時は経ち,二年後
カタカタカタ
安曇
ふぅ
安曇
取り敢えず今日の仕事は終わりだ
安曇
んー
太宰
やあ安曇
安曇
おや、太宰さん
安曇
こんな処迄何をしに?
太宰
もう仕事は終わりかい
安曇
はい
太宰
一寸酒場にでも行こうと思ってね
安曇
いいですよ
太宰
私の友人もいるけどいい?
安曇
勿論です
太宰
では早速行こうか
太宰
着いたよ
安曇
(ルパンというのか)
安吾
遅いですよ太宰君
安吾
約束した時間から二十分も過ぎています
太宰
相変わらずせッかちだね
安吾
抑も君が読んだんですからね
織田作
後ろの子が噂の安曇か?
太宰
そうだよ
安曇
宜しくお願いします
太宰
私の隣に座るといい
安曇
はい
太宰
マスター私ウイスキーね
安曇
私ジンジャエールで
安吾
では改めて紹介しましょう
安吾
僕の名前は坂口安吾です
織田作
俺は織田作之助だ
安曇
安曇です
安曇
改めて宜しくお願いします
織田作
嗚呼
安吾
太宰君の部下とは思えない程礼儀正しいですね
太宰
失礼じゃない
織田作
そうか?
織田作
俺は太宰に似ていると思ッたが
安曇
太宰さんと?何処がです
太宰
安曇も私を何だと思ッているの
織田作
瞳の奥、と云えばいいのか
太宰
あ、続けるんだね
織田作
とにかく、かなり似ていると思うぞ
安曇
そうですか
安吾
随分と大雑把ですね
安吾
そう言えば太宰君は何時も安曇さんの話をしていましたよ
安曇
そうなんですか
太宰
ち、一寸ストップ!
太宰
其れは言わないで呉れ
織田作
そうか?
安曇
(どうせ愚痴だろう)
太宰
もう遅いから安曇は帰ると良い
安曇
わかりました
安曇
本日はありがとうございました
安曇
では、さようなら
太宰
またね
織田作
じゃあな
安吾
さようなら
バタン
太宰
ッはー
太宰
安吾
安吾
すみませんね
太宰
其れにしても安曇可愛くない
安吾
顔は整ッていましたね
太宰
そうじゃないよ
太宰
否、其れもそうだけど
太宰
はあ
太宰
安曇が私のモノになればいいのに
織田作
無理だな
太宰
即答は悲しいね
太宰
二人共安曇の事を如何思ッた
安吾
何と云うか、まるで人形の様でしたね
織田作
俺も同意見だ
太宰
矢ッ張りそう思うかい
太宰
安曇はね、自分の考えを誰にも伝えないんだ
太宰
言われた事は絶対にやる
太宰
マリオネットの様だ
太宰
とても頭がいいというのに
織田作
其れは勿体ないな
安吾
太宰君の部下というのも含めて
太宰
そんなに駄目?私