ち い さ な き み 。

まだまだちいさいきみ。

ひとりじゃなんにも出来ないような年齢で、

ひとりで生きてきたんだね。

すっごく偉いね。

そこら辺の大人たちよりよっぽど頑張ってきたんだよね。

5歳で自分の事をすらすらとお話できるし、初対面の人には敬語だし、

でも、いい教育は受けてないはず。ということは、

うりくんは、親や、周りの大人を反面教師にして自分で自分を成長させてきたんだよ。

俺らは、みんなや親に迷惑をかけて成長してきた。

5歳だよ？この世界にやってきて5年だよ？

俺らの5年なんてあっという間なのに、

うりくんだけは、重みを感じる。

喘息まで持ってるのに、今まで、耐えてきたんだね。

親に相談しなかったんだね。

じゃなくて出来なかったんだよね。

相談なんか出来なくてもいいの。

5歳だもん。普通なら相談することすらないはず。

俺らなら。相談にも乗る。病院だって何回でも行こう。元気になるなら。健康でいれるなら。幸せに生きれるなら。

何だっていいよ。

俺らが、きみの人生を照らす、

"ヒーロー"になるね。

ぴーんぽーん

がちゃ

音でみんな集まってきた

がちゃん

後ろからうりくんを抱き上げる。

うりくんは、涙を流しながら、寝ている。

帰ろう。

怖かったね。

俺はうりくんを抱きかかえて帰った。