お待たせしました
雑談部屋で匂わせてた 長編です
余命系・死ネタ
黄
黄
ここ最近 体調が万全でない日々が 続いている
今日も少し体が重いような気もしたが
発熱はしていないし まぁ大丈夫だろうという 軽い気持ちでオフィスに向かった
黄
普段乗り物酔いは あまりしないタイプなのだが 少し前から電車に乗ると 気分が優れなくなった
電車の揺れもあるだろうが 人が多いというのも 最近の僕にとっては 苦手な環境だった
目を閉じて マスクの下で 呼吸を落ち着かせるように 小さく深呼吸をする
もぶ
もぶ
黄
もぶ
黄
黄
もぶ
黄
見知らぬ女性に席を譲られるほど 傍から見ても僕の顔色は 悪いらしい
座席に座って再び目を閉じたが 眠りにつくことは出来ず そのまま最寄り駅に到着した
黄
電車から降りる頃には かなり意識が朦朧としていたが
こんな道中で倒れる訳にはいかない
黄
オフィスに着くとそこにはちょうど さとみくんところちゃん、 そして複数のスタッフさんが居た
僕は知っている顔を見て安心し その場で意識を手放した
青
桃
桃
青
桃
青
桃
赤
紫
あれから数時間
医者に措置をしてもらい あとは目覚めるのを待つことしかできない
ころんを宥める俺と 莉犬を宥めるなーくん
そして仕事の都合で たまたま東京に来ていたらしい ジェルに連絡をして 到着を待つ
橙
桃
橙
桃
橙
ずっと前から 俺のボケによく笑ってくれた人
それがるぅちゃん
それなのに 今ここに居るるぅちゃんは ただ無表情で眠っているだけ
医者
紫
医者
医者
医者
医者
医者
医者
隣の莉犬くんの目から 涙が落ちるのが分かった
看護師
医者と看護師は そそくさと病室を後にし
その場には沈黙が流れる
青
桃
紫
1人になりたくて 外に出たのに
どこまでもさとみくんが あとを付けてくる
青
桃
青
桃
青
桃
放っておいて欲しい なんていっても 日本語が通じなそうなので 諦めてベンチに座る
そして隣に腰をかけるさとみくん
お互い何も話さない
青
青
桃
桃
青
桃
桃
青
青
桃
桃
青
桃
プルルル
桃
青
桃
桃
桃
青
桃
桃
青
桃
青
目が覚めて 一番最初に目に入ったのは 白い天井
黄
紫
聞き覚えのある 優しい声
黄
赤
黄
紫
橙
黄
何が起こっているのか 分からないが
今僕は病院のベッドに 居るらしい
そのままお医者さんと 看護師さんが来て
少し話を、ということで 病室を後にした
医者
黄
医者
黄
医者
医者
黄
医者
黄
医者
医者
黄
医者
医者
医者
黄
そんな急に 病気とか手術とか言われても 分からないよ
黄
黄
医者
医者
黄
医者
僕が病室に戻る頃には 先程まで居なかった さとみくんところちゃんも居た
紫
黄
紫
黄
黄
桃
桃
橙
青
赤
4人が一気に居なくなり 急に寂しくなる病室
言葉を口にするより先に 涙が出てきそうで
上手く伝えられる自信もない
紫
黄
黄
先程医者に伝えられたことを なるべくそのまま なーくんに伝える
時々相槌を打ちながら 最後まで優しく 話を聞いてくれた
紫
紫
黄
正直な気持ちを 打ち明けようと 軽く深呼吸をする
黄
黄
黄
黄
紫
違う
そんなことは分かっている
僕はそんな正論が 聞きたいわけじゃない
グループに誘って 僕の人生を変えてくれた なーくんだったら
僕に生きる理由となるような 言葉を送ってくれるかなと 期待していたのに
紫
紫
紫
紫
黄
黄
紫
紫
黄
あれからメンバーは みんな帰ってしまい
僕は少し悩んだ末 結論を出した
黄
黄
医者
可能性は低くても 少しでも希望があるのなら
むしろ 生きていても 音楽ができないくらいなら
いっそ手術で 死んでしまった方が良い
次の日 僕はメンバーを呼び出して 手術のことを話した
黄
黄
黄
黄
紫
紫
橙
赤
橙
赤
黄
青
青
赤
赤
黄
その後少しずつ メンバーは各自帰って行き
残るはさとみくんだけとなった
そういえばさとみくんは 他のメンバーが居る時 なにも言葉を発さなかった
桃
桃
黄
桃
桃
黄
黄
桃
桃
黄
それだけ言い残して 部屋を出ようと ドアの方向へ向かうさとみくん
黄
僕が呼びかけると さとみくんは一言
桃
桃
桃
黄
今度はついに 部屋を出ていってしまった
病室には 僕一人が取り残される
いつから見透かされていたのだろう
僕が恋をしていたことを
突然スマホから通知音が鳴り 画面を覗くと LINEが来ていた
緑(📣)
緑(📣)
緑(📣)
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緑(📣)
黄
緑(📣)
緑(📣)
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緑(📣)
緑(📣)
黄
緑(📣)
緑(📣)
黄
緑(📣)
黄
それからというもの
来る日も来る日も、 グループや事務所のメンバーか それぞれ不定期に お見舞いに来てくれ
病室に僕以外 誰も居ないという日は無かった
青
今日は朝からころちゃんが 僕の隣に居る
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青
青
黄
青
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黄
青
青
青
黄
僕の手をぎゅっと握るころちゃん
青
そんなことされたら 僕の恋心が大丈夫じゃない
黄
青
青
黄
青
黄
青
想いを伝えなきゃ 後悔するかもしれない
というより
後悔するより先に 死んでしまうかもしれない
僕にもうひと握りの勇気があれば この想いを声に出来るのに
その日の午後
ころちゃんと入れ替わるように さとみくんがやって来た
桃
黄
桃
黄
桃
黄
黄
黄
桃
桃
黄
桃
桃
黄
桃
桃
黄
黄
桃
黄
黄
桃
桃
黄
桃
桃
桃
遂にやってきた 手術の日
さとみくんの言葉を聞いてから 気付けば僕は ころちゃんのことばかり 考えていた
紫
橙
赤
桃
黄
黄
黄
黄
そう言って僕は それぞれのメンバーカラーの封筒に入れた手紙を 一人一人渡していく
最後に僕の手に残ったのは 水色の封筒
黄
青
桃
小さくさとみくんが ころちゃんに耳打ちするのが聞こえる
青
青
期待が高まる
こんなタイミングで ドキドキさせないでよ
青
互いの目から 涙が零れる
黄
黄
黄
青
桃
橙
黄
黄
赤
青
それ以降 俺らとるぅとが会うことは無かった
るぅとから貰ったピンクの封筒を開けることは
この世からるぅとが消えたことを 認めてしまうみたいで しばらく中身を見ることが出来なかった
桃
あれから数週間して 俺は初めてその手紙を読んだ
さとみくんへ 今までありがとうございました。 さとみくんと初めて会う時、僕はまだ高校生だったから 実年齢的にも精神年齢的にも さとみくんはお兄さんすぎて緊張してたなぁ でもいざ関わってみたら、 意外と気兼ねなく話してくれるタイプだし ストイックで完璧な男って感じだと思ってたら変なとこ抜けてておちゃめだし 僕より全然マイペースだし… 僕、初対面で優しくしてくれる人とか意外と関わりやすいなって人にすぐほれちゃうんだけど さとみくんはその典型的な例だったよ。笑 さとみくんはね、 僕には無いものをたくさん持ってて だから僕はさとみくんに対しては メンバーとか友達として 好き っていうより 尊敬というか、憧れが強かった。 僕は夢見がちだけどさとみくんは現実主義で、 僕はすぐいっぱいいっぱいになって爆発しちゃうけどさとみくんは自分と向き合うのが上手で 正反対なようだけど 僕もさとみくんも理想が高いところとか 完璧主義なところとか 変なところは似てて それが理由か分からないけど 最年長と最年少という 1番離れた位置にいるはずなのに さとみくんと居るとなんとなく落ち着く 僕は色んなことをネガティブにとらえがちだったから 良くも悪くも現実的なさとみくんの言葉に気付かされることが多かったな。 僕が死んじゃうかもって話をした時 さとみくんが何も言わずに下向いて泣いてたの ほんとさとみくんらしいなって。 きっと今何か言葉に出して話したら涙が止まらなくなっちゃうんだろうなって、 さっきも言ったけど 僕たち変なところは似てるから分かるんだよ いつかさとみくんみたいに大人な人になりたいって思ってたけど それも叶うことなんて無いんだね 追いつきたかったのに、 さとみくんがどんどんかっこよくなるんだもん。 そんなさとみくんが 僕の命ひとつで泣いてるの見て 「僕が居なくなることをさみしく思ってくれるんだ」って 人が泣いてるところを見てこんなこと思う僕は最低だけど ちょっと嬉しかったのは秘密ね。 …あと、 恋愛相談も乗ってくれてありがと。 おかげで人生の最期で今までいちばんの青春できたよ。 るぅとより
なーくんへ 今までたくさんお世話になりました。 取り柄のなかった僕を すとぷりに誘ってくれたこと、 僕の人生の中で大切な決断をする時に 一番近くで話を聞いてくれたこと 本当に感謝しています。 僕がすとぷりメンバーに入っていなくても きっと音楽の道に進んでいたことは変わりないのだけれど こんなにも好きをさらけだして 自分の言葉で 大好きな音楽を届けることは きっとなーくんが僕に声をかけてくれなければ叶わなかったことです。 僕の作曲人生においてなーくんは本当に大切な存在でした。 だからこそ なーくんが犯した罪を知ったあの夜 裏方に徹することを許して欲しいと頭を下げられたあの日 「今までなーくんの何を信じていたんだろう」 そんな感覚を鮮明に覚えています。 なーくんが個人として活動を再開すると発表した時、 僕はきっとメンバーの中で 一番素直に「おかえり」が言えませんでした。 今でも許してなんかない。恨んでます。 でも、すとぷりのるぅととしての姿があったのも たくさんの人に愛してもらえたのも 何度も最高の景色を見れたのも 紛れもなくなーくんのおかげです。 最期に伝える想いがこんなにも怒りにあふれててごめんなさい。 もしまた会う機会があったら 今度は素直に、純粋な感謝だけを伝えさせてね。 僕、リスナーさんと約束したんです 僕がすとぷりを守る。終わらせない。 でもその約束は僕には果たせそうにないから、代わりに果たしてください。 僕がいなくなってもどうかすとぷりを終わらせないで。 一人の人間としてのなーくんはもう信用しがたいけど リーダーとしてのなーくんは ずっと信じてます。約束だよ。 るぅとより
ジェルくんへ 今までありがとう。 ジェルくんの第一印象は面白い人 でも関わっていくうちにすごく優しい人なんだって気付いた。 僕も考えすぎちゃう性格だから すぐネガティブになったりするんだけど、 きっとジェルくんはそれを見抜いた上で僕の隣でバカしてくれてたんだよね。 ジェルくんと一緒にいると本当に笑いが絶えなくて 太陽みたいなジェルくんは世界一オレンジが似合うよ。 ジェルくんの機嫌悪いところとか見たことないし、感情が爆発することも少ないけど いつも平均値以上のテンションを保っているところ 多くの人に好かれる素敵な人格だと思ってます。 ジェルくんが沢山迷って 本音を話してくれたあの夏 僕は正直とっても不安だったし それはジェルくん本人も、他のメンバーもきっと同じだった。 でも今までジェルくんにたくさん笑わせてもらって、助けてもらったから 今度は僕が ジェルくんが安心して僕らにすとぷりを任せて いつか笑顔を咲かせてくれる日を、って思いで作り上げてきた。 僕はジェルくんのことお兄ちゃんみたいな人だと思ってる そりゃ僕から見たらすとぷりメンバーはみんなお兄ちゃんなんだけど、 ジェルくんと絡む時っていつも優しい兄的な暖かい空気があって 頭おかしいイジりされる時もあったしほんと変態だけどそれも含めて楽しかったなって。 たくさんの笑いをありがとう 「いちばん 笑顔を見た人 になりたい」 ってジェルくんの素敵な夢 きっと叶ってる。 またジェルくんがすとぷりメンバーや 大切なリスナーさんと笑いあっている姿を 空から見守れる日を楽しみにしてます。 るぅとより
莉犬へ 今までたくさんありがとう 初めて莉犬と会った時の印象は 僕とは正反対の人 初対面で緊張してた僕の心を和ませてくれた。 莉犬と僕は同い年で数ヶ月しか変わらないのに 莉犬は人間として出来上がってるというか 自分をしっかり持ってるなって思ってたよ。 でも何気ない話でいちばん盛り上がるのは莉犬で、 やっぱり同い年なんだなって笑 莉犬はいつも明るくて 辛いことがあっても笑って吹き飛ばしちゃうような性格だけど 本当は繊細な一面もあって 繊細な部分があるからこそ ただポジティブなだけじゃなくて 人の心の痛みが分かってて だから色んな人に寄り添えるんだろうなって思うよ そんな莉犬だから たくさんの後輩に慕われて リスナーさんに愛されるんだろうなぁ 前に莉犬が 「俺が大切にしようと思った人は みんな居なくなっちゃう」 って言ってた時 僕は莉犬にとって大切な存在になれたんだって思ってた。 傍に居れなくてごめん。 でも莉犬はひとりじゃない メンバーとリスナーさんを これからも大切にしてあげてね。 そしてたまには 僕のことも思い出してくれたら嬉しいな…なんて。 大好きだよ。 るぅとより
ころちゃんへ 今までありがとうございました、 なんて言うと本当にもう会えないんじゃないかって泣きそうだけど この手紙を読んでるころちゃんはきっと もっと泣いてるんでしょうね むしろ 泣いていてくれた方が 僕を大切に思ってくれていた証拠だから嬉しいんですけど、笑 僕がヒカリエで倒れた時 何となく聴覚は残ってて ころちゃんの声がいちばん鮮明に聞こえました。 むしろ 本能的に聞こうとしていたのかも、 ころちゃんの声が聞こえなくなる=死ぬ みたいなことを無意識に感じてたんだと思います ころちゃんと一緒にいる時間が僕は幸せだったし、 この人生に後悔はしていません。 でも一つだけわがままが許されるのなら ころちゃんの恋人になりたかった。 好きになったきっかけは分かりません、 というより 人を好きになるのに理由なんて要らない …って、 僕の尊敬する人が言ってました笑 お調子者のムードメーカーで でも根は優しい、 そんなころちゃんに僕は 僕自身も気付かぬうちに恋をしていました。 僕の恋が叶うことなんてないけれど ころちゃんが僕以上に誰かと幸せになってくれれば僕はそれで十分です。 ずっと大好きでした。 君の一生分の幸せを願い続けてる るぅとより
コメント
37件
言葉使いめちゃくちゃ上手くて好きです! フォロー失礼しますm(_ _)m
ねーーーー!!!! 手術の話が出たところで泣きかけて最後の手紙で大号泣です 明日目腫れちゃうじゃないっすかゆゆさーーーーん!!!🥹🥹 全員の言ってることとか態度とか手紙とか全部 想像出来すぎてなんかもう怖いです(?) 神作をありがとうございます
なんか…るぅとくんがみんなにお手紙書くとしたらほんとにこんな感じのことを書くんだろうなって思いました✨ ゆゆさんがるぅとくんのこと沢山見守ってる証拠なんだなぁと思います 莉犬くんの「俺の大切な人はみんな居なくなっちゃう」って言う言葉もやばかったですが、ころちゃんのお手紙の最後にStars and Prayersの一節があって涙腺が危なかったです笑 素敵な作品ありがとうございます!