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『行かないで』
僕はそう言った。
でも君はこう言って笑ったんだ
『大丈夫だよ』
大丈夫なんかじゃない
もうすぐ終わってしまうんだよ？
もうすぐ消えてしまう
空はこんなにも綺麗なんだ
夕日はこんなにも輝いているんだ
皆が君を必要としているんだ
僕は……
僕は君を……
『こんなにも好きなんだよ…』
思わず口にした言葉
君は少し驚いてこちらを振り返る
『ううん……違うよ。』
『そんなのは違うよ。』
『きっと貴方は』
『私なんて好きじゃない』
『それに私は、』
『貴方が見えない』
そう言って君は消えた。
ボクの前から。
君の付けていた包帯が
ゆっくりと僕の目の前に落ちる
まるで……
『忘れないで』と言っているようにも見えた
僕はダメなんだ
君を止めたかった
でも、いつだって無力だ。
本当は、
君の目を見たかった
本当の笑顔を見たかった
あぁ……ダメだね
僕は無力だ。
『目の見えない君』
〘完〙
コメント
6件
感動…………
泣 。・゜・(ノД`)・゜・。
