モブ
青
びちゃびちゃになった教科書
モブ
青
モブ
モブ
青
モブ
青
僕はその場から立ち去った
授業が終わるチャイム
僕は中庭のベンチに座っていた
サッと草を踏む音が聞こえ、顔を上げる
赤
そこに居たのはいつも笑顔で、桃色髪の奴と一緒にいる奴
それだけ覚えている
手に持ってるのは僕の教科書で
拭かれた後があった
赤
青
そいつは少し止まった後また
赤
笑った
そいつから教科書を奪いとり僕は教室に戻った
脳裏に響き渡る声
それも徐々に遠のいて何も感じなくなる
「アンタなんか産まれて来なきゃ良かったのに」
「さっさと死んでよ」
「なんでこんな奴産んだんだろう」
全ての言葉に謝る
赤
殴られて
蹴られて
叩かれて
キズをつけられて
ふと、自分の教科書が視界に入る
手にとってパラパラと捲れば文字なんて見えなくて真っ黒に染まっている
カッターか何かで切り刻まれていて少し引っ張れば全てのページが床に落ちるだろう
あか~母~
右の頰が熱くなる
その衝動で教科書が床に落ちた
拾おうとしゃがめば狙ったかのように腹に痛みが走った
何度も何度もやられると痛みなんて感じなくなっていく
教科書なんて渡さなきゃ良かった
あの後さとみくんが居ないのを良いことに女子に体育館倉庫に閉じ込められたんだから
気づけば女の人はいなくなっていて俺は自分の部屋に行ってさとみくんに電話をかけた
青
目の前には字も見えない教科書
裏表紙には彼奴の名前
赤
後ろから声がして振り向けばドアに寄りかかった身体中に傷がある彼奴
赤
口角は上がってるのに瞳には光がなくて
こっちを見てるはずなのに何も写っていなかった
そいつは桃髪の声に呼ばれてその場から去った
~ end ~
コメント
11件
あらやだ好きすぎてほんと今日禿げまくってるますわ←日本語どした
すごい心がキュッってなります…、。ほんと理想すぎですっ.ᐟ.ᐟ
ブクマ失礼します 続きとかってありますか?