テラーノベル
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あるアパートの一角
そこには大好きな彼を喜ばせたいと 服と奮闘中の可愛らしい人が住んでいる。
natsu
暖かい暖房で包まれてる部屋の中、 なつはソファに置かれた乱雑な服を見ていた。
natsu
natsu
natsu
優柔不断な自分が嫌になり、 服ばかり敷かれてるソファに頭を預けた。
natsu
natsu
そんな事をブツブツと言いながら 未だに決まらない自分の服
モコモコしてたりチクチクしてたり、 そんな感触を顔に感じながらまだ頭を悩ませる。
natsu
悩ませていた頭をあげて足を引きずりながら動く
ソファの手すりに置かれた ある大切なものが目に写り、手に取った。
natsu
それは、今日まで大切に保管してた紺色の手袋
彼から貰った大切なクリスマスプレゼント
natsu
彼を思い出し無意識に口元に抑え、 まるで恋する乙女のように照れてしまう
まだ新品な手袋を親指でなぞり、 モコモコな優しい手触りを楽しんでいた。
natsu
natsu
と言っても毎回彼は遅れて来るため、 何もそこまで急がなくても平気なのだが
今日までに買っておいた新しい服や いつも着ている服をもう一度眺め始めた。
natsu
服を選びながら去年のクリスマスを思い出す
去年のクリスマスは確か、 メンバー全員が忙しくて何もしていなかった。
世間はパーティーやらデートやらしてる中、 パソコンの前で作業して独り言を話してる ブラック企業な俺ら。
そんなクリスマスが過ぎ、 山のようにあった仕事を終わらせた後に、 リーダーからクリスマス兼忘年会を提案された。
kosame_ameno
mikoto
natsu
LAN
Illma
suchi
mikoto
kosame_ameno
natsu
mikoto
mikoto
mikoto
LAN
嫌々ながらも居酒屋のお酒の匂いに酔い みことも俺らもノってきていた。
みことのややおかしくて長々とした前置きを聞き、 手に持った酒やジュースのジョッキを6人で鳴らした
LAN
natsu
LAN
natsu
Illma
LAN
LAN
natsu
大丈夫だと言ってもまだ不安そうに こちらを見るらん
そりゃあそうだ
俺はいるまに対して長年の恋を抱いていたから。
誰にも言えなくて、ずっと隠し通してきた恋心
唯一俺の親友で相棒でもあるこさめに 恋愛相談に付き合ってくれていた。
suchi
kosame_ameno
LAN
でも会議中にみんなの前で、いるまがいる場で、 こさめは口を滑らせてしまった。
本当は冗談だと言えばよかったのに その場の空気が冷たくて声が出なかった。
俺はこの場にいるのが嫌になって、 会議から抜け出し逃げたんだっけ、
LAN
LAN
natsu
LAN
natsu
でも、いるまはそのまま俺の家に凸って来た
彼の小癪な悪あがきが、 何に対しても諦めていた俺を捕まえさせた
そんで、無理やり俺に告白をさせた。
泣きじゃくりすぎて 何を言ってるか分からなかったはずなのに、
それでも、真剣に話を聞いてくれた彼
natsu
Illma
kosame_ameno
suchi
mikoto
kosame_ameno
natsu
LAN
kosame_ameno
Illma
kosame_ameno
mikoto
俺の前で楽しそうに話す彼を横目で 見つめながら愛おしく感じる。
こんなかっこよくて頼れる大好きな彼が 俺の恋人だなんて
今でも、夢に見てるような感覚だった
トントン…
natsu
Illma
俺が見てるのをバレたのか 机の下にある足を優しく蹴られた。
おもしろおかしく笑ってる彼を見て 俺の顔が少しだけ赤く染まる
誰にもバレない2人だけの内緒の行為が 俺の胸を掻き乱してくる
LAN
Illma
LAN
Illma
natsu
LAN
mikoto
Illma
suchi
LAN
kosame_ameno
Illma
natsu
suchi
mikoto
Illma
そんな簡単に言うなよ
そりゃあそうだろ
好きな人から言われたらって 考えたら普通はそうなるだろ…
LAN
Illma
Illma
natsu
Illma
kosame_ameno
LAN
natsu
Illma
Illma
Illma
natsu
mikoto
suchi
kosame_ameno
LAN
Illma
たった一言の誘いで一気に騒がしくなるメンバー
酒の酔いなのか恥ずかしいのか 少し顔が赤くなってるいるまを見て
前者だと、俺はそう信じ込んだ
そうして活動の事や出来事を話しながら笑って、 1人は何故か泣き始めてはまた騒ぎ合う
奢りのジャンケンで負けたこさめの会計を 待ちながら冷たい外の空気を顔に当てる
suchi
LAN
natsu
kosame_ameno
Illma
kosame_ameno
mikoto
ずっとみことに擦り付けてるこさめや、 五月蝿くてさっきまで泣いてた様子が見えない程 元気になってるらんを置いておく
suchi
Illma
Illma
suchi
LAN
suchi
kosame_ameno
mikoto
Illma
3ペアに別れて帰ることに決まり、他の4人と別れた
Illma
natsu
natsu
Illma
natsu
そう聞いてもいるまは無視し、先へ進んでく
その背中に着いて行ったら、 きっと俺が頭に浮かんでる行為が始まるのだろう
キスの先が仕事や都合で中々進めなかったから 気を緩んでた今、余計に緊張し始める
natsu
タッ…
それでも、俺は彼に着いて行った
俺の前を歩くいるまに着いてきながら 暗く寒い帰り道を歩いてく
さっきまで冷たくて気持ち良かった外は いつの間に身体が冷えて寒くなっていた。
natsu
Illma
俺の前にいるいるまは振り向いて 手を差し伸べてくれた。
その手を掴むと暖かくて俺の冷たい手に染みていく
Illma
Illma
natsu
Illma
そう言って沈黙が流れてしまった
でも全然気まずくもなくて、 この時間が続いてしまいたいと思う程
お互い、強く手を握っていた
今は絶対に手放したくなかった
Illma
natsu
Illma
そう言われ、右のポケットに入れてた スマホを取りだして時間を見る。
ちょうど日付が変わり、深夜を回っていた
natsu
そう言うといるまはいきなり立ち止まった
思わず彼の背中に身体がぶつかってしまう
natsu
そう聞く前にいるまは俺の手を握ったまま 後ろを向き歩き出した
家とは真逆の方向へとUターンし、 俺はそのまま連れてかれる
natsu
Illma
natsu
Illma
natsu
Illma
natsu
Illma
natsu
イタズラが成功したように 笑っている餓鬼みたいな奴
彼に騙された腹いせに、その背中にど突きたくなる
Illma
natsu
Illma
その割には、俺の事を気遣ってくれて
そんなとこが、俺の心を射抜いたんだろう
Illma
natsu
手を握ったまま離さないいるまに、 俺は諦めて彼について行った
歩いて向かったのは近くのイルミネーション
クリスマスを過ぎたのに 未だに飾られてある装飾達
natsu
Illma
今は冬、寒い真夜中で空は黒い雲で 覆われているけど
そんな夜でも光り輝く星みたいに、 俺のハイライトのない目に映り込んでいた
Illma
natsu
いつの間にかいるまの手は離れていた
それでも、彼がくれた暖かい温度は 俺の手に残っている
イルミネーションで装飾された木が並ぶ 一本道を2人で歩いて行く
Illma
natsu
Illma
彼の手には紙で包装されたプレゼントがあった
どこから出したのか疑問に思いながらも手に取った
natsu
Illma
綺麗にラッピングされてある リボンを解き、丁寧に開けていく
natsu
Illma
中に入っていたのは紺色の手袋だった
自分のメンカラでも俺の色でもない 無地のシンプルな手袋
natsu
Illma
少し怒ったのか俺に背中を向けてしまった
弄るのが楽しい俺はそんな彼に笑いながら 彼から貰った手袋をはめてみる
natsu
Illma
natsu
Illma
思ったよりすっぽりと入っては、 指の先には空間がある
遠くから見たら自分の手が大きく見える
いるまはまた俺の方に振り向いては 手袋をはめた俺の手を握る
Illma
natsu
街中で指を引っ張り、それを止めようと叩いてる 成人男性2人がイチャつく姿
夜中でも人は少ないこの街は今の俺らに合っていた
Illma
natsu
イチャついてると、黄色い目が合った
それだけで、身体が硬直したように動かなくなる
目を逸らそうと下を向くが、 いるまの両手が俺の頭を掴み顔を見られる
natsu
Illma
Illma
耳に彼のまだ暖かい手に触れていて、 目の前にはクスクスと笑ういるまの姿がある
俺にしか言わない、彼からくれる愛言葉
それだけでも単純な俺はきっと、 今顔が赤いんだろう
Illma
natsu
周りの音が聞こえない
さっきまで目に写った イルミネーションの光も見えなくなる
俺がどんな顔をしてるかも、 きっと彼の瞳を見なきゃ分からないだろう。
ただ、いきなりで驚いてしまって 反射的に目をギュッと瞑るのに必死だった
natsu
Illma
natsu
Illma
何を言ってもそれしか言わねぇだろうな
嬉しさと恥ずかしさのあまり、 触れた口元を抑えてしまう
Illma
natsu
まだ優しい笑顔を向けるいるまを見れなかった
そんな去年のクリスマスを思い出しながら なんとか自分が納得できるフルコーデができ、 鏡の前で全身を眺める。
前髪は整わずあえていつも通りのストレートに 左側に72のピンを付けて、
荷物を持ち手袋で見えなくなるけど、 彼から貰った指輪達をはめていく。
natsu
そしてソファに放り出された手袋をはめた
natsu
natsu
去年はぶかぶかだと言って弄ってた手袋が 何故かぴったりになっていた
俺の手が大きくなったからか、 去年の彼が俺の指を引っ張ったからか
natsu
そうしてると約束の時間が迫っていた。
natsu
そのままコートを着て靴を履き、玄関を出る
ガチャッ…
natsu
叫んで出てきた白い息が暗闇の空に消えていく
少し早歩きをしながら街頭に照らされた 道を歩いていった
約束の時間だけを伝えてあり、場所は決まってない
でも、言わなくても分かる。
あの、思い出のイルミネーションだって事くらい
natsu
去年より最低気温が低い今年は 向かい風が強くて歩くだけで凍えそうになる
でも、彼に会いたいこの気持ちが
俺の心を、身体を動かせる
natsu
去年と変わらない
彼と見た光り輝いてるイルミネーション
natsu
natsu
今年の冬も寒い
だけど、ポケットの中にしまい込んだ手には 彼から貰った手袋がある
ずっと、使い続ける限り 手離す事なんかできないんだろう
でも、
natsu
少しだけ、彼の体温が恋しい
natsu
Illma
natsu
目の前に、いるまがいた
natsu
natsu
Illma
Illma
natsu
Illma
Illma
natsu
Illma
そう言って笑っている彼は 鼻も耳も赤くなってる
ずっとこんな寒い中俺を待っていたんだろう
natsu
Illma
Illma
natsu
ポケットにしまっていた手を出す
彼の両頬に、彼から貰った手袋をつけた 俺の手を当ててやる
ポフッ
Illma
natsu
意外と柔らかい彼の頬
顔も手袋越しに冷たく感じる
俺の手の暖かさに、 いるまは甘える猫みたいに頬を擦った。
Illma
natsu
すると俺が身につけてる手袋に気づいた いるまは目を見開いた
Illma
natsu
Illma
natsu
頬に触れてる俺の手に手を重ねた
ずっと外にいた癖に 俺の手の甲に触れてる彼の手は暖かかった
natsu
Illma
去年と変わらない 暖かくて、俺より少し小さく男らしい手
離れて欲しくなくて、 俺は無意識に彼の頬を強く抑える
Illma
natsu
そうすれば、彼は俺の手を握ってくれる
そう思ってしまう自分が意地汚く感じる
名残惜しく感じながら彼の頬を離してやった
Illma
natsu
Illma
natsu
Illma
Illma
natsu
買って欲しいもの
natsu
俺の好きなアニメのフィギュア、 おしゃれな冬服、お揃いのアクセサリー、
多分、去年の俺はそう思ってた
natsu
Illma
ギュッ…
natsu
Illma
俺は、いるまの手を握った
ずっと、ずっと俺が欲しいもの
Illma
natsu
Illma
natsu
こういう時だけ素直になれない嫌な自分
でもそんなとこも、彼は好きなんだろうな
Illma
natsu
かわいいって、言うんだろ
Illma
natsu
すると、彼は俺の頬を触れた
また、少しの期待を感じて目を細めてしまう
Illma
natsu
Illma
natsu
Illma
今年もイルミネーションの光に包まれながら
手よりも暖かい感触が唇に触れた
コメント
2件
最高のプレゼントです ありがとうございました
これ読めたから今日はいい眠りにつけます、ありがとうございます😭