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織太だよ〜
太宰
太宰は普段呑まないような色をした酒を傾けた
織田
織田は頭の中にはてなを浮かべた
聞いたことがあるような言葉だが、抽象的すぎてわかるようで判らない
その言葉を端的に解釈すれば死に誘惑されるみたいなことだろう
だが太宰はそんな浅いことを云うような男じゃない。織田はそう思い自分のロックグラスを傾ける
太宰
太宰
織田
具体的になったとしても織田のはてなは消えずもう一つ増えそうだった
太宰
太宰
太宰
太宰
太宰は腕をうんと伸ばして背伸びをした
太宰
太宰
太宰
太宰
織田
太宰
太宰
太宰の濁った瞳に一瞬純乎たる光が灯った
それは一瞬にして不純物が混ざり、光を失ってしまいそうなほどに繊細で、美しい光
織田はその光に目を奪われ、太宰をじっと見つめた
太宰
織田
太宰
太宰
太宰
太宰
太宰
織田は静かに太宰から目を離し又、ロックグラスを傾けた
織田のグラスに入った透明な氷が金剛石のように光を反射させその光は織田の瞳に吸収され消える
儚げな表情を浮かべる太宰に織田は顔を向けなかった
織田
太宰
太宰は自分のせいで重くなった空気を軽くしょうと冗談を云う
太宰
太宰
その時の、太宰は死に誘惑された少女というより死よりも抽象的な何かに落ちた少女の様な表情をした。
織田は太宰のその表情を見過ごさなかった
太宰はアルコール度数の高いカクテルを口の中に少し含み、織田の指に自身の指を絡める
空いている片手でそっと織田の胸に手を当てた
織田右手で優しく太宰の頭を持って、彼の淡い桃色の唇を静に塞いだ
太宰の口内に含まれた甘酸っぱいカクテルが織田の口内にも流れ込むとそれを飲み込む
口を離した太宰の顔では此世の何よりも、甘美で、誘惑的で、少しばかり悲しかった
太宰は織田に魅惑され、織田は太宰に魅惑され
二人は恋の誘惑に落ちて、落ちて、落ちてゆく
太宰
太宰
太宰
太宰
太宰
太宰