公園のベンチで、フェリックスは
リリーちゃんに向かって質問を続けた。
フェリックス
あなたはミミちゃんが高価な
キーホルダーを持っていたと
言っていましたね

りりーちゃん
はい

フェリックス
それは鞄のどの辺りに
付いていましたか?

りりーちゃん
えっと...確かこの辺り

リリーちゃんは少し考えて
鞄のポケットの辺りを指さした。
フェリックス
それは確かですか?

りりーちゃん
はい

フェリックス
おかしいですね。アイスクリーム屋の店長に聞いたところ
、ミミちゃんの鞄には高価なキーホルダーは
付いていなかったと証言していましたが

りりーちゃん
えっと...店長が私たちの鞄まで見てはいないと思いますが

フェリックス
いえ、あの店長さんはあなたたちのことを
他の常連さんよりもよく覚えているようでしたよ。
なんでも、可愛い子はしっかり覚えているとか

りりーちゃん
そう...ですか

フェリックス
そのキーホルダーはミミちゃんの
ご両親も知らないようでした、
見たことがないと

フェリックス
そのキーホルダーを見たのは
リリーちゃんだけなんです。

りりーちゃん
私が嘘をついていると?

フェリックス
いいえ、キーホルダーは
あなた達の目の前に確かにあった。
でも持ち主はミミちゃんではなく..

フェリックス
リリーちゃん、あなたが
ミミちゃんに金のキーホルダーを
渡しましたね

りりーちゃん
わ、私が?

リリーちゃんは言葉を失い、
フェリックスは冷静に続けた
フェリックス
さらにもうひとつ、リリーちゃんの
お父さんとの対話の中で
気がかりな部分がありました。

フェリックス
お父さんはリリーちゃんが
ある手紙を読んで悲しんでいるのを
見たと言っていました

フェリックス
手紙は恐らくミミちゃんからのもので、
別れを告げる内容だったのではないかと。
話してくれました。

りりーちゃん
あの手紙は違います

フェリックス
では、誰から送られてきた手紙ですか?

りりーちゃん
知りません、
名前が書いてなかったから

ワトリー
りりーちゃん、実はミミちゃんの
他にも失踪している子がいたのだ。。

ワトリー
ご両親から話を聞くと、
あて名の無い不審な手紙が隠されていたのだ

フェリックス
その手紙にはこう書いてありました

「選ばれし猫よ、金の鍵を持て、
隠された真実が明かされる。
新月の夜、深き闇の時
人間界の門が開き、
夢が現実を超える時が来る。」
フェリックス
その手紙には人間界の門が開くと書いてあります。

フェリックス
新月はミミちゃんが失踪した日

フェリックス
おそらくリリーちゃんの手紙も同じような内容だったのでは?

フェリックス
ミミちゃんに人間のエドワードにどうしても
会いたいという話を聞いたあなたは、
ミミちゃんにキーホルダーを渡した。
それがあれば人間の世界へ行けると信じて。

りりーちゃん
そんなのデタラメよ
私は何も知らない

リリーちゃんは必死に否定しようとした。
しかし、フェリックスの目は彼女の言葉を
信じることなく、真実へと近づいていると確信していた。
つづく