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26 - 赤×水_ラテと君と、恋の始まり。

♥

732

2025年04月04日

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ラ テ と 君 と 、 恋 の 始 ま り 。

仕事前の朝は、いつも無機質だった。

ネクタイを締め、革靴を履き、電車に揺られ、オフィスに向かう。

特別な事など何も無い、ただ繰り返される日々の一部。

赤_Liu

くぁ ~ ~ ッッ……ねむ……

けれど、ある日ふと立ち寄ったカフェで、その退屈なルーティンは微かに色を変えた。

赤_Liu

こんな所にカフェなんてあったっけ……、?

水_Hto

…‼︎

水_Hto

おはよ ~ ございます…‼︎✨

元気な声と共にレジに立っていたのは、水色髪をふわりとさせた店員だった。

柔らかな表情に、何処か中性的な雰囲気を纏っている。

名前はネームプレートに記された『 稲荷 水 』。

水_Hto

ご注文お伺いしますよ ~ っ‼︎

赤_Liu

ぁッ、カフェラテ1つでッ…‼︎

水_Hto

カフェラテ1つですねッ、〇〇円になります…‼︎

赤_Liu

___でお支払いお願いします

水_Hto

レシートと、こちらカフェラテになりますッ、‼︎

カフェラテを注文すると、彼は丁寧にカップを手渡してくれた。

水_Hto

ありがと ~ ございました ~ …♪

『 お仕事頑張ってください…‼︎ 』

カップの側面に、そんな手書きのメッセージと小さなひよこの絵が添えられていた。

些細な事なのに、胸の奥が妙に温かくなる。

赤_Liu

可愛いッ……笑

赤_Liu

よし……、仕事頑張ろっ……

次の日も、そのまた次の日も、なんなら1ヶ月後だって、俺は毎朝カフェに立ち寄るようになった。

この1ヶ月の間で、店員さんも俺の名前を覚えてくれるようになる。

水_Hto

赤さんッ、今日もカフェラテですか?

赤_Liu

はいッ、今日も頼みますッ…笑

水_Hto

ふふッ…了解ですっ…‼︎笑

毎回カップに書かれる言葉は違っていて、

『 今日は金曜日ですね‼︎頑張りましょ ~ ‼︎ 』とか

『 昨日より暖かいですね、今日は良い事がありますよ ~ に‼︎ 』とか

日々のちょっとした変化が記されていた。

どれも、水さんの優しさが詰まった言葉達。

そのメッセージを目にする度、無機質だった朝が少しずつ彩られていくのを感じる。

赤_Liu

……あのッ、水さんッ…

水_Hto

は ~ い……?

赤_Liu

このメッセージ、毎日考えてくれてるんですかッ、?

俺の言葉に少し驚いた様な顔をして、それから恥ずかしそうに笑った。

水_Hto

気付いちゃいました ~ っ…?笑

赤_Liu

はいっ、凄く嬉しいですッ…‼︎♪

水さんはくすっと笑って『 良かったです 』と小さく呟いた。

その仕草が、俺の胸を騒つかせる。

段々日を追うに連れて、名前も呼び捨てになった。

いつもは会社で飲んでいたカフェラテを、店内で飲んでいた時、俺はある事を確信する事になる。

それは恋だと。

カウンターの向こうで忙しなく動きながらも、客一人ひとりに優しく接する姿。

水_Hto

……ッ‼︎✨

水_Hto

[ 手ふりふり ~ ‼︎

赤_Liu

( ~ ~ ~ ッッ……かわいいッ、)

赤_Liu

[ 手ふりふり

カフェを訪れる理由が唯の習慣では無くなり、

水と話す時間が、何よりも大切なものになった。

いつかそんな彼を独り占めしたい。

けれど、それを言葉にする勇気が無かった。

………いや、違う。

水を失うのが怖かっただけか……。

そして運命の日。

俺は仕事が終わると、カフェの閉店時間に合わせて店に立ち寄った。

水_Hto

赤さん……?

店内には水しか居ない。

赤_Liu

……少し、話せる?

水_Hto

はい、大丈夫ですよッ……?

静かな店内。

俺は深く息を吸い、心の奥に閉まっていた気持ちを漸く言葉に変えた。

赤_Liu

……俺、水の事が大好きですッ、

水の目が大きく開かれる。

水_Hto

……えっ…?

赤_Liu

ずっと伝えたかった

赤_Liu

でも…、怖かった

水_Hto

はいッ………

赤_Liu

水がどう思うか分からなくてッ……、

赤_Liu

でも……もう我慢出来ない

水は戸惑った様に目を伏せ、唇を噛んだ。

赤_Liu

返事、聞かせて貰えますか…?

水_Hto

……僕……

赤_Liu

うんッ……

水_Hto

僕、性同一性障害なんです……

震える声で紡がれる言葉。

長い間、誰にも打ち明けられなかったであろう苦しみ。

その重みを前にしても、俺の気持ちは何1つ揺るがなかった。

赤_Liu

それがど ~ したの…?

水_Hto

僕が……僕である事、受け入れて貰えますかッ、?

受け入れるのは難しい事、そんなの分かってる。

けど、俺には1つの答えしか出てこない。

赤_Liu

……そんなの当たり前だよ

水_Hto

ッッ……‼︎

赤_Liu

俺が好きなのは、水そのものだからッ……

水の瞳が滲んでいく。

その頬にそっ…と触れると、彼は震えた唇で小さく言った。

水_Hto

……僕もッ…、赤さんの事が好きですっ……

それからの毎日は、変わらない様でいて、少し違った。

水は以前よりも素直に笑ってくれる様になり、俺はそんな水が愛おしくて堪らない。

初めてのデートでは、水が着てみたかった服を買いに行った。

水_Hto

ど ~ ……?

赤_Liu

めっっちゃ似合ってるッ…‼︎

水_Hto

本当ッ、!?✨

赤_Liu

うんッ、世界一可愛いよっ…♪

水_Hto

やった ~ っ‼︎✨

水が嬉しそうに微笑む。

この笑顔を守る為なら、何だって出来るなぁ。

何て……、愛情が溢れて止まらない。

赤_Liu

これからやりたい事いっぱいしてこ ~ ね…‼︎♪

水_Hto

……うんッ…‼︎

好きな服を着た水は、嬉しそうに服を眺めている。

その笑顔が、どれだけ俺の心を満たした事か。

水_Hto

赤ちゃんっ…こ ~ いうデートでい ~ の……?

赤_Liu

勿論、水と一緒に居れるならそれでいい

水_Hto

……何処までかっこいいんですかッ、…

赤_Liu

ッ、✨

赤_Liu

かっこいい…ッ!?✨

水_Hto

うんッ、世界一かっこいい…‼︎

赤_Liu

んふッ……ありがとねッ…笑

カフェラテのカップに書かれた、あの日のひよこ。

その小さな絵と文字が、こんな風に俺達を繋いでくれるなんて思ってもいなかった。

性別なんて関係ない。

大切なのは、心が惹かれ合う事。

それだけで、水が俺と笑ってくれているだけで、十分だった。

リクエストまじで感謝感激…🥹🫶 読んでくださりありがとうございます‼︎ リクエストまだ募集中です…🥹✨ 遅くなっても大丈夫だよ ~ って方は是非是非お申し付けください‼︎

この作品はいかがでしたか?

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コメント

13

ユーザー

赤水マジかわいい🙂💕 水くんの嬉しさ満載の笑顔!? めっちゃかわよいやろ。絶対。 見なくてもわかるね。うん。 もう、赤くん!水くんへの愛が溢れてるのd(。ゝω・´)イイねぇ!!Σd=(・ω-`o)グッ♪ どんどんラブラブになってくれ〜~〜? また遅くなっちゃた💦次もまってるね!今回もめっちゃ最高!

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