまーす!

オーター
サンズ。

鬼
ギャッ!

鬼
う、うう。

オーター
(傷が、治っていく。)

鬼
ちくしょう!
何だお前は!
鬼狩りでもない
ただの人間の癖に妙な術を使いやがって!

オーター
(・・・鬼狩り?)

鬼
人間は無駄な抵抗せず
大人しく喰われてりゃいいんだよう!!

オーター
・・・・!

傷が治り怒り狂った鬼が
オーターに再び襲いかかった。
????
炎の呼吸 壱の型

????
不知火

凛々しい声が聞こえたと同時に、炎をまとった一太刀が鬼の首を切り落とした。
そして、そのまま鬼は再生する事なく塵と
なって消えていった。
オーター
(私の魔法でもかなわなかったというのに、こうも簡単に倒すとは。一体何者なんだ?)

????
眼鏡の君!

オーター
・・・はい。

????
怪我は無いか?

オーター
ありません。助けていただきありがとうございました。

????
うむ、そうか!
それは良かった!

????
礼にはおよばん!人を守り
鬼を斬るのは鬼殺隊の仕事だからな!

オーター
(鬼殺隊?)

オーター
失礼ですが貴方は?

????
俺は

煉獄
鬼殺隊 炎柱・煉獄杏寿郎だ。

煉獄
君は何という名だ?

オーター
オーター・マドルです。

煉獄
オーダー。

オーター
オーダーではなく、
オーターです。

煉獄
それは失礼した。オーター。

煉獄
それで君はこんな所で一体何をしていたんだ?
夜に一人で外を出歩くのは危険だぞ!

オーター
それは、

オーター
(いや待て。)

オーター
(理由を話したところで、
果たして信じてもらえるだろうか?)

オーター
・・・・・。

煉獄
む、どうした?

オーター
理由を話したところで貴方に信じてもらえるとは思えない。

煉獄
そんなの聞いてみなければ分からん。話すだけ話してみてくれないか?

オーター
・・・・

煉獄
・・・・

オーター
分かりました。
実は…

煉獄
ふむ、なるほど。

煉獄
君は魔法使いで
こことは違う別の世界から
来た、そういう事だな。

オーター
はい。

煉獄
うむ!君の事情は分かった。

オーター
随分あっさり信じますね。
私が敵かもしれないとは思わないのですか?

煉獄
確かに君の言う通りだ。
だが、君は鬼に襲われていたし、俺には君が嘘をつくような人間には見えないからな。

オーター
お人好しですね、貴方。
助けられた身で言うのもなんですが、貴方そのうち身を滅ぼしますよ。

煉獄
うむ!肝に銘じておこう!
では行こうか。

オーター
行くってどこへです?

煉獄
鬼殺隊本部だ。

オーター
鬼殺隊本部、ですか。

煉獄
ああ。
そこでお館様に任務完了の報告とオーター、君の事を話そうと思ってな。

オーター
・・・・

煉獄
案ずる事はない。お館様は器のでかいお方だ。
君をけっして悪いようにはしないだろう。

煉獄
それにだ。
オーター、君は話を聞く限り行くあてもないのだろう?

オーター
・・・・ええ。

煉獄
ならば、このまま俺と一緒に来た方が利口だと思うのだが。

オーター
・・・・・そうですね。
煉獄さん、貴方のおっしゃる通りです。

オーター
分かりました。
貴方と共に行きます。

煉獄
そうか!
そうと決まれば早く行こう。
こっちだ。

オーター
はい。
